ウォールマート、2006年11月度、売上速報、既存店-0.1%!
ウォールマートの2006年度、11月度の売上速報が公表された。今回、はじめて、既存店が-0.1%になり、とうとう、昨対を割ってしまった。昨年同時期は104.2%の伸びであり、これまでの43週の累計は101.9%であるので、11月度の数字は厳しいものであったといえよう。ウォールマートはこれについて、昨年のハリケーンの影響が大きかったことが最大の原因であると説明し、さらに、アパレル、住関連が厳しかったとしている。また、この既存店-0.1%の中身は、サムズクラブは102.0%で伸びており、スーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケットの合計が-0.5%であったことにある。ウォールマートは今後もしばらく、昨対のハリケーンの影響が続き、12月度も100%から101%ぐらいの既存店の低成長がつづくと予想しており、当面、ウォールマートの既存店は厳しい数字が続くものといえよう。
これを受けて、ウォールマートの株価は、この数字の公表が行われた11/30の週のはじめの月曜日、11/27頃から、株価がさがりはじめ、それまで、48ドル付近であった株価が、11/27、46.61ドル、11/28、46.71ドル、11/29、46.89ドル、そして、11/30、46.1ドル、12/1、45.87ドルとじりじり下げている状況といえる。売買高も通常の約2倍の2,500万株と増えており、今後、どの辺で株価が落ち着くかが焦点である。ただ、比較的、市場はこれまで冷静に反応しており、12/4以降の週明け、日本時間で12/5以降の株価が注目されるところである。今年のウォールマートの最高株価は約52ドル、最低株価は42ドルであるので、この42ドルを切るかどうかがひとつのポイントであろう。
では、ここで、もう少し、2006年11月度の数字を細かくみてみたい。既存店に関しては既に解説した通りであるが、全体では国際部門の伸びとスーパーセンターの新店が順調にオープンしていることがあり、111.9%と依然として好調であり、43週累計でも112.1%である。今期も残すところ約10週間であり、このまま2桁の成長は維持できるものといえよう。この好調の原因のひとつは、全体の22.7%の売上構成比を占める国際部門が132.7%の伸びを示しているところが大きい。昨年は19.17%の売上構成比であったので、国際部門の貢献はウォールマートにとって成長戦略の柱となりつつあり、今後も、110%以上の成長を維持するには重要な部門であるといえよう。この国際部門には、経営統合した西友を含め、ウォールマート中央アメリカ、合併したウォールマート南アメリカ等がある。
また、スーパーセンター、ディスカウントストア、ネバーフッドマーケットのウォールマート部門もスーパーセンターの新規出店が好調であり、昨対107.9%という伸びであった。43週累計でも108.3%であり、11月度も高い成長が続いているといえよう。そして、サムズクラブについては、102.1%と既存店がほとんどで、新店が少ないため、既存店とほぼ同じ伸び率である。ただし、43週累計は既存店の102.7%に対し、累計では104.4%であるので、11月以前の新店分だけ累計では高い伸びであったといえよう。
ただ、今回、ウォールマートにも明るい材料もあり、4ドルのジェネリック薬品が全店導入になり、順調な数字を上げ始めたという。また、エレクトロニクス部門のDVDは良く売れており、それに加え、売れ筋のプレイステーション3や任天堂のwillの在庫確保は難しいものがあるが、クリスマスシーズンまでには在庫を確保したいと期待を寄せている。さらに、不振のアパレルと住関連品については、来春までに改善をはかる方針であり、これらの数字を加え、既存店の底上げをはかってゆくという。
ウォールマートの新店については、11月度もスーパーセンターを中心に21店舗オープンしており、引き続き、新店戦略は順調といえよう。特に、11/8、オハイオ州に91店舗目のスーパーセンター、フロリダ州に141店舗目のスーパーセンター、ルイジアナ州に65店舗目のスーパーセンター、ニューヨーク州に40店舗のスーパーセンター、ジョージア州に106店舗目のスーパーセンター、ウィスコンシン州に45店舗目のスーパーセンター、ネヴァダ州に18店舗のスーパーセンター、というようにこの日は全米でスーパーセンターの同時オープンが相次いだ日であり、スーパーセンターの新規出店は今後とも急成長の勢いが続いてゆくといえよう。
このように、ウォールマートの既存店は今期はじめて昨対を割ったが、全体としては、国際部門の好調さに加え、スーパーセンターの新規出店がものすごい勢いですすんでおり、これらが寄与し、110%の高成長はつづいてゆくものといえよう。ウォールマートはハリケーンの影響が年末から来年早々まで続くとみており、今期は引き続き厳しい既存店の数字と予想されるが、ハリケーンの影響がなくなる来期のはじめから来春にかけての既存店の数字がどのように推移してゆくかが当面の注目点であろう。
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