« 全米、食品スーパーマーケットNo.1はウォールマート、Wスコア! | Main | 日経MJ、新製品ランキング、7/27、飲料、アイスに注目! »

July 28, 2007

吉野家、2008年第1四半期、大幅な増収増益、牛丼効果絶大!

   吉野家の2008年2月期、第1四半期決算が6/29公表された。売上402.49億円(128.1%)、営業利益26.50億円(468.4%:売上対比6.58%)、経常利益28.72 億円(542.9%:売上対比7.13%)、当期純利益14.65億円(558.2%:売上対比3.63%)と牛丼の復活を印象づける鮮烈な大幅な業績の急回復であった。これほどまでに、業績が急回復したケースは珍しいといえ、改めて、牛丼吉野家の「のれん」のすごさを示したといえよう。吉野家の牛丼は昨年の9/18に復活したので、この第1四半期の決算は牛丼復活以来はじめての四半期決算であり、注目された決算であったが、売上の回復もさることながら、営業利益が5倍以上となる大幅な利益改善には注目である。

   営業利益が大幅に改善した要因を見てみると、売上原価は昨年の37.9%から39.2%と1.3ポイント上昇しており、牛丼の復活が原価を下げたわけではなく、むしろ、全体としては原価は上がっている。したがって、売上総利益は昨年の62.1%から60.8%へと1.3ポイント下がっており、いわゆる利益率は上昇気味である。それにしても、食品スーパーマーケットでは売上総利益は25%前後であるので、この60.8%は、外食産業がいかに原価を安く仕入れ、大きな粗利を生み出しているかがわかる。

   では、なぜ、吉野家が今期大きな収益改善につながったかというと、その答えは販売費及び一般管理費にある。昨年は60.3%であったが、今期は54.2%と6.1%と大幅に改善し、これが結果、営業利益率を昨年の1.8%から6.6%へと大きく改善したといえる。さらに、売上の伸び率128.1%が加わり、営業利益が昨年の5倍以上という異常値となった。すなわち、牛丼復活によって、仕入れ原価が下がったわけではなく、販売費及び一般管理費が大幅に下がったことが大きいといえよう。なぜ、このようなことが起こったかであるが、考えられる要因は、牛丼復活前の売上が苦しい時に、徹底的なコスト削減、特に固定費を削減し、経営改善を行ったことであろう。そして、これが、牛丼復活によって、既存店の売上が大幅に上昇したため、相対的にコストが下がり、その結果、全体の販売費及び一般管理費が大きく下がったためと思われる。実際、直近の2007年6月度の売上速報を見てみると、既存店の売上は123.9%と伸びており、全体の売上は126.5%であるので、現在の吉野家の売上を支えているのは、新店ではなく、牛丼復活による既存店の大幅な売上アップであることがわかる。現在、吉野家の総店舗数は1,017店舗であり、昨年はちょうど1,000店舗であったので、わずか17店舗の増加であるので、いかに、牛丼復活が既存店に大きな貢献であったかがわかる。

   さらに、吉野家は財務体質も健全であり、自己資本比率は昨年の71.6%より若干下回ったとはいえ、69.1%と高水準である。キャシュフローも大幅な純利益の増加により、営業活動によるキャッシュフローが大きく増加し、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローのマイナスを大きくカバーし、期末の現金および現金同等物が286億円と昨年よりも50億円以上、上澄みし、潤沢なキャッシュフローとなった。長短借入金は昨年の39.98億円から42.76億円と若干増えたが、総資産のわずか4.16%であり、年間売上の今期売上予想1,630億円の2.6%であり、このまま好調な決算がつづけば、無借金経営も視野に入ったといえよう。また、出店にかかわる資産である、土地、建物、差入保証金は404.37億円であり、昨年が389.43億円であるので、わずかな増加であり、総資産の39.39%と、この大部分を自己資本で賄っており、これまで健全な出店がなされてきたといえよう。

   吉野家に関しては、もう一点、今回の売上が128.1%と大きく成長した要因は既存店にあったわけであるが、その中身を見てみてみると、客単価ではなく、客数であったことがわかる。直近のこの6月度の既存店の客数と客単価の伸び率を見て見てみると、売上が123.9%となった要因は客数が121.1%、客単価が102.3%であり、客数の伸びが大きかったことがわかる。ちなみに、吉野家以外にもこの6月度の外食産業はマクドナルドが既存店の売上113.1%、客数116.6%、客単価97.0%、モスフードの既存店の売上110.9%、客数113.8%、客単価97.5%であり、好調な外食はほとんど、客数の伸びが支えているといえる。

   このように吉野家は牛丼の復活により、大幅な増収増益となったが、その中身はつきつめると、既存店の客数が大幅にアップし、これが全体の売上、そして、経費を引き下げ、営業利益の大幅な改善をもたらしたといえる。外食においては、客数を増やす戦略商品がいかに経営の根幹であるかが、改めて明確になった典型的な事例であるといえよう。この好調な流れを受け、今後、さらに吉野家が成長するために、どのような新規出店戦略を打ち出してくるかにも期待したい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在180人)
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在767人)
PI研厳選!オリジナルe-book、CD 発売!

July 28, 2007 in 経済・政治・国際 |

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 吉野家、2008年第1四半期、大幅な増収増益、牛丼効果絶大!:

Comments

Post a comment