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December 22, 2006

オーケーストア、2007年3月度、中間決算、増収増益で推移!

  オーケーストアの中間決算が12/11公表された。オーケーストアは3月決算であるため、中間決算の期間は3/21から9/20まで6ケ月である。売上は710.16億円(116.18%)、営業利益30.44億円(108.17%:売上対比4.28%)、経常利益30.56億円(110.04%:売上対比4.30%)、当期純利益19.06億円(119.94%、売上対比2.68%)と増収増益であった。既存店の売上も107.9%と好調であり、食品スーパーマーケット業界の中でも屈指の成長率といえよう。オーケーストアは一昨年、年商が1,000億円を越え、昨年は1258.61億円(118.99%)であったので、このペースでゆくと、今期年商は1,500億円弱となる予想といえよう。ここ数年、毎年約200億円づつ年商を増やしており、驚異的な高成長である。

  オーケーストアは経営方針に「高品質、Everyday Low Price」を掲げており、粗利率は19.3%と食品スーパーマーケット業界の中でも極めて低い粗利率である。食品スーパーマーケット上場企業54社の中間決算の単純平均の粗利率が26.6%であるので、オーケーストアの粗利率19.3%はいかに低い粗利率であるかがわかる。ちなみに、食品スーパーマーケット上場企業の中でオーケーストアよりも低い粗利率の企業はPLANT(17.8%)、カウボーイ(18.0%)、マルミヤストア(18.4%)、アオキスーパー(19.0%)の3社である。しかも、オーケーストアの一般管理費率は15.0%とこれも驚異的な低さであり、食品スーパーマーケット上場企業の中では15.0%以下の一般管理費率の企業はカウボーイ(13.1%)のみであり、粗利率が低いだけでなく、一般管理費比率も低く、結果、営業利益も4.28%と高収益である。この高収益の理由を、オーケーストアは、既存店107.9%が大きく、既存店が伸びると固定費が相対的に低くなり、変動費もさほどかからないため、好循環が生まれたと説明している。

  ではこの経費比率15.0%の内訳であるが、人件費比率9.27%、地代家賃1.28%、水道光熱費0.93%、減価償却費0.53%、販促費0.26%、その他であり、販促費がEveryday Low Priceを実践しているため、ちらし等の販促費が削減できるために極端に低いのが特徴である。ちなみに、オーケーストアの借入金は短期借入金が社債も含め113.5億円、長期借入金が社債を入れて、47.1億円、合計160.63億円であり、今期の年間売上が1258.6億円であるので、売上比率は12.76%である。この比率は食品スーパーマーケット上場企業平均が13.75%であるので、平均以下であり、健全な借入比率といえよう。

  また、オーケーストアの既存店がなぜこれほど好調なのかを商品戦略から見てみると、オーケーストアは食品と日配が全商品群の中で圧倒的に強く、構成比は食品が23.94%、日配が23.5%であり、合計約50%弱となる。しかも、食品の粗利率は14.4%、日配は20.5%とこの2部門がまさにEveryday Low Priceを実践しており、これがオーケーストアの強さの源泉といえよう。一方、生鮮食品では青果がNo.1部門であり、構成比は11.1%で粗利率は19.1%であり、ほぼ日配と同じ粗利率である。精肉、鮮魚はどちらもほぼ同じ売上であり、構成比は約7.5%、粗利率は精肉が22.8%、鮮魚が25.3%であり、鮮魚の粗利がやや高いのが特徴である。このように、オーケーストアの商品戦略の最大の特徴は食品スーパーマーケットの商品群の中でPI値の高い3大部門、日配、一般食品、青果を低粗利率のEveryday Low Priceを実践し、商品構成比を極限にまで高めていることにあるといえよう。これが近隣の顧客の来店頻度を高め、結果、競合に打ち勝ち、既存店の売上を押上げているといえよう。極めて理にかなった明快な商品戦略である。ただ、気になるのは、総菜であり、ベイカリー、寿司を足した商品構成比は4.5%であり、今後の課題であるといえよう。

  このようにオーケーストアの2007年度3月期の中間決算は極めて順調に推移しており、既存店も好調である。経営戦略もEveryday Low Priceに加え、Everyday Low Costがまさに実践されており、食品スーパーマーケット業界の中でも低粗利率であるにもかかわらず、高収益をもたらしているといえる。特に、オーケーストアも自ら解説しているように、既存店の好調さが高収益にも結びついたといえよう。そして、オーケーストアの既存店の好調さの大きな要因は、食品スーパーマーケットにとってPI値の高い3大商品群である一般食品、日配、青果のEveryday Low Priceを実践し、商品構成比を極限にまで高めた結果であるといえよう。

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