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January 03, 2007

重点商品、重点店舗、商品部の新たな役割について

  商売はすべて商品と顧客で成立っている。したがって、商売とはつきつめれば、この関係をどのように構築するかがポイントであるといえる。商売の歴史を見ると、その勝者は、常に、商品と顧客を最短時間、最短距離で結ぶノウハウを確立した企業であったといえ、小売業も例外ではない。ただ、小売業は商品と顧客の間に店舗、さらに商品を自ら生産することはないため、商品をメーカーないしは問屋から仕入れるという点が商売の中では独特であるといえる。前者はCRM、後者はSCMという場合もあるが、要は販売管理と仕入管理が小売業の最大の特徴といえる。しかも、これまでは仕入れた商品をいかに売るかがポイントであったが、最近のテーマは顧客の欲しい商品をいかに仕入れるかに変わってきており、店舗からしか得ることのできない、顧客の貴重な購買情報を基点に顧客の欲しい商品を最短時間、最短距離で顧客に届けられるかが、小売業が勝ち残ってゆくための最大のポイントになってきたといえよう。そして、そのためには、重点商品と重点店舗を明確にし、この2つを最短時間、最短距離で結ぶことがポイントとなる。

  ところが、多くの小売業では商品は機能別で組織が成立ち、店舗は地域別(エリア)で組織ができあがっているため、企業全体にとっての重点商品、重点店舗の管理がどうしても疎かになってしまう場合が多い。したがって、重点商品、重点店舗への経営資源の配分が均等になってしまい、結果として、重点商品、重点店舗が弱くなり、自らの競争力を自ら落としてしまう場合が多いのが実態である。重点商品、重点店舗が明確になれば、本来そこに経営資源を可能な限り集中し、企業全体の競争力を引き上げるような組織を検討するはずであるが、そのような組織は小売業ではあまり見たことがない。

  では、なぜ、商品が機能別、店舗が地域別になってしまったかであるが、これは、小売業が自ら顧客の欲しい商品をつかみ、その商品を顧客に最短時間、最短距離で届けるためにはどのような仕組みが望ましいかへの取組への研究が充分でなかったためと考えられる。どちらかというと、これまでは商売を分業化することによって、商売の規模を大きくしてゆく時代であったからかと思う。でも、今後は商売の質が問われる時代であり、分業から融合の時代へとなり、商売の仕方そのものの見直しが必要な時代に入ったのではないかと最近感じる。

  そこで、まず、はじめに取り組むべき課題は重点商品を明確にすることである。重点商品とは単品ではなく、小分類である。よく単品管理に徹しすぎてしまい、単品の数字は上がっても、小分類の数字が落ちてしまうケースがある。これでは顧客のニーズをつかんだとはいえない。顧客のニーズは千差万別であり、そのニーズは小分類の中に集約されるといえる。したがって、重点分類を明確にすることがポイントであり、全商品の中から顧客のニーズが集約された重点商品(小分類)を部門に関係なく、ピックアップすることがポイトである。

  次に、重点店舗をピックアップすることであるが、これには2つのポイントがあり、ひとつは、無条件で客数の多い店舗は重点店舗としてピックアップすることがポイントである。客数が多い店舗はそれだけ、全体へ与える影響が大きいため、重点店舗からはずすことはできないといえる。もうひとつは、客数にかかわらず、重点商品の強い店舗をピックアップすることである。これは客数の多寡を相殺した顧客1人当りの数字で判断すれば、明確に強さが浮かび上がるはずである。客数が少なくても、重点商品の強い店舗は、結果として顧客のニーズをしっかりつかんでいるといえ、重点店舗といえよう。

  そして、この重点商品を客数の多い店舗と重点商品の強い店舗で徹底的に強化する体制をつくること、すなわち、最短時間、最短距離で重点商品を顧客が購入しやすくする仕組みづくりが小売業という商売で成功するための最優先課題であるといえよう。

  もちろん、現状の組織で各商品部ごとに重点商品をピックアップし、エリアごとに重点店舗をピックアップして取り組むこともひとつの方法である。ただ、重点商品、重点店舗が商売の盛衰を握っているのであるから、重点商品、重点店舗の活性化については、それを実現するための実行部隊があってしかるべきであり、その組織が、重点店舗からの情報収集を前提に、重点商品の原価改善、物流体制の確保、ちらし、発注、在庫管理の仕組みづくり、そして、重点店舗のレイアウト、インプロ、店長、従業員への教育等を担った方が良いといえよう。すなわち、商品と顧客との関係において重点商品に関して全責任を負う実行部隊といえる。CRMとSCMを融合した組織といってもよい。

  チェーンストアの既存の組織は商品と店舗、すなわち、仕入れと販売を分業したことによって、商売の規模を大きくすることができたが、その結果、顧客ニーズが宙に浮いてしまい、重点商品、重点店舗への取組みが弱くなってしまったといえる。ここは再度、商売の原点に戻り、仕入れと販売を一体化した重点商品と重点店舗の活性化に取り組む組織づくりを検討する時期にきたのではないかと思う。とりあえずは、商品部内に2、3人の重点商品担当チーム10チームぐらいをつくるところからはじめれば良いと思う。

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