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June 29, 2007

食品スーパーマーケットの現状の経営リスクについて

   食品スーパーマーケットの経営は様々なリスクを抱えているが、各食品スーパーマーケットが自らのリスクをどのように認識しているかについて見てみたい。本ブログでは以前、中間決算の時に経営リスクについて取上げたが、今回は2007年の本決算をもとに食品スーパーマーケットの経営リスクを再度整理してみたい。食品スーパーマーケットの経営リスクは食品の安全、安心にかかわるもの、顧客の個人情報にかかわるもの、出店にかかわるもの等に様々な経営リスクがあるが、ここでは代表的な食品スーパーマーケットの実際の経営リスクの事例を2007年度の決算短信、有価証券報告書に示された内容をもとにみてみたい。今回取り上げるのは典型的な食品スーパーマーケットであるオオゼキ、マックスバリュ東海、ヤオコーについて取上げ、食品スーパーマーケット特有の経営リスクを見てみたい。

   まず、典型的な食品スーパーマーケットであるオオゼキの経営リスクであるが、オオゼキは2007年2月期の決算短信の中で経営リスクを8つあげている。①小売業における外部環境について、②食品の安全性について、③出店政策について、④大規模小売店舗立地法の規制について、⑤個人情報の管理について、⑥自然災害・事故等について、⑦減損会計の適用について、⑧人材の育成についての8つである。この中で特に⑧の人材の育成については、オオゼキ特有の経営リスクであり、オオゼキが他の食品スーパーマーケットと違い、個店主義を採用し、店舗の運営権限を店舗に委譲しているため、お客様第一主義の意識と商品知識とノウハウをもった幹部社員の養成が不可欠であり、そのための人材育成が計画通り進捗しないと、経営に支障をきたすというリスクである。

   マックスバリュ東海では2007年度の有価証券報告書に5つに分けて経営のリスクが掲載されている。(1)イオン株式会社との関係について、(2)高位の少数特定者持株比率、(3)当社グループの店舗展開と新店開発について、(4)法的規制について、(5)税効果会計に伴う繰延税金資産の計上である。マックスバリュ東海はイオンが68.59%の株式を保有しているために、(1)と(2)のリスクがあり、(1)ではイオンおよびイオングループのマックスバリュ中部等との競合の問題を取上げている。(2)ではイオンの持株比率が75%を超えると上場廃止となる可能性があるというリスクである。これらは、イオンの連結子会社であることによる経営リスクである。さらに、(5)はマックスバリュ東海特有の経営リスクであり、これは、事実上倒産した旧ヤオハンの時の多額の繰越欠損金を、現時点でも45.99億円引き継いでおり、これが回収困難となった場合は、当期純利益、自己資本に影響を与えるリスクがあるということである。さらに、マックスバリュ東海の経営リスクの中では特に(4)の法的規制について、①出店に関する規制等について、②食品表示及び食品の安全性について、③個人情報の管理、④減損会計の適用と4つに分けて経営のリスクがまとめられている。これらは、ほぼ食品スーパーマーケット全体にあてはまる法的リスクといえよう。

   そして、ヤオコーであるが、7つの経営リスクを上げている。①景気動向等の影響、②業界動向および競合について、③新規出店について、④商品の安全性について、⑤個人情報の管理、⑥調剤過誤、⑦地震や台風等の災害・テロ活動等に関するリスクの7つである。この中では、ヤオコー特有の経営リスクとしては、①の景気動向等の影響として、最近やオコーはNSC(近隣型ショッピングセンター)を主体にSCの開発もすすめており、この業態は特に景気の影響でテナント収入に影響があり、それがヤオコーのグループ会社、本体の売上、利益に影響を与える可能性があるという経営リスクである。また、⑥ではヤオコーは子会社のドラックストアをもっており、このような経営リスクが加わったといえよう。これ以外はほぼ他の食品スーパーマーケットにも共通する項目であるといえる。

   このように共通する食品スーパーマーケットの経営リスクとしては、食の安全、個人情報の保護等の法的規制にかかわる内容、出店戦略にかかわる内容等が共通している。これらの共通項目に加え、各食品スーパーマーケット特有の経営リスクが固店主義を貫くオオゼキの経営リスク、イオンが親会社であることによるマックスバリュ東海の経営リスク、NSC、SCへ業態開発をシフトすることによるヤオコーの経営リスク等、特有の経営リスクが加って、各食品スーパーマーケットの経営リスクがまとめられているといえる。今後、本ブログでも食品スーパーマーケット業界の経営、営業面だけでなく、上記にあげたような各社の経営リスクについても目を配ってゆきたい。

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