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July 19, 2007

大黒天物産、2007年5月期決算、増収増益も新店負担が重い!

   大黒天物産が2007年5月期の決算短信を7/12、公表した。それによると、売上高525.10億円(129.0%)、営業利益 24.09億円(104.0:売上対比4.6%)、経常利益24.08億円(104.1 %:売上対比4.6%)、当期純利益12.46 億円(101.6%:売上対比2.4%)と増収増益ではあったが、利益が売上の伸びと比べて低く、急激な成長戦略に利益が追いついていない状況であり、利益面では厳しい決算となった。大黒天物産は今期新店を岡山県3店舗、香川県1店舗、徳島県2店舗、広島県1店舗、愛媛県5店舗、鳥取県1店舗、大阪府1店舗の計14店舗と怒涛の出店を行っており、5月末時点の店舗数は43店舗であるので、今期急激な店舗数の増加となり、売上と利益の経営バランスがとれていない状況といえよう。来期も10店舗の新規出店を予定しており、当面、この急激な高成長戦略が維持される方針であり、どの時点で経営バランスを立て直すかが今後の焦点といえよう。

   7/16の日経MJによれば、この6月から大黒天物産は新たな報奨金制度を導入したとのことで、高成長戦略を維持しながらの、新たな利益改善政策を打ち出したことで、この政策がどこまで利益改善につながるか注目される。新たな報奨金制度は会社の設定した営業利益予算に対し、その超過分の営業利益の3%から7%を賞与に上乗せするというものであり、上限は年間600万円にもなるという。また、同時にパート従業員の時給も最高額を1,200円に引き上げたといい、この地区では高額の賃金になるという。ただ、この政策は利益改善に結びつかない場合は、人件費が高騰し、経費比率が上がり、利益がさらに圧迫される可能性もあり、今後、利益の改善に結びついてゆくかどうかを注意深く見守る必要がありそうだ。

   大黒天物産の今期の利益構造を見ると、売上総利益は前期の22.9%から23.3%へと0.4ポイント上昇しているが、販売費及び一般管理費が前期の17.2%から18.7%へと1.5ポイントと大きく上昇しており、これが差引き、営業利益を前期の5.7%から4.6%へと1.1ポイント下げ、売上が129.0%伸びているにも関わらず、営業利益が104.0%に留まった要因である。特に、給与手当て及び賞与が前期の28.02億円から38.03億円と135.7%と増えているのに加え、新規出店に伴なう賃借料も前期の9.59億円から14.45億円と150.6%と大幅に増加したことが大きかったといえよう。その意味で今期導入の新たな報奨金制度はさらに人件費を押上げることになる可能性が高く、いかに利益改善につなげられるかがポイントといえよう。

   一方、財務面を見てみると、最も気になる数字はキャッシュフローのバランスである。今期のキャッシュフロー計算書を見ると営業活動によるキャッシュフローは22.61億円と前期の22.88億円とほぼ同じであるが、投資活動によるキャッシュフローが前期の-42.11億円に対し-31.08億円と約10億円減ったとはいえ、差引きマイナスであり、結果、財務活動によるキャッシュフローが前期の-3.13億円から38.22億円と大幅に増え、長期借入金が40.97億円と大幅に増えたことである。その結果、現金及び現金同等物が前期の14.39億円から44.15億円と増えてはいるが、借入金の増加によるキャッシュフローの増加であり、自己資本比率は前期の60.4%から46.5%と大幅に下がったこことである。これは、借入による新規出店の依存度が高いといえ、自己資本の範囲を大きく越えての新規出店であり、財務的にはかなり、厳しい成長戦略であるといえよう。

   その結果、ROAを見ると、ROA=自己資本比率×ROEであるので、前期は60.4%×18.5%=11.17%であったのに対し、今期は46.5%×16.1%=7.48%と大きく下がっている。特に、自己資本比率のダウンが大きく、中身は負債の主要項目である長短借入金が前期は僅か3.98億円であった金額が今期はキャッシュフローで見たように、43.23億円と10倍以上に増えたことである。これは総資産の24.2%、売上の8.23%となり、経営が重くなりつつある。また、出店にかかわる資産である、建物及び構築物は前期が37.29億円、今期が53.84億円と大きく増え、土地は前期が16.39億円、今期が16.53億円とほぼ同じであったが、差入保証金は前期が9.00億円から11.27億円と増えており、合計62.68億円から81.64億円と約20億円増加し、総資産の45.7%となった。

   このように、大黒天物産の2007年2月期の決算は売上は129.0%と今期14店舗の新規出店により大きく増加したが、それにともない経費がかさみ、利益が伸び悩んだことに加え、新規出店を借入金に依存したため、利益の伸び悩みと資産の増加により、財務バランスが崩れ、ROAが大きくダウンしたといえる。来期も10店舗の新店を出店する予定であり、当面、成長戦略が優先される見通しであるが、どこかで財務バランスの調整が不可避と思われる。今後、大黒天物産がこの強気の成長戦略をどこまで継続するかに注目である。

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July 19, 2007 in 経済・政治・国際 |

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