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November 07, 2006

家計調査月報の新しい分析手法の提案!

  本ブログでは数度に渡って家計調査月報の速報を取り上げてきたが、ここ数カ月前から、これまでの昨対比較に加え、客単価3D分析の考え方を取り入れて速報値を解説している。当初は客単価2D分析で説明を試みようとしたが、平均単価が1個当りであったり、一切れであったり、g当たりであったりと通常の商品単価とは違うため、せっかく、平均単価が算出されていながら、これらを活用することが充分にできなかった。そこで、それ以外の指標は活用できないかと考えたすえ、10,000分比当たりの世帯数という指標があることがわかり、これを活用すると、いっきに客単価3D分析の考え方が使えることがわかった。これまで、数回、活用してみたが、ほぼ、問題ないところまで来たので、ここで、家計調査月報の客単価3D分析にもととづく、新しい分析方法を提案してみたい。

  では、10,000分比当たりの世帯数の指標を使うと何が変わるのかであるが、ひとことでいうと1世帯当りの消費金額が伸びた場合、その原因が購入世帯数が増えたのが、それとも購入世帯数の需要が拡大したのかが明確になることである。これまでは、1世帯当りの消費金額が増えても、その原因をつきつめることは、1世帯当りの消費金額を前月、昨年と比較するか、あるいは他の商品と比較しながら、原因を推定してゆくしかなかった。もちろん、平均単価の動き、購入頻度の動きをみながら、同様に比較すれば、価格があがったのか、購入頻度があがったのかで、その原因を推定してゆくことは可能である。ただ、この場合はあくまでも、先にあげたように平均単価が商品単価ではなく、しかも購入頻度が、購入個数ではないため、消費金額を直接説明する、明確な方程式が成立しない。したがって、価格と頻度でそれなりの説明付けにはなるが、明確性がいまひとつ欠けていたといえよう。

  これに対して、この10,000分比当たりの世帯数を活用することで、客単価3D分析の根幹である客数PI値を算出できることが可能となり、これにより、消費金額を割れば、客単価PPI、すなわち、その商品の購入者のみの客単価を算出できるようになり、客単価3D分析のきれいな方程式で、消費金額を分解することができるようになる。すなわち、1世帯当りの消費金額=その商品の購入世帯の割合×その商品の購入世帯のみの商品金額という方程式、客単価=客数PI値×客単価PPIが成立するのである。これにより、これまでの消費金額が伸びた場合は、その商品の購入世帯が増えて伸びたのか、その商品の購入世帯のみの消費額が上がったのか、それとも双方が上がったのかが明確に数値で解析できるようになる。客単価3D分析をすべて適用するには、これ以外に価格情報か数量情報が必要ではあるが、これだけでも、これまでの分析に比べたら充分な説明力があるといえよう。特に、消費金額が伸びた商品、減った商品に加え、商品ごとの比較をし、消費額が大きな商品、旬ののびはじめの商品、テレビ広告等を頻繁にうっている商品をこの分析手法で見ると、これまでとは違った角度からの消費金額の実態をみることができる。

  ここでひとつ、直近の家計調査月報である2006年9月度のデータにもとづいて上記の客単価3D分析の方程式に当てはめて見てみたい。典型的な商品として、キャベツを取り上げてみたい。キャベツは1世帯当りの1日の消費金額7.30円の商品であり、この9月度は昨対127.3%という高い伸びを示した商品である。これを客単価3D分析すると、客数PI値は、キャベツの10,000分比当たりの世帯数が7,576世帯であるので、75.76%である。したがって、客単価PPI、キャベツのみの購入者の消費金額は7.30円÷75.8%=9.63円となる。したがって、この7.30円が昨対127.3%であるので、この2つの指標、客数PI値(キャベツの購入世帯数の割合)が増えたのか、客単価PPI(キャベツの購入顧客のみの消費金額のみ)が増えたのかが数字で判断ができることになる。実際の数字を見ていると、キャベツの客数PI値(キャベツの購入世帯数の割合)は97.9%と減っているが、キャベツの客単価PPI(キャベツの購入顧客のみの消費金額)が130.0%で増えており、キャベツの消費額は相場高による消費額の増(あるいは相場安で点数増)であり、キャベツ購入世帯は増えていないどころか、減っていることがわかる。これは相場が落ちつけば、キャベツの消費金額は伸び悩むことが予想され、けっして喜ばしい数字ではないことが、この分析から明らかになる。

  このように、家計調査月報も10,000分比当たりの世帯数を活用することによって、新たな消費金額の解釈が可能になり、今後、食品スーパーマーケットのマーチャンダイジング政策にこれまで以上に大いに役立つことが期待できよう。本ブログでは、当面、この客単価3D分析を取り入れた新しい分析手法を深めてゆきながら、それ以外の購入頻度、平均単価についても参考数値として活用できる分析手法に高めてゆきたいと思う。

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