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March 28, 2007

山崎製パン、不二家の資本・業務提携へ期待!

  3/26、山崎製パンと不二家の資本・業務提携が公表された。3/27の日経でも大きく報じられており、一連の不二家問題もこれで一段落したといえ、不二家も山崎製パンのもとで新たなスタートを切ることとなった。山崎製パンが公表した内容は、「株式会社不二家の第三者割当増資引受けおよび資本業務提携に関するお知らせ」というタイトルとなっており、まず、資本提携が強調されている。内容は、不二家が4/10に増資する普通株式 68,032,000株を15,987,520,000円(1株当たり235円)で、山崎製パンが4/11に引き受けるというもので、その結果、山崎製パンは35%の持株比率となり、現在、日本生命保険相互会社が6,781,000株(所有割合 5.36%)を所有し、筆頭株主となっているが、山崎製パンが筆頭株主となり、不二家を持分法適用会社とするというものである。

  また、その後、不二家の取締役の過半数を超える取締役5名(代表取締役1名を含む)および監査役1名を山崎製パンが不二家へ派遣し、経営権を山崎製パンが掌握するという。同時に、創業家の藤井家出身の取締役は退任し、経営陣から創業一族はいなくなるという。ちなみに、3/27の日経によれば、この増資金額約160億円は食品安全衛生管理体制の整備に50億円、洋菓子フランチャイズチェーン(FC)店の強化に40億円、その他事業基盤の強化や整備に69億円を充てるという。

  一方、業務提携については、両社製品の相互販売、相互OEM生産、共同プロモーションの展開、販売拠点の共同開発、物流の共同化等を継続的に検討し、シナジー効果の発揮による企業価値の向上に努めてゆくとのことで、具体的なプランおよびスケジュールについては、両社で「業務提携推進委員会」を設置し、検討してゆくとのことである。

  今回、上記のような資本・業務提携により、山崎製パンとしては、現在最も伸びている分野である製菓・米菓・その他部門、および洋菓子部門、菓子パン部門への強力な補強となり、オールヤマザキ1兆円構想へ向け大きく前進してゆくことになるといえよう。実際、2006年12月期の山崎製パンの事業別売上高を見ると、最も売上構成比の高い部門は菓子パンの37.7%であるが、伸び率の高い部門は先の3部門であり、製菓・米菓・その他部門の109.3%、洋菓子部門の104.5%、そして、菓子パン部門の102.4%である。

  ちなみに、菓子パンではランチパックが昨年は大ヒットとなり、233億円で昨対168.5%であった。これについでコッペパンが106億円で昨対108.5%、食卓ロールが207億円で105.5%と伸び率の高い菓子パンであった。また、洋菓子ではシュークリームが65億円で昨対115.3%、スナックケーキが122億円で昨対114.7%、まるごとバナナが59億円で昨対114.2%であり、これらが洋菓子の全体を大きく牽引した。

  さて、この山崎製パンと不二家との資本・業務提携により、特に食品スーパーマーケットとしては菓子の売場、菓子パンの売場、チルドデザートの売場への活性化が期待できるといえよう。菓子については、不二家ブランドのチョコレート、キャンデーに加え、昨年7月に買収した東ハトの商品、さらには、不二家がもつブランドであるナビスコも加わり、菓子全体の山崎製パンのもつ売上構成比がぐっと上がるものといえよう。

  菓子パンについてはペコちゃんブランドの新製品の開発等が期待できよう。昨年も華麗なる一族のTVドラマとの共同企画による華麗パンが大ヒットし、初日100万個を販売し、年商目標は単品で60億円ということである。このような企画をペコちゃんブランドの復活に乗せて商品開発ができれば、ペコちゃんキャラクターの菓子パンの商品化も可能となろう。

  そして、チルドデザートについては、現在、食品スーパーマーケットでも最も注目度の高いカテゴリーであり、有望な分野である。すでに、山崎製パン独自でも先にもあげたシュークリーム、スナックケーキ、まるごとバナナなどがあり、これに不二家の商品、さらには新たな商品開発が加わることにより、大きく成長する分野となろう。特に食品スーパーマーケットのチルドデザートは重点商品の重点販売に加え、いかに、様々な品揃えを変化させながら、顧客にあきさせない売場をつくってゆけるかが課題である。ここに山崎製パンの菓子パンなみの商品開発力が加わり、不二家のノウハウが加味されれば、食品スーパーマーケットのチルドデザートは洋日配全体の牽引部門となることにもなり、食品スーパーマーケットにとっては期待が大きいカテゴリーといえよう。

  このように、今回の山崎製パンと不二家の資本・業務提携は食品スーパーマーケットにとっては、現在の売場活性化につながる可能性が極めて高いといえ、今後の食品スーパーマーケットの菓子売場、菓子パン売場、チルドデザート売場のこの春以降の動きには注目といえよう。

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