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June 19, 2007

ドラックストア、マツモトキヨシ、2007年3月期決算、増収増益!

   本ブログでは、ここ最近、ドラックストアについても、取上げているが、今回は、マツモトキヨシの2007年3月期の決算についてみてみたい。マツモトキヨシは、ここ最近、M&A、FC展開に積極的であり、この決算で、年商は連結で3,500億円弱となった。ただ、中長期的な売上目標を2002年度に立てた2007年から2009年までの中期経営計画において5,000億円を目指していたが、ここへ来て、1年延長する計画の修正を行っている。現在の年商約3,500億円から5,000億円に売上を引き上げてゆくには、あと1,500億円の増収が必要であり、しかも、長期ではなく、中期的な目標であるので、直営だけでは計画達成は難しく、必然的にM&A、FC展開が成長戦略の有望な手法となり、ここへ来て、M&A、FC展開が増えているといえよう。

   今期決算期でも昨年7月にパパス、12月マックスを子会社化し、10月にラブドラックスを関連会社化している。FCについても、沖縄のサンエーと2店舗、ベスト電器と2店舗、弘陽薬品と3店舗を出店するなど、FC展開も動き始めた。今後、イズミ、杉浦薬品ともFC展開がはじまるという。現段階ではFCの数は薬粧店782店舗のうち27店舗とわずかではあるが、今後、このFCの強化が年商5,000億円を達成するための鍵を握っているといえよう。現在の年商3,500億円を782店舗で割ると4.47億円であり、残り1,500億円の売上をあげるためには335舗の新規出店が必要であり、中期的にはM&A、FCなしには達成が難しい目標といえよう。その意味で今後、マツモトキヨシはより積極的なM&A、FC展開に踏み込むと予想される。

   さて、2007年度の決算であるが、薬粧店の全体の売上構成比は93.0%であり、残り7%がホームセンター、昨年8月に撤退した食品スーパーマーケット、建設部門、卸売部門、その他であるので、ここでは、個別の決算短信を重視して見てみたい。マツモトキヨシの2007年3月度の個別決算は売上高3,186.44億円(106.1%)、営業利益130.14億円(101.5%:売上対比4.1%)、経常利益145.62億円(101.3%:売上対比4.6%)、当期純利益39.49億円(192.1%:売上対比1.2%)と増収増益であり、特に当期純利益が大きく伸びた。ただ、これは昨年が減損損失103.99億円を計上し、今期は8.99億円にとどまったことが主な要因である。ちなみに、連結では売上高3,454.60億円(110.4%)、営業利益138.57億円(100.5%:売上対比4.0%)、経常利益154.54億円(100.7%:売上対比4.5%)、当期純利益41.33億円(178.9%:売上対比1.2%)と個別よりは、伸び率は低かったが増収増益の決算であった。

   ただ若干気になるのは、個別決算では売上総利益が昨年の24.7%から24.5%へと0.2ポイントダウンし、販売費及び一般管理費が昨年の20.9%から21.0%と0.1ポイントではあるが増加していることである。その結果、営業利益率は昨年の4.3%から4.1%へと0.2ポイントダウンしている。売上が106.1%あったので、営業利益率のダウンをカバーしたが、粗利、経費とも若干厳しい状況といえ、既存店が苦戦しているものといえよう。

   マツモトキヨシの商品構成は医薬品31.2%(売買差益37.6%)、化粧品29.0%(売買差益22.4%)、雑貨23.7%(売買差益24.2%)、一般食品10.2%(売買差益12.3%)、DIY用品2.4%(売買差益24.7%)、生鮮食品0.5%(売買差益29.0%)であり、昨年対比で伸び率の高い部門は化粧品の115.7%である。マツモトキヨシは医薬品、化粧品、雑貨の3つが大きな柱となっており、化粧品が全体をひっぱるという、郊外型ドラックストアとは一線を画した典型的なドラックストアの商品構成といえよう。しかも。医薬品の売買差益は図抜けており、一般食品、化粧品、雑貨、特に一般食品で集客をはかっているといえよう。

   一方、マツモトキヨシのROAであるが、ROEが4.24%(昨年2.11%)、自己資本比率が49.0%(昨年53.6%)であるので、2.07%(昨年1.13%)であり、昨年よりは大きく増加しているが、決して高い数字ではない。これは当期純利益が売上対比1.2%と伸び悩んでいることに加え、自己資本比率が50%を割ってしまった点にあるといえよう。自己資本比率が49.0%となった要因をみてみると、純資産が昨年の973.45億円から930.90億円と約40億円減少したことに加え、総資産が昨年の1,815.81億円から1,898.97億円と約80億円増加したためである。

   その中身を見てみると、純資産では資本金、資本剰余金ではなく、純利益の増加による利益剰余金が約20億円増加したが、自己株式を約65億円消却したことが大きかった。また、負債の長短借入金が昨年の275.0億円から、305.0億円と約30億円強増加している。これは総資産の16.06%であり、売上の9.57%である。また、出店にかかわる資産は土地416.74億円(昨年361.97億円)、建物101.57億円(昨年107.78億円)、差入敷金保証金306.40億円(昨年309.44億円)と合計814.71億円(昨年779.19億円)と約35億円増加し、総資産の42.9%であり、売上の25.56%である。また、営業にかかわる資産は、商品389.51億円(昨年379.24億円)と約10億円増加し、総資産の20.51%であり、売上の12.2%である。また、これ以外に、M&Aがらみの資産として、関係会社株式が132.34億円(昨年43.88億円)と約90億円増加しており、出店、営業、M&Aの資産がいずれも増加し、総資産を増加させたといえよう。

    このようにマツモトキヨシは当面の経営目標、売上年商5,000億円へ向けて、積極的な新規出店、M&A、そして、FC化へと成長戦略に大きく舵を切ったが、利益が思うように伸びず、苦戦しているといえよう。また、出店にかかわる資産、営業にかかわる資産、そして、M&Aがらみの資産も増加気味で推移し、借入金も増加気味であり、その結果、ROAが2.07%とけっして高いとはいえない。その意味で今後の成長戦略へ向けての新たなフォーマットの構築が急務であるように思う。ドラックストア業界は郊外型ドラックストア急成長の時代となっているが、マツモトキヨシもこれらの動きを睨んだ新たな成長フォーマットを検討する必要があるといえよう。今後のマツモトキヨシの業態開発に注目したい。

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