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February 15, 2007

まちづくり3法、本格始動、富山、青森、第1号認定!

  昨年5月の通常国会で成立したまちづくり3法の1つ、中心市街地活性化法が本格的に動きはじめた。2/8、政府が中心市街地活性化法にもとづく第1号計画として、富山市と青森市の基本計画を認定した。首相官邸の中心市街地活性化本部のホームページには富山市と青森市の中心市街地活性化基本計画の全文が掲載されており、富山市は128ページ、青森市は91ページにおよぶ基本計画案となっている。また、今後、金沢市、岐阜市、高松市などでも、政府認定の申請がなされる予定であるという。政府認定がなされると、国が5年間財政支援を行うこととなるが、反面、計画の実効性を高めるために、数値目標を明確にすることが求められ、計画期間の途中で数値目標の達成が不可能となった場合は、認定が取り消されることもあるという。2/9の日経新聞によれば、今後申請を予定している岐阜市では、近隣自治体に大型商業施設の出店計画が相次ぎ浮上し、その影響が見定められず、計画づくりが遅れているという。今回はその意味で、数値計画をどの辺に設定するかが各自治体の計画づくりでのポイントといえよう。

  富山市の基本計画であるが、名称は「富山市中心市街地活性化基本計画」であり、作成主体は富山県富山市、計画期間は平成19年2月から平成24年3月までの5年と2ケ月である。この基本計画書を見ると富山市の中心市街地の現状がよくわかる。問題の中心市街地の人口は平成7年は27,233人であったが、平成18年は24,099人と88%となった。その中でも高齢化が進んでおり、平成7年には22.9%であったが、平成18年には29.1%と、人口が減って、高齢化が急激に進んでいるのがわかる。また、中心市街地の土地の利用の実態は駐車場等の低未利用土地の比率が平成7年は27haであったが、平成16年は46haと1.7倍も増え、しかも地価は平成7年が195万円/㎡が平成18年には40.8万円/㎡と何と約20%となった。商店数は74%、小売販売額は60%となっているという。その結果、通行量も32%となってしまったという。

  このような深刻な状況を活性化するために、今回の基本計画が策定され、基本コンセプトとしてコンパクトなまちづくりをすすめてゆくという。そのために、公共交通の利便性の向上、賑わい拠点の創出、まちなか居住の推進の3つの政策目標を掲げ、問題の数値目標を明確にしている。具体的には、路面電車の1日平均の乗車人数を平成17年の10,016人を平成23年度には13,000人の約130%アップへ、通行量を平成18年の24,932人から32,000人の約130%アップへ、中心市街地の居住人口を平成18年の24,099人から平成23年の26,500人と約110%アップが目標数値であるという。

  一方、青森市の基本計画であるが、名称は「青森市中心市街地活性化基本計画」であり、作成主体は青森県青森市、計画期間は平成19年2月から平成24年3月までの5年と2ケ月である。青森市の中心市街地の空洞化は昭和45年から平成12年までの約30年間に郊外へ約13,000人が流出し、逆に、郊外には約71,000人が増加したという。また、昭和45年には卸売市場、昭和56年には県立中央病院、平成5年には県立図書館、同時期に郊外にショッピングセンターが開業するなど、中心市街地の空洞化が進んだという。また、富山市と同様に、通行量が平成10年と平成17年を比較し、約25%減少、小売商品販売額は昭和60年と平成14年を比較すると約62.87%となったという。

  このような状況を活性化するため、街の楽しみづくり、交流街づくり、街ぐらしの3つのコンセンプトからなるウォーカブルタウン(遊歩街の創造)を目指すという。そして、数値目標として、中心市街地の通行量を平成17年の59,090人から平成23年には76,000人と約130%アップ、観光客の集客を平成17年の696,312人から平成23年の1,305,000人へと187.4%アップと大幅増、夜間人口を平成17年の3,346人から平成23年の3,868人へと115.6%アップ、さらには、空き地、空き店舗率を10.7%から8.8%へ、小売業販売額に関しては現状維持を目指すという。

  今回、このように富山市と青森市へ政府が第1号の認定を決定したことにより、上記の数値目標に向って、中心市街地の活性化が国家予算を投じて進んでゆくことになる。計画はいずれも5年と2ケ月であり、その間、郊外の大型商業施設、公共施設などが抑制されることとなり、中心市街地の魅力をどこまで高められるかが課題となる。今年中には各地方都市の中心市街地活性化基本計画が出揃うと思うが、今後も本ブログではまちづくり3法の動きには注目してゆきたい。

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