客単価3D-ID分析について
昨日、2/27のブログ「フレスタに見る食品スーパーマーケットの顧客データ活用!」つながりとして、顧客データの活用のポイント、リピートという概念について考えてみたい。客単価3D分析はレシートデータがあれば、客単価を顧客面=客数PI値、数量面=PPI、金額面=平均単価の3D、3つの次元で分析でき、客単価=客数PI値×PPI×平均単価の基本公式にもとづいて分析し、客単価アップ、客数アップをはかってゆくことが可能となる。レシートデータがない場合は、顧客面=客数PI値が算出できないため、客単価は2次元止まりとなり、客単価=PI値×平均単価という2D分析が限界となる。客単価3D分析と2D分析の違いは、客数PI値にあり、顧客の本当に望んでいる商品を数量で判断するか、客数で判断するかを区別することができるようになり、数量よりも、顧客に視点をおいた客単価の分析が可能となることにその違いがある。
では、この客単価3D分析に、さらに顧客IDが結びついた場合は何が分析可能となるかを考えてみたい。言い換えれば、レシートデータにIDがついた場合、新たにどのような分析が可能になるかである。一般的には顧客IDにかかわる顧客属性と商品データのリンクが可能となり、通常の分析に加え、顧客属性にもとづく商品データの分析が可能となり、男女別、年齢別、職業別、地域別、収入別、・・など取得できる様々な属性別の商品分析が可能となるということが最大のメリットであると言われている。ただ、これは顧客の申告が正しいという判断のものとに成立つ分析であり、しかも、客単価3D分析の観点から見た場合は、客数PI値を顧客属性にもとづいて単純分類したに過ぎず、分析が深まったというよりも、分析の幅が広がったというニアンスに近い。
レシートデータに顧客IDがつくメリットとは何か、それはレシート分析では把握できなかった顧客一人一人の購買履歴の把握が可能となることである。レシート分析ではAというレシートとBというレシートがあった場合、この2つはどの顧客が購入したレシートかが区別がつかないため、仮に顧客AがレシートAを、顧客BがレシートBの場合でも、これらは顧客の区別なしに一緒に集計されてしまい、商品分類別の分析以外に分析は不可能となる。ところが、このレシートに顧客IDがついた場合にはレシートAは顧客Aのレシート、レシートBは顧客Bのレシートとなり、この2つのレシートは厳密に区別され、レシートAは顧客Aの購買履歴とし把握され、同様にレシートBは顧客Bのレシートとして把握される。このようにレシートを顧客IDごとに把握することが可能となることにより、すべての商品とすべての顧客との関係が明らかになり、商品の本当の購入実態が明確になる。
そして、この時、ポイントとなる新たな概念が時間である。レシート分析までは時間という概念は商品にのみ存在したが、レシートにIDがリンクした途端、顧客にも時間が生まれ、商品1品1品と顧客1人1人の時間分析が可能となる。これにより、商品Aが顧客Aからどのくらいの頻度で購入されているかが明確になり、商品分析では限界であった顧客、数量、金額に加え、時間という概念での分析が可能となり、新たなマーチャンダイジング分析に発展する。頻度とはある一定期間における購入回数のことであり、まさに、時間分析そのものである。レシート分析では、この顧客ごとの時間の把握ができないため、どの商品の一定時間当りの購入頻度が高いかという分析ができなかったのである。
これはリピートという言葉に置き換えてもよく、レシートデータに顧客IDがリンク可能となった時の最大のメリットは時間という概念を加えたリピート分析にあるといえる。基本の数式は客単価3D分析と全く同じ公式でよく、客単価=客数PI値×PPI×平均単価となる。ただし、この客数PI値、すなわち、客数のとらえ方に時間という概念が入るため、客数を初回購買、リピート購買、さらにはリピート購買を2回、3回、…というように分解し、初回購買顧客の客単価=初回購買顧客の客数PI値×初回購買顧客のPPI×初回購買顧客の平均単価、リピート購買顧客の客単価=リピート購買顧客の客数PI値×リピート購買顧客のPPI×リピート購買顧客の平均単価というように、時間軸で分解してゆくことがポイントなる。
これをイメージ化するとちょうどダルマのようなイメージになり、ダルマの胴体は初回購買顧客のみであり、その中から、ふとしたきっかけでリピート購買である頭が生まれ、時間=購買履歴が進むにしたがって、頭が徐々に、あるいは急激に大きくなり、最後は頭でっかちのダルマとなってゆく場合もある。このように、すべての商品はレシート分析にIDがリンクするとこのダルマのようなイメージでとらえることが可能となり、リピートという概念を取り入れた新たな商品分析が可能となり、これがOne to Oneマーチャンダイジング、One to Oneマーケティングへの道を切り開くことになる。
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