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June 21, 2007

ウィスキーに見る、食品スーパーのマーチャンダイジング!

   食品スーパーマーケットではウィスキーはほとんど注目されていない商品である。酒の導入はものすごい勢いで進んでいるが、中心はビールであり、洋酒ではワインに注目があつまり、中々、ウィスキーには目が届かないのが実態である。ところが、本ブログでも触れたが、家計調査データの最新4月度の数字を見ると、ウィスキーは非常に興味深い商品であることがわかる。通常の売上、客単価を見ていては真の評価を見誤ってしまう重要な商品のひとつである。また、ウィスキーは、食品スーパーマーケットの全カテゴリーの中では低額商品から高額商品までの幅が恐らく最高のレンジの商品であり、ただ、売場においておけばよいという商品ではないことがわかる。このようにウィスキーは食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングの中では独特な商品であり、ウィスキーのマーチャンダイジングが確立できれば、食品スーパーマーケット全体のマーチャンダイジングに深みをもたらすことができるといえよう。

   ウィスキーのマーチャンダイジングが独特である点は、通常の単純売上はもちろん、客単価2D分析でもウィスキーの実態をつかむことは難しく、ウィスキーははじめから客単価3D分析、ID-3D分析で見ることによって、はじめてその実態をつかむことができる商品であることである。恐らく、食品スーパーマーケットの酒のバイヤーでもウィスキーの表面的な数字は見ていても、真の数字、中身を見た方は稀であろう。

   ウィスキーについては、本ブログの家計調査データのところでも触れたが、単純に一世帯当りの消費金額で見ると、直近の4月度ではビールは1世帯当り1日の消費金額(食品スーパーマーケットの客単価に相当)は41.55円であり、ウィスキーは4.13円であり、その差は10倍ある。したがって、単純にこの数字を見るとどんなにウィスキーを強化してもしょうがないように思える。しかし、これを客単価3D分析すると、客単価=客数PI値×客単価PPI=客数PI値×PPI×平均単価であるので、客単価の中身を購入世帯の割合=客数PI値、購入世帯のみの客単価=客単価PPIに分けてみると、ビールは41.55円=34.1%×122.02円となり、ウィスキーは4.13円=3.2%×130.67円となり、購入世帯のみで見た消費金額は、ウィスキーがビールを逆転する。しかも、ワインはもちろん、清酒、焼酎、発泡酒よりも高く、酒のカテゴリーの中ではNo.1である。しかも、昨年と比べると、ウィスキーは伸び率が156.1%と断トツの伸びであり、客数PI値も133.3%、客単価PPIも117.1%と伸びており、絶対額はまだまだ少ないが、その中身は激しく動いており、酒の中でも注目の商品群であることがわかる。
 
   家計調査データではここまでしかわからないが、レシート分析かポイントカード等を用いてID分析ができれば、客単価PPI=PPI×平均単価に分解でき、ウィスキーの伸びている要因をさらに深く落としこむこともできる。特にウィスキーは1g40円のバランタインから1g0.5円までの100倍ぐらいの価格差があり、典型的な高額商品のマーチャンダイジングの商品であることがわかる。したがって、PPIよりも平均単価が重視され、この平均単価に客数PI値をかけた一品客単価がマーチャンダイジングの決め手となる商品である。一品客単価=客数PI値×平均単価であるので、この指標を重視する高額商品のマーチャンダイジングのポイントはプライスラインごとにしっかり品揃えをし、プライスラインごとの客数PI値、すなわち、顧客を把握し、その顧客の購買状況、購買履歴に応じて、徐々にプライスラインを引き上げてゆくマーチャンダイジングができるかどかがポイントとなり、場合によってコンサルティングセールスにまで踏み込む必要がある商品である。
 
   通常のデータ分析ではここまで踏み込むことは不可能であるが、先にもあげたレシートデータを分析するか、IDデータとPOSデータを融合させれば、その検証が可能となり、一品客単価のマーチャンダイジングの仮説をつくり、商品の品揃えをプライスラインごとに見直し、顧客の購買履歴に応じて、販促計画をつくることもでき、場合によってはダイレクトメール等を発送することも効果的なマーチャンダイジングとなる。ここまでくると、マーチャンダイジングよりもマーケティングに近いテーマといえよう。
 
   これらは、食品スーパーマーケットにとっては、直感的にはわかっていても、その数字を把握し、マーチャンダイジングにいかすことはこれまでほとんどできなかった世界であったが、ウィスキーをつきつめることによって、はじめて、これまで見たことのない世界が見え、これまでのマーチャンダイジングに深みをもたらすことができる。ウィスキー以外にも食品スーパーマーケットでは米、マグロ、コーヒー、牛肉、寿司等が同様な傾向を示す商品ではあるが、ウィスキーはその中でも突出しており、ITを駆使し、時間と労力をかけて検証し、仮説をつくり、実戦してみる価値が充分にある商品であるといえよう。その意味でウィスキーは実におもしろい、興味深い商品である。

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