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December 11, 2006

日経MJ新製品週間ランキングを客単価3D分析で見る!

  これまで、毎週金曜日の日経MJの新製品週間ランキングについて、本ブログでは、何度も取り上げてきたが、今回は直近の12/8のデータをもとに、客単価3D分析の視点を取り入れ、新たな解釈で、新製品をとらえ直してみたい。現状の日経MJの新製品週間ランキングで公表されている指標は首都圏34チェーン、195店舗のPOSデータである。このPOSデータをもとに毎週、客単価(1,000人当り)、平均単価、カバー率を公表し、客単価でランキングランキングをし、公表しているのが現状である。では、これに客単価3D分の視点を導入すると、このランキングはどのように変動するのかを見てみたい。

  客単価3D分析を正式に導入するには、レシート分析が前提となり、このPOSデータでは不十分であるが、客単価3D分析の視点を導入することは、現状のカバー率を活用すれば可能である。日経MJで活用しているカバー率はその商品が1つでも売れた店舗の比率であり、これが100%であれば195店舗全店で販売されている新製品であり、50%であれば、半分の約100店舗弱で販売されている新製品である。したがって、導入店舗のみの客単価を逆算することによって、客単価PPI=新製品の購入者のみの客単価に近い数値を算出することができる。この日経MJが公表している客単価を含め、一般的な客単価は売上を入店客数で割って算出するため、新製品を購入している顧客も購入していない未購入顧客も含めて一人当りの平均売上、すなわち、客単価を算出している。客単価3D分析とはこの客数に着目し、新製品の未購入客を除外し、純粋に購入客のみで客単価を算出する考え方であり、これによって、新製品の購入顧客のみの客単価=客単価PPIが算出でき、より、新製品の購買状況の実態をつかむことが可能となる。もちろん、客単価PPIに客数PI値を掛ければ、客単価になるので、客単価との関係も明確であり、逆に、客単価がなぜ高いか、あるいは低いかの理由を顧客の購買動向を購入金額か購入客数かに分けて分析できることになり、次の客単価アップへの実践的な仮説がより立てやすくなる。

  今回の日経MJではここまでの精度の高い客単価3D分析は残念ながら、現データではできないが、その一歩手前の新製品の導入店舗のみでの客単価を算出することは、可能であり、その客単価=導入店舗のみの客単価を見ることにより、より、新製品の購買行動の実態に迫ることができ、なおかつ、新製品が今後どのくらい売れる可能性があるかの推測が立てやすくなるものと思う。

  とりあえず、12/8の直近の日経MJの新製品週間ランキング表で、いくつか実際に客単価3D分析の視点を導入し、その実態を見てみたい。たとえば、その他の食品の中のNo.1は丸大食品のブロックベーコン180gであり、その客単価は288円、カバー率は65.6%である。したがって、客単価3D分析の視点を入れ、導入店舗のみの客単価を逆算すると288円÷65.36%=439.0円となる。同じ計算を、ベスト5で実施してみると、No.2の日清食品カップヌードルみそ81gが460.5円、No.3の丸大食品のあらびきロングウィンナー230gが393.1円、No.4のグリコ乳業のとろーりクリームonプリン3個パック85g×3が500円、そして、No.5の日本ハムの若鶏てりやき4個240gが423.7円となる。したがって、No.4のグリコのとろーりプリンが購入者のみの客単価で見た時には500円とNo.1であり、現在カバー率がNo.1の65.6%に対し、28.2%であり、各店での導入が進んでくると、逆転する可能性もある新製品であるといえよう。もちろん、導入店舗が増えるにしたがい、落ちることも考えられるので、この時点での判断は難しいものがあるが、可能性はないとはいえない。

  また、No.5未満の商品でも、同様に客単価3D分析の視点を入れて逆算してみると、導入店舗のみの客単価で見たときに、500円を越える新製品はNo.7の森永乳業のクラフトカマンベール入り切れているチーズが600円、No.11の明治乳業のほほえみ特別2缶パックディズニータオル付が842円、男前豆腐店の京都湯豆腐(マサヒロ)350gが731円、No.17の伊藤ハムの味健気、あらびきポークウィンナーが669円とカバー率が低いがゆえに全体の客単価では下位の商品を見出すことができる。これらは、導入店舗のみの客単価はNo.1以上の客単価であるため、今後、導入店舗が増えてくれば、No.1になる可能性があるといえ、注目の新製品といえよう。
 
  このように、日経MJの新製品週間ランキングに客単価3D分析の視点を入れることにより、全体ランキングでは見えなかった将来ランキングが高くなる可能性の高い、有望な新製品の候補を電卓ひとつでいち早く見抜くことが可能となる。その意味で、ここに公開されている情報は加工の仕方次第では、さらに貴重な情報となり、新製品の自店への導入の可否、売上予測などに活用可能であると思う。

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