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June 22, 2007

沖縄でサンエーを見る、高収益、ローコスト経営の実態は?

   久しぶりに沖縄へ行く機会があり、食品スーパーマーケット、サンエーをじっくり見た。サンエーは日本の上場食品スーパーマーケットの中でも屈指の営業利益率を誇る高収益企業であり、2007年2月期の決算では6.9%であった。粗利率は33.0%、販売費および一般管理費は26.1%であり、この数字からもわかるように、純粋な食品スーパーマーケットの数字ではない。サンエーは様々な業態をもっており、GMSが20店舗、食品スーパーマーケットが35店舗(内、NSCが数店舗)、その他、衣料品・住関3店舗、外食15店舗、ホテル等3店舗の計76店舗を沖縄南部と中部に集中展開しており、粗利率が33%と高いのはGMSの貢献が大きいといえよう。逆に、販管比がイオン、セブン&アイホールディングス等と比べて低いのは、中核の食品スーパーマーケットにおいて徹底したローコスト経営がなされている点にあるといえよう。

   沖縄に入ってはじめに見た店舗がサンエー最大規模の店舗、シネコンを含む、約70店舗のテナントが入ったGMSの那覇メインプレイスであったため、食品スーパーマーケットのチェーンストアとばかり思っていたサンエーのイメージが飛んでしまった。ただ、よく、調べてみると、この店舗は2002年10月にオープンした約5年前の店舗であり、その後、サンエーは12店舗新規オープンしており、内、GMSは2003年10月の西原シティのみであり、GMS路線に舵を切ったわけではないことがわかる。最も直近の新店は2007年5月にオープンした、なかぐすく店であり、この店舗は琉球大学のすぐ近くにオープンし、マツモトキヨシと組んだNSCタイプである。その前の新店が2006年10月にオープンした、しおざきシティであり、これもマツモトキヨシが入ったNSCである。そして、そのさらに前にオープンした新店は食品スーパーマーケットのV21まえはら食品館であり2006年7月である。このように、2003年10月にオープンしたGMSの西原シティー店以外はすべて食品スーパーマーケットかNSCであり、しかも、直近の2店舗はすべてNSCであり、サンエーがいま最も重視している業態は、この出店状況から見る限り、NSCであるといえよう。

   そのNSCの2店舗と大山シティのNSCをあわせ、3店舗のサンエーの最新のNSC店舗を見たが共通していたのは通常のNSCはテンナントを別棟でつくるのが通常であるが、サンエーのNSCはすべて一直線につなぎ、屋根をつけ、中核テナントは自由に移動できるような動線を引いていることである。顧客にとってはサンエー以外のテナントにもすぐに移動でき利便性があるといえよう。ただ、テナントにマツモトキヨシが入り、ドラックの需要は取り込んでいるが、ホームセンターが入っていないため、住関連の需要が充分に取り込めていないようで、サンエーがその分、雑貨の品揃えの幅を広げ対応している状況であり、NSCとしてはまだまだ課題を残しているといえよう。特に最新のなかぐすく店はマツモトキヨシと飲食の和風亭のみであり、サンエーもこぶりのタイプであり、ミニNSCといえよう。今後、このミニNSCが主流になるか、しざきシティタイプの本格的なNSCが主流になるのか、次のNSCの新店が鍵を握っているといえよう。

   また、サンエーの最新店舗の食品スーパーマーケット、V21まえはら食品館も見たが、小商圏対応型のローコスト店舗であった。このタイプが30店舗近く、GMS、NSCの周辺にドミナント展開されており、この3年の間にも6店舗の新規出店をしており、GMSと対極のサンエーの中核業態である。すべて深夜まで営業しており、近隣のファミリーマート、ローソンと競合もしているようで、食品スーパーマーケットというよりも生鮮、惣菜強化型の大型コンビニといった方がイメージが近いといえよう。実際、生鮮の鮮魚、精肉はほぼ100%、大山流通センターからの配送商品であり、生鮮のグロサリー化がなされているといえる。グロサリー、日配はすべて電子棚札がついており、店舗の人員も女性パートが中心であり、商品管理コストを極限まで下げている工夫が随所に見られる。

   大山流通センターからの商品供給は、はじめに見たGMSタイプの那覇メインプレイスでも、見たところ精肉の90%以上、鮮魚の70%以上はなされており、ここでもローコストが徹底している。サンエーの収益性の高さはこの大山流通センターを最大限に駆使しているところにあるといえよう。当然、生鮮の競争力は落ちるが、利益重視にあえて経営戦略をシフトしたといえよう。実際、那覇メインプレイスの近隣の最大の競合店、コープおきなわは、昔なつかしい生鮮3品、惣菜をベイシステムでインストア加工主体に商品展開しており、サンエー以上の商品力のある売場をつくり、対抗していた。経営はバランスであり、サンエーは明確に競争力よりも、利益重視の経営を選択したといえよう。

   このようにサンエーの最新店舗をGMS、NSC、食品スーパーマーケットの3業態をじっくり見たが、共通しているのは、ローコスト経営による収益重視の経営戦略である。特に、最も経費のかかる生鮮3品においてセンターを徹底活用し、店内コストを極限まで下げると同時に、各業態の店舗が集中ドミナント展開しているため、センターから90分以内でほぼ配送が可能といい、ここでもコスト削減がはかられている。沖縄という島としての地形、人口分布の状況を食品スーパーマーケットの経営にうまく取り込んだ、すぐれた経営戦略であるといえ、サンエーがなぜこれだけの高収益を生み出しているのかの片鱗を見ることができたように思う。

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