家計消費状況調査に見る高額商品とIT消費の実態!
11/10、総務省から家計消費状況調査結果が公表された。この調査は家計調査の姉妹版ともいうべきもので、家計調査では充分に把握できない、高額商品とIT消費の実態に絞って調査したものであり、4年前の平成14年5月からはじまった新しい家計調査である。特に、高額商品の定義を「家計調査の結果から1購入頻度当たり支出金額が3万円以上を基準とし、その中から、購入頻度が年間1世帯当たり1回未満の品目と年間消費支出に占める割合が0.01%以上の品目について選定」としており、まさに、客単価3D分析の定義そのもので高額商品がピックアップされている。すなわち、客単価が0.01%以上(年間消費支出に占める割合)、客単価PPIが3万円以上(1購入頻度当たり支出金額が3万円以上)、客数PI値が年間1回未満(購入頻度が年間1世帯当たり1回未満)としており、客単価=客単価PPI×客数PI値の数式にもとづいて、客単価PPIが高く、客数PI値の低い商品で、しかも、客単価が高い商品を高額商品と定義し、ピックアップしている。残念ながら、公表データは消費金額のみであり、客単価PPI、客数PI値が公表されていないので、その要因を分析することはできないが、高額商品の動向を把握するには大変参考になる調査データである。
さて、11/10公表の最新のデータは9月度の集計値ということになるが、9月度の高額商品の中で、昨年9月度と比べ最も伸び率の高かったものは、デジタル放送チューナー内蔵テレビ9960.0%(1,494円)、ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含む)926.3%(352円)、応接セット217.9%(377円)、葬儀・法事費用160.5%(4,614円)、インターネット接続機能付カー・ナビゲーション159.4%(153円)、挙式・披露宴費用157.7%(3,101円)、楽器(部品を含む)155.7%(123円)であった。これらが150%以上伸びた商品である。特に、昨年はまだ出初めであったデジタル放送チューナー内蔵テレビの伸びがすさまじく、昨対で見ると100倍となり、関連商品として、ビデオデッキ(DVDレコーダー・プレーヤーなどを含むも10倍の伸び率であり、これらが1、2位を独占した。No.1のデジタル放送チューナー内蔵テレビについてを、さらに地域別に落として見ると、No.1は四国の4,215円で断トツであり、No.2の中国地方の2,732円を大きく引き離している。No.3が関東の1,590円であり、四国、中国地方はこの9月度は異常な消費額である。ちなみに、ワーストは近畿の912円であり、近畿はもっと安くなるを待っているかのような動向である。高額商品の場合は、このように地域差も鮮明にでるという特徴がある。
ついで、消費額の大きいものの上位を見てみると、私立授業料等(幼稚園~大学、専修学校) 15,970円(106.0%)、自動車(新車)14,520円(110.6%)、移動電話(携帯電話・PHS)使用料8,773円(100.5%)、家賃8,392円(96.2%)、家屋に関する設備費・工事費・修理費(外装) 7,522円(139.4%)がベスト5である。教育、自動車、携帯電話、家賃、リフォームが高額商品の5大商品であることが浮かびあがる。
逆に伸び率が最も低いものを見てみると、デジタル放送チューナー内蔵テレビ以外のテレビ15.3%(209円)、デジタル放送用チューナー・アンテナ21.8%(69円)、デジタルビデオカメラ56.1%(198円)、たんす56.1%(133円)、信仰関係費67.4%(2,463円)である。当たり前だが、デジタルテレビは内蔵でないとだめなようである。また、消費額の小さいものをみて見ると、インターネット接続機能付テレビゲーム機15円(115.4%)、インターネット接続機能付固定電話機16円(133.3%)、デジタルビデオカメラ以外のビデオカメラ26円(78.8%)、デジタルカメラ以外のカメラ51円(145.7%)、デジタル放送用チューナー・アンテナ69円(21.8%)、ファクシミリ付固定電話機87円(73.1%)、ステレオセット87円(93.5%)であり、これらが1世帯当たり消費金額100円をきった商品である。アナログビデオカメラ、FAX、ステレオなどが伸び率も低い商品であり、デジタル化が急激に進んでいる様子が浮かびあがる。
ちなみに、IT関連では移動電話(携帯電話・PHS)使用料100.5%(8,773円)、固定電話使用料91.8%(3,350円)、インターネット接続料(プロバイダー料と通信料)118.7%(1,416円)、インターネット接続料(プロバイダー料)111.6%(125円)である。携帯電話の使用量が横バイとなり、固定電話の伸びは落ち、インターネット関連はまだ伸び続けているという状況が続いている。
このように、家計消費状況調査は高額商品とIT関連の動向を見るには参考となる統計資料である。ただ、購入頻度が極めて低いことから、いつ、購入が集中するかが最大のポイントであり、一旦、購入が発生すれば、その後はしばらく、消費が起らないため、それを見極めるのが難しいところである。今後、昨対比較だけでなく、数ケ月間の推移もみながら消費動向を追って行く必要があるといえ、本ブログでも、今後、様々な分析方法を試み、実務にいかに結び付けてゆくかを検討してゆきたい。
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