東武ストア、2007年2月期決算、増収増益、回復鮮明!
東武ストアが2007年2月期の決算を4/10に公表した。増収増益の好決算であった。本業の数字を表す、個別の売上は、777.92億円(101.7%)、営業利益22.77億円(108.2%:売上対比2.92%)、経常利益23.69億円(売上対比3.04%)、当期純利益17.21億円(116.1%:売上対比2.21%)と増収増益であった。特に、昨年から取り組んでいた中期2ケ年経営計画の目標であった単体の経常利益率3.0%の達成を0.04%であるが、1年早く今期に達成し、3.04%となり、着実な経営改善が図られたといえよう。
実際、東武ストアはこの5年間厳しい決算を続けていた。個別の数字を見ると、売上は、877.49億円(2002年度)、 854.82億円( 2003年度)、789.88億円(2004年度)、 771.26 億円(2005年度)、754.86億円(2006年度)と昨年まで減収がつづいていた。一方、当期純利益は、△47.59億円(2002年度)、 △103.83億円(2003年度)、 22.51(2004年度)、 12.72 億円(2005年度)、14.82億円(2006年度)と2004年度に黒字転換をしたが、厳しい状況が続いていた。ただ、経常利益は1.76億円(2002年度:売上対比0.20%)、 4.11億円(2003年度:売上対比0.48%)、 8.88億円(2004年度:売上対比1.12%)、 18.40億円(2005年度:売上対比2.38%)、 21.02億円(2006年度:売上対比2.78%)と順調に回復はしていたが、中期経営計画で掲げた売上対比3.00%までは中々回復することができないでいた。これが2007年2月期の決算では、売上も反転し、101.7%、経常利益も目標の3.00%を越え、3.04%となり、回復基調が鮮明になったといえよう。
これを受けて、東武ストアでは新中期経営計画CHALLENGE1000PLANを新たに作成し、経常利益3.0%の目標から、売上1,000億円の目標へと収益確保から成長戦略へと大きく戦略転換をはかる体制に切り替え、今後、積極的な出店を行ってゆくという。現状の東武ストアは東京都に18店舗、埼玉県に26店舗、千葉県に5店舗、合計49店舗を展開し、売上は777.92億円であるので、1店舗平均15.87億円であり、目標の年商1,000億円のためには14店舗の新規出店が単純計算では必要となる。今回の中期経営計画は2007年から2010年までの4年間であるが、新規出店目標20店舗を掲げており、順調に新規出店がなされれば、計画通り、1,000億円の達成は可能であろう。
東武ストアの今期の好決算結果の要因であるが、売上面については、新店が2店舗、2006年3月に埼玉県草加市に草加手代町店、2006年5月に東京都墨田区に業平店を出店し、既存店の改装を11店舗実施している。これに加え、深夜23時までの営業13店舗、24時間営業店舗を28店舗と合計41店舗(約80%)となったことが大きかったといえよう。さらに2006年8月にポイントカードを主体としたFSP(フリークエントショッパーズプログラム)をほぼ全店に導入し、会員34万人(1店舗当り約7,000人)を獲得したことも売上に寄与したといえよう。
一方、利益面に関しては、商品から得られる粗利である売上総利益が26.1%から26.2%へと0.1ポイント改善し、不動産収入等が1.3%から1.4%へと同じく0.1ポイント改善し、販売費および一般管理費は24.6%と昨年と変わらなかったため、差引き0.2ポイトの営業利益の改善が図られ、2.8%から3.0%へと営業利益の改善が図れた。これは、商品強化が寄与したといえ、今期、粗利が比較的高い日配の改善に取り組んだことが大きかったといえよう。また、この好決算を受けて、短期借入と長期借入金の合計も63.71億円から37.05億円と26.66億円と借入金の削減が大きく進み、財務的にも改善が進んでいる。
また、経営面では資本構成が今期から大きく変わり、2006年7月にそれまで主要株主であったマルエツが丸紅フーズインベストメントと東武鉄道に株式を譲渡したため、マルエツが親会社等からはずれた。その結果、現在の株主構成は筆頭株主が丸紅となり、30.28%、第2位が丸紅フーズインベストメント30.27%、そして、東武鉄道が26.56%であるので、丸紅グループで60.53%となり、事実上の丸紅の子会社となったことになる。ただ、現在13名の取締役の内、丸紅4名、東武鉄道3名であるので、実質的な経営権は丸紅と東武の合議によって決まるといえる。
これを受けて、東武ストアの4/10の株価であるが、ここ最近は325円前後で推移していたが、この日、通常の約5倍の売買高となり、激しく株価が動き、一時は352円まで上がったが、その後、値を戻し、最終的には前日比5円高の335円で引けた。ただ、株価は決算発表の前日から上昇基調になっており、今後の株価が注目される。
このように、東武ストアの2007年2月期の決算は増収増益の好決算となり、経常利益の3.0%の目標も達成し、今期からこれまでの利益重視の経営戦略から一転、売上重視の経営戦略に転換し、毎年5店舗目標の積極的な新規出店政策に入り、年商1,000億円を目指すという。今後の東武ストアの新店戦略に注目である。
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