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June 02, 2007

ユースストア、2007年2月期決算、減損会計が重く、厳しい決算!

   ユースストアの2007年2月期決算が4/3に公表されたが、営業収益、営業利益、経常利益ベースでは増収増益となったが、当期純利益は減損会計の適用が響き、2期連続の赤字となる厳しい決算であった。営業収益も100.2%とわずかな増収であり、既存店の売上が98.7%と厳しい競合状況の影響を受けたことに加え、新店も今期は2006年3月度の大覚寺店(静岡県焼津市)の1店舗のみであり、売上が伸び悩んだ。ユーストアはユニーが株式の議決権所有比率64.4%をもつ、ユニーの子会社であるが、2期連続の厳しい決算となり、親会社のユニーとしても、今後のユーストアの経営改善が急務といえよう。

   ユーストアの2007年2月期の営業収益は1,487.05億円(100.2%)、営業利益20.93億円(102.6%:売上対比1.5%)、経常利益21.00億円(108.5%:売上対比1.5%)、当期純利益-2.2億円(昨年は、-8.51億円)であった。当期純利益が2期連続赤字となった減損損失は前期が54.13億円、今期が23.84億円であった。ユーストアは食品スーパーマーケットであるが、鮮魚、惣菜、精肉の一部はテナントとなっているため、粗利構造が通常の食品スーパーマーケットとは、違う構造となっているのが特徴である。今期の売上総利益は21.1%(昨年21.1%)であり、販売費及び一般管理費は25.3%(昨年25.1%)となり、商品売買からの利益ではカバーできない構造であるが、テナント収入等の不動産賃貸収入等が4.7%(昨年4.4%)入るため、営業総利益が26.8%(昨年26.5%)となり、結果、差引き、営業利益率が1.5%(昨年1.5%)となる。

   したがって、ユースストアの営業戦略は自店でコントロール可能な青果、精肉の一部と日配、グロサリー、日雑、衣料品と自社ではコントロールが難しい鮮魚、惣菜、精肉の一部のマーチャンダイジング力を同時に高めないと競争が難しいといえ、店舗が一体となった統一マーチャンダイジングが打ちにくい状況がある。本来、ユーストアは人件費がかかり、利益が出しにくい部門である鮮魚と惣菜、精肉の一部を本体から切り離すことにより、経費比率を下げ、逆に強い競争力のあるテナントをひきいれ、ローコストと強力なマーチャンダイジングを実現し、地域一番の食品スーパーマーケットを目指していた。しかし、現在の経費比率25.3%はけっしてローコストとはいえず、また、鮮魚、惣菜、精肉のテナントも競合の食品スーパーマーケットと比べ絶対的な優位性が失われつつあるといえ、今後、このビジネスモデルそのものを再度見直すことが必要と思われる。

   現在、ユーストアは地元愛知に全73店舗の約60%にあたる43店舗をドミナント展開し、静岡10店舗、三重8店舗、岐阜6店舗、滋賀5店舗、京都1店舗と南北に商圏を広げつつある。滋賀109.2%、京都230.6%は新店効果があり、昨対を大きくクリアーしているが、静岡は100.9%、愛知は99.3%、三重は97.7%、岐阜は88.5%と特に、三重、岐阜が苦戦しており、商圏を広げた新たなエリアで地元食品スーパーマーケットと激しい競合が繰り広げられ、地元愛知で培ってきたユーストアのビジネスモデルが必ずしも優位性が保たれているとはいえない状況といえよう。

   これに加え、この2期連続で当期純利益が赤字になった背景には減損会計の適用があり、出店にかかわる資産の負担が経営に重くのしかかっているといえよう。ユーストアの出店かかわる資産を見てみると、土地231.81億円(昨年240.39億円)、建物及び構築物187.42億円(昨年198.75億円)、借地権21.15億円(昨年22.18億円)、長期差入保証金73.34億円(昨年76.95億円)と合計513.72億円(538.27億円)となり、昨年よりは若干下回っているが、総資産の67.5%と大半を占めている状況である。

   また、負債は長短期借入金が129.75億円(昨年111.05億円)と若干増え、総資産の17.05%、営業収益の8.72%であり、これら出店にかかわる資産は借入金による比率は小さく、大部分は自己資本で賄われてきたことがわかる。したがって、自己資本比率も今期は55.6%(昨年56.5%)と高い水準であり、ユーストアのここ数年の自己資本比率も50%強で推移しており、けっして無理な出店せずに、事業を拡大してきたことがわかる。

   ただ、新たな営業拡大に取り組んだ地域が必ずしも順調な成長につながっておらず、ユーストア自身の収益構造も高コスト気味であり、営業利益率も1.5%と以前に比べ下がりぎみである状況をみると、再度、食品スーパーマーケットとしてのビジネスモデルを見直す時期にきたのではないかと思う。少なくとも、現状の延長線上にユーストアの今後の成長戦略を描くことは難しいといえよう。ユースストアの以前のような競争力に満ち溢れ、業界随一のローコスト経営であった時代を超える、新たなビジネスモデルの新店開発が望まれるところである。

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