イオンがここへ来て、にわかに注目を集める!
12/14の日経新聞に「イオンモール15%増益」、「今期経常、新規SCなど寄与」という記事が載り、2007年2月期のイオンモールの決算が15%の増益になることが明らかになった。ここへきて、イオンがマスコミで特集されることが多くなり、にわかに注目を集めている。販売革新12月号ではダイヤモンドシティミューが特集され、12/16発売の東洋経済ではイオン恐るべしという50ページ以上のイオンの大特集が組まれた。特に、流通戦国時代の終焉というサブタイトルのもと、岡田元也社長への120分のインタビュー記事も掲載されており、流通業界の覇者として取り上げられているのが特徴である。また、イオンの注目はこのようなマスコミばかりではなく、投資家からも注目が集まっているのが現状である。東洋経済の記事の中にもあるが、この11月にイオンは2,000億円の公募増資を実施しているが、海外からは20倍、国内を合わせると10倍の応募があったという。単純に計算しても2兆円の資金提供が殺到したこととなり、投資家からも熱い視線が注がれているといえよう。
東洋経済の12/16の記事によれば、イオンが投資家からにわかに注目を集めはじめた理由はシェアにあるという。現在、日本の小売市場は約120兆円といわれているが、イオンの現状の売上は4.4兆円、これに、今回、資本業務提携するダイエーの1.7兆円の売上を足すと6兆円を越え、シャアで見ると6%となる。この6%のシェアが急成長の臨界点に迫っているのではないかという仮説である。事実、アメリカのウォールマートは国内小売シェア6%を越えた1996年当たりから急成長路線に入り、2005年度現在のシェアは11.4%であるという。イオンもこの臨界点である6%のシェアに達しつつあり、今後、10年で10%以上、10兆円の売上になるのではないかという仮説である。そこまで、急成長するかはともかく、仮に年商が6兆円となれば、世界の小売業の中で、ベスト10に入ることになり、これはイオンが一貫して目標に掲げてきたグローバル10の実現となる。これが、いま、イオンににわかに注目が集まる理由であるという。
また、東洋経済の記事の岡田社長のインタビューの中で急成長の要因のひとつは2000年の大店立地法の施行により、自由競争に入るやいなや、迷わずにモール型ショッピングセンターへいったと岡田社長は述べている。この決断が現在のイオンのシェア獲得の原動力となったといえよう。イオンは現在、モール型ショッピングセンターのデベロッパーとしての管理会社をイオンモールとつい最近子会社化したダイヤモンドシティの2つを持っているが、どちらも好調な業績で推移している。
イオンモールについては、12/14の日経にも掲載されたが、12/13現在の2007年2月期の連結決算予想は売上608億円(114.9%)、営業利益206億円(111.3%)、経常利益195億円(111.9%)、当期純利益115億円(110.9%)となる予想である。イオンモールは現在24店舗のショッピングセンターを運営しており、つい最近も10/20にイオン高崎ショッピングセンター、11/18にはイオン神戸北ショッピングセンターをオープンしている。中期計画としては、2013年に50のショッピングセンター、いまの2倍を目指すという。
一方、ダイヤモンドシティは12月号の販売革新で取り上げられたダイモンドシティミューについで、11/25にはダイヤモンドシティリーファをオープンしており、現在約20店舗のショッピングセンターを運営している。2007年2月期の決算予想も12/13現在、売上470億円(115.0%)、営業利益127億円(128.2%)、経常利益127億円(127.1%)、当期純利益75億円(113.4%)となる予想である。
このようにイオンの成長の原動力となっているショッピングセンターの管理会社2社の2007年度2月期の決算は増収増益の好業績となる予想であり、グローバル10入りが現実味を帯びてきたといえよう。イオン以外の他の小売業が明確な成長戦略が見えない現状と比べると、ショッピングセンターを成長戦略の柱にすえたイオンは、ちょうどウォールマートのスーパーセンターを柱にすえた成長戦略とよく似た構造であり、ウォールマートの10年前の成長軌道に入った状況と確かに良く似ているといえよう。いま、イオンが投資家、マスコミから注目を集める理由がこの明確な成長戦略にあるといえよう。
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