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November 14, 2006

業務スーパー、上場後初の決算、増収増益、計画は未達?

  業務スーパーを全国に展開する神戸物産が上場後、初の決算を迎えようとしている。神戸物産の決算月は10月であるため、すでに、会計年度は終了し、新年度に入っているが、現在、決算の集計中であり、公表は12月か来年1月となろう。決算予想であるが、増収増益の予想ではあるが、計画値を下回り、当初の大幅な増収増益は難しい状況といえよう。9/13に公表された第3四半期決算と同時に公開された業績予想の修正に関するお知らせを見る限り、今期予定していた10月末までに100店舗の出店計画が未達に終わり、当初の予定の980億円を7.1%下回り、910億円、昨年対比118.9%となる予想である。また、仕入れの多くを中国工場から輸入し、ドルベースで決済しているため、円安の影響も受け、当初計画の経常利益、25.22億円の予想が、17.9%下回り、20.7億円、昨年対比107.0%となる予想である。

  神戸物産の上場以来の株価の推移を見てみると、上場来最高値は6/12の5,250円であったが、その後、8月に入ると4,000円を割り、9月に入ると3,500円台となり、第3四半期決算の公表があった9/13以降は3,000円を切る株価となり、10月に入り2,500円前後と厳しい株価が続いている。現在、2,400円強で推移しており、株価から見る限り、投資家は厳しい見方をしているといえよう。

  現在公表されている神戸物産の第3四半期決算数字をみてみると、売上は662.24億円、営業利益は12.50億円(売上対比1.9%)、経常利益12.89億円(売上対比1.9%)、当期純利益8.04億円(売上対比1.2%)である。また、損益計算書を見ると、粗利は4.0%、販売費および一般管理費は2.1%、差引き、営業利益が1.9%であり、業務スーパーはフランチャイズ経営が主体であるため低粗利、ローコストの経営であることがわかる。ただ、この数字を昨年の決算数字、2005年10月度と比較すると、粗利は4.9%であったので、0.9%ダウンし、厳しい数値であり、販売費および一般管理費は2.4%であったため、0.3%ダウンと、さらにローコスト化が進んだが、結果、営業利益は2.5%から1.9%へとダウンしているので、粗利の問題が現在、神戸物産では大きな課題となっているといえよう。中国からの輸入比率が高い分、円安の影響を受けているものといえる。今後、このまま円安傾向が長期化するのであれば、さらに店舗数を増やし、粗利高で収益を上げてゆくか、さらにローコスト化をはかるか、中国以外の低粗利商品が開発可能な輸入を検討することが必要となろう。また、財務的には上場したこともあり、昨年の決算期と比べ、この第3四半期時点で現金および預金が昨年決算期の49.7億円から128.3億円と大幅に増えており、また長短借入金も0であり、健全な数字といえる。

  さて、神戸物産の主力業態である業務スーパーの特徴であるが、FCモデル店の基本数字は、売上が月商2,500万円(1日約83万円、年商約3億円)、商品原価が2,050万円、ロイヤリティが商品原価の1%で20.5万円、差引き、粗利が429.5万円(17.1%)となる。これに販売費および一般管理費が255.0万円(10.2%)かかり、営業利益は、商品ロス0.1%のマイナスが入り、差引き合計172.0万円(6.8%)という数字となる。一般的な食品スーパーマーケットと比べると、売上は約1/4と低いにもかかわらず、粗利も売上対比で約5%低く、経費はさらに売上対比で約10%低いという経営構造となっており、超ローコスト構造の業態であることが最大の特徴といえよう。また、業務スーパーはPBによる粗利政策がもうひとつのポイントであり、約30%のPBの売上構成比で約70%の粗利を稼ぎ出しており、これが利益高を大きく引き上げ、NBを安く売れる秘訣であり、業務スーパーの競争力の源泉といえよう。

  このように神戸物産は業務スーパーという独特な業態を開発し、FC化による急成長を遂げ、上場を果たし、現在400店舗を越えたが、ここへ来て、出店が計画値を下回り、さらに、利益の源泉である中国からの輸入が円安により、原価アップとなり、増収増益は確保できそうであるが、計画値は下回る予想となった。今後、中長期ビジョンでは毎年100店舗づつFC店を出店し、来期500店舗、来来期600店舗と、高成長路線の目標を立てているが、今回の上場初年度からの出店計画未達は、今後の経営計画の再検討を余儀なくされるものといえよう。その意味で再度、新店はもちろん、現在の約400店舗の既存店の活性化も今後大きな課題といえ、本決算発表時には、今後の株価を上げるためにも、主力業態である業務スーパーの今後に向けた現実的な中長期計画の提示が必要といえよう。

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