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April 10, 2007

大丸ピーコック、都心型新業態、東池袋店を見る!

   ここへ来て大丸ピーコックが都心型新食品スーパーマーケットを立て続けに3店舗出店した。3/3に大丸ピーコック三田伊皿子店を東京都港区に、3/15に大丸ピーコック東池袋店を東京都豊島区に、そして、3/23に大丸ピーコック芝浦アイランド店を東京都港区に出店した。いずれも、これまでの食品スーパーマーケットとは一味違った新店であり、都心型食品スーパーマーケット業態といえよう。最大の特徴は惣菜、レディイート強化型の商品構成、レイアウトを採用していることである。この3店舗はいずれも、惣菜が店頭に配置されたレイアウトであり、その周辺にレディーフードを配したコンパクトな店作りとなっている。たまたま、先日、東池袋店を視察する機会があり、店内をじっくり見てみたが、惣菜が店頭からはじまり、これまでの大丸ピーコックとはひと味違う、食品スーパーマーケットとコンビニとの融合業態のようなイメージであった。

   この東池袋店については、4/9の日経でも取り上げられており、「溶ける業態、実験店を追う」、「大丸ピーコック東池袋店SM、通勤帰り客まで取り込み」という見出しの取材記事となっている。記事の中で、立地環境について触れられているが、東池袋店は地下鉄有楽線の東池袋駅とつながった550戸のマンション、エアライズタワーの地下にある。したがって、客層は3つに分かれており、周辺住民(オフィス、住宅)、マンションの住民、そして、地下鉄の乗降客である。記事でも触れているが、4/4の集中豪雨の時には傘が50本も売れたというので、乗降客のニーズもかなり高い店舗といえよう。また、周辺の所得は年収600万円から1,000万円の高所得者が多いといい、それにあわせた品揃えとして、高級弁当、ワイン、高級シャンパンのドン・ペリニヨンまで置いているという。実際、惣菜売場には高級料亭なだ万の煮物が1パック500円、600円で置かれており、弁当、寿司も日本橋弁松総本店、金沢芝寿しの1,000円近い商品が品揃えされていた。

   東池袋店のレイアウトであるが、まず、地下鉄有楽町線の東池袋駅を降りて、少し歩くと右手に店舗があり、入口を入ると、いきなり惣菜売場が広がっている。右壁面には、揚物、天ぷらからはじまり、寿司、サラダと続いている。また、正面には弁当の平台が2台あり、ここで豊富な品揃えの弁当が置かれている。壁面突き当たりを左に折れると、ジュースが4尺500mlのペットボトルを中心に品揃えされており、その横から冷惣菜が続き、ここまでが、惣菜売場である。また、店頭左側にはレジが1台置かれており、クイックチェックアウトも可能となっている。ここがこれまでの大丸ピーコック、他の食品スーパーマーケットと最も違う惣菜中心のチェックアウトを含めたレイアウトといえる。

   弁当売場の向かい側には果物の平台があり、その向かいに野菜の平台がある。野菜、果物は正面壁面の冷惣菜の次からも配置されている。そして、そこから精肉と続き、突き当たりから左に折れ、鮮魚、飲料、酒と壁面展開され、最後はアイスクリームである。また、日配は入口を入って、直ぐ左壁面に和日配、左に折れて、洋日配とつづき、洋日配の前はパン売場となっている。グロサリーは生鮮側に一般食品がゾーニングされ、日配、酒側が菓子、雑貨のゾーニングとなっている。そして、最後がレジで、そして、出口となる。このように、東池袋店は惣菜を中心にレイアウトが作られているのが最大の特徴である。

   ちなみに、4/7から4/9までの大丸ピーコック東池袋店のちらしはまだオープニングセール期間であり、おいしさの主役たち(ピーコックが選んだとびきりの鮮度と品質)をテーマに生鮮、惣菜が表面カラーで訴求され、裏面は1色で日替わりちらしとなっている。表面の主な広告商品は、栃木産いちご(とちおとめ)1パック298円、群馬県館林産きゅうり1本33円、青森産りんご、フジ、王林、ジョナゴールド1個98円、鹿児島産新たけのこ水煮1本198円、太平洋産等めばちまぐろ刺身用1柵500円、ロシア産紅鮭切身2切298円、富山産ほたるいか1盛298円、愛知産うなぎ蒲焼き2串1,000円、国産若鶏もも肉100g98円、国産豚ばらうす切り100g178円、ピーコック選定国産牛もも焼肉用100g498円、オーストラリア産牛サイコロステーキ100g100円、そして、惣菜は自家製ご馳走海老天重1パック580円、メアジフライ1パック5枚入り298円、手巻き寿司1パック5本入り680円、15品目のバランスサラダ1パック280円、太巻き各種4/8のみ各298円である。

   以上が東池袋店の現状であるが、大丸ピーコックはこの東池袋店を都市型食品スーパーマーケットのモデル店として取り組んでいるという。すでに、このタイプの都市型食品スーパーマーケットを立て続けに3店舗出店したが、今後、さらに検証を重ね、改善をはかり、豊島区周辺、港区周辺という都市部に次々と出店してゆく予定であるという。大丸ピーコックも年商1,000億円を越え、店舗数は70店舗となったが、今後はこの都市型食品スーパーマーケットの成否が、新たな成長戦略の重要なポイントとなろう。今後の展開に注目したい。

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