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June 18, 2007

Chain Store Age、6/15号、ベイシアマートの取材記事、掲載!

   Chain Store Ageの最新号、6/15号のP30にベイシアマートの取材記事が掲載された。「小型店の誘惑」という特集記事の中のひとつであり、今回は、現在の代表的な小型店といえるテスコエクスプレスの2号店の砧店(きぬた)、3号店の明大前店、イオンのまいばすけっと10店舗、ドン・キホーテのパワーコンビニ情熱空間、SHOP99、そして、ベイシアマート、さらには、紀ノ国屋アントレ、クイーンズ伊勢丹、成城石井、ららマートと盛りだくさんな最新店舗の小型店の取材記事となっている。特に、冒頭で渥美俊一氏が「今なぜ小型SMなのか不可解」という疑問を呈しての特集であり、テーマも「小型店の誘惑」となったこともうなづける。今回のChain Store Age、6/15号は以前本ブログでも取り上げたパワーカテゴリー2007の特集もあり、読み応えがある。

   さて、今回、ベイシアマートを取材し、テスコエクスプレスを見た時も感じたが、生鮮3品+惣菜をどこまで品揃えし、店内加工をどこまで行うかの境界線が難しいと感じたことだ。ベイシアマートも既に今回の新店で24店舗となったが、この新店が今年初めてということでもあり、しかも、これまでの店舗と一線を画した本格的な生鮮3品+惣菜へ挑戦した店舗であり、悩んだすえの、今回の新規出店であったといえよう。今回の検証結果によっては、さらに生鮮+惣菜を強化してゆくか、縮小してゆくかが決まるといえ、その意味で、この24店舗目のベイシアマート太田富沢店は今後のベイシアマートのゆくえをうらなう上で重要な店舗といえよう。

   もともと、記事の中でも触れたが、ベイシアマートの出発点が「100円ショップより幅広い品揃え」、「コンビニエンスストアより安く」を基本コンセプトとしてスタートしており、競合は100円ショップとコンビニエンスであった。生鮮3品+惣菜は除外しての店舗づくりを目指していたわけであり、今回、ここまで、生鮮3品+惣菜の品揃えを行い、しかも、店舗の店頭にこれらすべてを集結しての店づくりであり、競合に新たなに食品スーパーマーケットが加わったといえよう。ただ、現段階では原則、店内加工はしておらず、食品スーパーマーケットと対抗するには生鮮+惣菜の品揃えが十分とはいえない。記事でも書いたように、「食品スーパーマーケットの最小限の品揃え」を加えたに留めている。

   人員構成も正社員1人にパート、アルバイト14人ということであり、生鮮+惣菜を本格的に回すには正社員が充分とはいえず、現段階では、これまでのベイシアマートの品揃えにコンビニの弱点である生鮮+惣菜を可能な限り品揃えし、コンビニを圧倒することが目的であるように思える。事実、道路をはさんで向かいにはセブンイレブンがあり、セブンイレブンの強みである飲料を含む弁当、おにぎり等のファストフード、雑誌等においては、品揃え、価格において勝っているものが多い。また、当然それ以外のカテゴリーでは、日配、酒、調味料、カップ麺、ペットフードなど品揃え、価格面で圧倒的に勝っており、コンビニを完全に包み込んでしまったといえる。

   その意味でベイシアマートは食品スーパーマーケットには生鮮+惣菜の面では及ばないが、コンビニはこの面を強化したことでこれまでのベイシアマートよりも競争力が大きく増したといえ、食品スーパーマーケットにとっても気になる存在となり、コンビニにとっては脅威となるバラエティストアとなったといえよう。今後、この生鮮+惣菜をどこまで充実できるかがこのベイシアマートの新たな課題といえ、次の新店がどのような商品構成になるかが興味深い。

   このChain Store Age、6/15号の「小型店の誘惑」の特集では、渥美俊一氏が冒頭で小型SMについて否定的な見解を述べているが、よく内容を読むと、生鮮食品のグロサリー化をはかれれば、可能性がないとはいえないともいっており、ここがポイントのように思える。そして、そのためには、これまでの市場から商品を仕入れ、店内で加工するという仕組みを、市場、産地から生鮮・惣菜センターへ集め、そこで、集中加工し、各店舗に配送し、店内では最小限の加工にとどめるという仕組みをつくる必要があろう。そして、その仕組みを前提に、物流体制を根本から見直し、1センターの周辺に30店舗から40店舗をすばやくドミナント展開するビジネスモデルが必要と思われる。

   今回の特集ではテスコエクスプレス、まいばすけっとがその方向性を目指しているようにも思えるが、現状はまだまだマーチャンダイジングが固まっているとはいえず、小型店におけるマーチャンダイジングを確立する段階にあるといえ、もう少し、試行錯誤が必要といえよう。今回の特集はその意味で、現状の小型店の動向を知る上では興味深い特集となっており、記事を読むだけでなく、実際に自分の目で確認したいところだ。

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