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July 05, 2007

北海道、ダイイチに見る食品スーパーマーケットの経営戦略!

   北海道の食品スーパーマーケット業界は大手3社、アークス、コープさっぽろ、そしてイオンが約年商2,000億円となり、三つ巴の寡占化市場となりつつある。その寡占化しつつある北海道の食品スーパーマーケット市場の中で、年商約250億円の食品スーパーマーケットのダイイチが健闘している。ここでは、その直近の数字をもとに、ダイイチがどのような経営戦略を掲げ、北海道で食品スーパーマーケットを展開しているのかを見てみたい。ダイイチは決算が9月であり、現在、2007年9月期の中間決算がもっとも新しい数字である。それによると、売上高127.21億円(103.2%)、営業利益2.57億円(122.4%:売上対比2.0%)、経常利益2.45億円(124.5%:売上対比1.9%)、当期純利益1.23億円(217.9%:売上対比1.0%)と売上高は微増であったが、利益は大きく改善し、増収増益の好決算であった。

   売上高が微増であった理由は、この中間期においては新店の出店がなく、既存店の改装と活性化による既存店の数字のみの売上高であったためである。既存店の客数は101.9%、客単価は101.2%とどちらも好調であり、結果、売上高が103.2%となった。食品スーパーマーケットの成長は既存店よりも新店の貢献度が圧倒的に高いのが実態であり、成長のためには新店をいかに出店するかが決め手となる。

   そこで、ダイイチの出店戦略を見てみると、ダイイチは出店地域を3つに分けており、帯広ブロックと旭川ブロック、さらに、2004年度から札幌ブロックが加わった。それぞれの店舗数は帯広ブロックが専門店3店舗を入れて12店舗、旭川ブロックが9店舗、そして、札幌ブロックは1店舗であり、札幌ブロックが今後の重点ブロックとなる。目標では5店舗100億円をできるだけ早期に達成することを掲げているので、ダイイチの出店戦略はこの3つのブロックをバランスよくドミナント化してゆくことが当面の出店戦略といえる。ただ、札幌ブロックの新店が2004年以降、思うように進んでいないが、2店舗目、そして、3店舗目がいつ出店されるかがダイイチの成長戦略の鍵を握っているといえよう。

   もうひとつ、出店に関しては、500坪タイプの食品スーパーマーケットに絞り、新規出店に取り組んでいることである。食品スーパーマーケットの売場面積は小型タイプは約200坪、中型タイプが約500坪、大型タイプが約700~1,000坪となり、ほぼこの順に店舗面積を拡大してきたといえるが、ダイイチは1996年に500坪タイプの1号店、上富良野店を出店し、その後めむろ店(1996年)、白樺店(1998年)、みなみの店(1999年)、東旭川店(2000年)、東店(2000年)、札内店(2002年)、旭町店(2003年)、札幌1号店となる八軒店(2004年)、そして、直近の二条通店(2005年)と計10店舗の500坪タイプの出店を果たしている。

   ダイイチの出店戦略はこのように明確であり、これまで主ドミナント地区であった帯広ブロック、旭川ブロックに加え、新たな札幌ブロックが加わり、この新規地区へ約10年間つみあげてきた500坪タイプの食品スーパーマーケットをドミナント展開してゆく方針であり、実現すれば、高い成長が期待できるといえよう。

   そこで、ダイイチの財務面を見てみると、直近の2006年9月度の決算数字ではROAが1.78%(昨年1.03%)であるので、前年よりは大きく改善しているが、食品スーパーマーケット上場企業の中ではトップクラスが5%は優に超えるので、けっして高いとはいえない。その中身の自己資本比率は41.4%(39.9%)であり、ROEは4.3%(2.6%)であり、自己資本比率もROEにも課題があるといえよう。自己資本比率については、負債面を見てみると、その主要項目である長短借入金が25.21億円(27.44億円)と前年よりは約2億円改善しているが、総資産の25.8%、売上の10.09%とやや重い点である。一方、資産面では、出店にかかわる資産である建物32.19億円(33.97億円)、土地29.65億円(29.69億円)、差入敷金・保証金7.53億円(7.84億円)と合計69.37億円(71.5億円)と前年はやや下回ったが、総資産の71.0%、売上の27.7%である。

   この約10年間の500坪タイプの食品スーパーマーケットの出店が大きな成長にはつながったが、その結果、出店にかかわる資産が総資産の大部分をしめ、それに伴なう借入金も総資産の25.8%とやや重い状況であり、自己資本比率41.4%となっているといえよう。また、自己資本比率が低目であるので、ROEは本来もっと高くても良いところだが、当期純利益率が約1%であり、これがROEの向上に結びついていないといえる。

   今後、ダイイチは現在の出店戦略を推し進める上でも、いかに500坪タイプの収益性を引きあげ、キャッシュフローを増やし、当期純利益率の改善をはかり、ROE、そして自己資本比率を引き上げられるかがROAの改善のポイントであるといえよう。そのためにも、今後は500坪タイプの食品スーパーマーケットに加え、NSCへの挑戦も新たな課題となろう。ダイイチの今後の500坪タイプの新規出店に注目したい。

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July 5, 2007 in 経済・政治・国際 |

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