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November 09, 2006

客数と顧客IDとの違い、ポイントはリピート!

  食品スーパーマーケット業界では客数という場合、ジ通過客数、すなわち、シート枚数を客数ととらえてきた。平均的な食品スーパーマーケットでは、1日の客数はだいたい2,000人/日であり、これイコール1日のレシート発行枚数である。これ以外に店内の客数を把握する仕組みがなかったため、客数というと、食品スーパーマーケットではこの客数を客数としてとらえ、売上との関係もすべて、この客数を前提としてこれまで考えてきた。売上=客数×客単価であり、この客数がレジ通過客数のことである。しかし、ここ最近、ポイトカードが普及し、IT技術も進化したことにより、ポイントカード使用顧客に限られるが、レジ通過客数=レシート毎数に加え、顧客IDのレジ通過客数=顧客IDのレシート枚数が活用できるようになってきた。それより、これまでの単純な客数から、顧客IDの活用が可能となり、顧客ID活用による新たなマーチャンダイジングへの活用に加え、顧客IDへの直接のアプローチ、ダイレクトマーケティングが可能となりつつある。これまでのレシートを活用したダイレクトマーケティングもいくつか試みられていたが、顧客IDまで把握できると、直接顧客へ情報発信が可能となり、これまでよりも、まさにダイレクトに顧客に購買を働きかけることが可能となる。

  では、顧客IDによる客数が把握できるようになると何が違ってくるかであるが、最大の違いはこれまでのレシート客数を2つに分解し、これまでけっして把握することができなかった来店頻度(リピート)を算出することが可能となることである。そして、その応用として、商品ごとの購買頻度(リピート)を把握することもできるようになり、顧客の来店状況および購入状況の詳細が明確に把握できるようになる。ただし、小売業の場合はどんなにがんばっても100%のIDはほとんど不可能であり、80%前後が上限である。ポイントカードの使用率を見ると、高いところでは90%を越える店舗もあるが、だいたい平均が80%前後であるからである。したがって、100%の店舗利用顧客ではない点は注意する必要がある。客単価3D分析については、レシート分析が前提となるので、顧客100%の分析が可能なる。

  まず、ここで来店頻度(リピート)について考えてみると、客数を顧客IDで把握できない場合は、来店客数はわかっても、来店されている方が、どのくらいの頻度で来店しているか、すなわち、来店頻度(リピート)はけっしてわからない。来店頻度を出すためには、顧客IDの把握が必須である。顧客IDの把握がわかれば、客数を次のように分解できる。総客数=顧客ID客数×来店頻度(総客数÷顧客ID)、これによって、総客数が増えた場合は顧客IDが増えたのか、それとも来店頻度が上がったのかが明確になり、客数はアップの戦略を絞り込むことができるようになる。実は、インターネットの世界ではすでに100%の顧客でこれが実現されており、たとえば私の食品スーパーマーケット最新情報のブログのアクセス数を見ると、訪問者数とアクセス数でこの2つを区別し、googleでは訪問数とページビュー数で区別し、さらに平均ページビュー数で来店頻度まで算出している。顧客IDが把握できるのであれば、すぐに、客数を顧客ID客数と来店頻度に分け、客数アップの対策を絞り込むべきであろう。
 
  一方、その応用としての商品ごとの購買頻度(リピート)の把握であるが、これは、応用問題であるので、いくらでも数式をつくることができる。代表的なものをひとつあげると、商品ごとの購入客数を、先の客数の分解と同じように、その商品の購入客数=顧客ID客数×購入頻度(購入客数÷顧客ID客数)に分けて見ることである。これによって、その商品の販売状況が、どのくらいの顧客へ広がっているか(広さ)とその商品がどのくらいリピートされているか(深さ)に分けることが可能となる。それにより、その商品のマーチャンダイジング政策のどこを重点的に取り組んでゆけばよいかが明らかになり、次の一手が明確になる。この分析手法が基本であり、これに、数量情報を乗せる、金額情報を乗せれば客単価3D分析のノウハウがそっくり活用できる。また、顧客を購買状況に分けることにより、初回購買顧客だけの分析、リピート購買顧客だけの分析、ある商品から別の商品に乗り換えた顧客の分析など、ちょっと考えただけでも数10種類の分析を行うことができる。

  このように、客数は実に奥深いものであり、まさに、神様といっても過言ではない。これまで小売業界では客数というとレジ通過客数のみを活用してきたが、時代はめぐり、顧客ID活用の時代に近づきつつある。そして、そのキーワードはリピートである。もし、顧客IDが活用できるようになったならば、是非、リピートという概念で客数をとらえなおし、新たなマーケティング、マーチャンダイジングの世界に挑戦して欲しい。

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