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November 22, 2006

PI値の将来について

  最近、PI値の奥の深さを改めて感じています。基本原理は極めて単純なのですが、突き詰めてゆけばゆくほど先があり、どの時点で実践投入するか、なかなか難しいものがあります。基本はMD方程式にもとづき、マーチャンダイジングを支援することにありますが、ここへ来て、様々な依頼をいただいたり、自らへ課題を設定して、勝手に挑戦をしたりしている中で、PI値がいくつかの方向に結実しつつあるのを感じています。ひとつは、利益改善の方向です。もうひとつは、客数アップの方向です。そして、もうひとつはwebへの応用です。この3つの方向が当面のPI値のすすむべき方向かなと、最近、感じるようになりました。

  まず、最初のひとつ、利益改善の方向ですが、これは結構やってみるとおもしろいです。即効性があり、数字がわかった瞬間、勝手に体が動いてしまうという感じです。PI値の活用は、客単価=PI値×平均単価からはじまりますが、この客単価に粗利率を掛けると粗利PI値となり、この指標を使うことによって、客単価アップから、粗利改善にテーマが変わります。客単価×粗利率=PI値×平均単価×粗利率、粗利PI値=PI値×粗利高となるわけです。さらに在庫が把握できると、在庫PI値が算出可能となり、この在庫PI値に交叉比率を掛けると粗利PI値になってしまい、粗利PI値を活用しての利益改善が、在庫PI値を活用することによって、在庫改善にも連動してしまうのです。在庫PI値=在庫高÷客数、交叉比率=商品回転率×粗利率=(売上高÷在庫高)×(粗利高÷売上高)=粗利高÷在庫高となり、これに在庫PI値=在庫高÷客数を掛けると交叉比率×在庫PI値=(粗利高÷在庫高)×(在庫高÷客数)=粗利高÷客数となり、=粗利PI値なのです。在庫PI値をもとに現場の在庫を確認してゆくと、即、交叉比率アップへとつながり、ひいては、粗利PI値、利益改善の流れをスムーズにつくることが可能となります。特に、在庫PI値で全店の平均を算出し、過剰在庫、過小在庫を把握すると、その数字がわかったとたん、現場へ飛んでゆきたくなる衝動がわくようです。先日もある責任者の方が、その場で電話を掛け、なぜ在庫が多いのかを現場に確認していました。現場の方もびっくりしたようで、いきなり、在庫多くない?ときかれ、とまどっていたようです。このように、在庫PI値は即効性があるPI値のひとつです。

  もうひとつはレシートデータ活用の方向です。これはPI値からPPIへという流れです。これまで、PI値は客数を細分化して活用することはまだまだ一般化していなかったのですが、ここへきて、レシートデータを活用しはじる企業が増えはじめたことです。また、レシート分析がもう一歩進み、レシートIDデータの活用も一部の企業で始まりました。この段階になるとリピートという概念が新たに加わり、これまでのPI値の指標がPPIとなり、ざっと数えただけでも数10種類に細分化され、しかもいくらでも新たな指標を作り出すことができるのです。これもほぼ理論的には完成の域に来たかと思いますので、どこかで、機会があれば本格的に実践投入してみたいと思います。特に、これまでの客単価アップから客数アップ、販売促進への活用が決め手になりそうです。

  そして、ごく最近取組みはじめたもうひとつのPI値はWebのPI値です。これまで詳細なアクセス解析ログが手に入らなかったので、中々WebPI値の開発が進まなかったのですが、ここへきてほぼ欲しいレベルの詳細なアクセス解析ログが手に入り、飛躍的に研究開発が進みはじめました。これもPI値、PPIの応用+αでほぼ解けそうなところまできました。特にWebの世界では、原則、平均単価という指標がありませんので、客単価という概念が存在しません。そのための、あらたな概念をつくり、指標化する必要があります。その基本概念が時間です。Webは時間というアナログをデジタル化し、金額のかわりに、時間を活用することがポイントなのですが、このデータが入手できなくて実は数年悩んでいました。やっとごく最近入手できましたので、PI値の時間への活用が可能となり、現在、鋭意研究開発中です。そう遠くない将来に研究成果を何らかの形で公表できるのではないかと思います。

  ということで、PI値も基本の客単価アップの支援から、粗利、在庫改善の方向、レシートデータ、レシートIDデータ活用によるPPIにもとづく客数アップの方向、そして、近未来のweb-PI値、時間のマーチャンダイジングへの応用が見えてきたといえます。本ブログでも、今後、食品スーパーマーケット最新情報に加え、PI値の研究成果も順次取り上げてゆきたいと思います。

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