家計調査データ200706、100.8%、果物、酒類、飲料好調!
7/31、総務庁統計局から2007年6月度の家計調査データが公表された。家計調査データは公表までに約1ケ月かかるため、現時点では6月度が最新データである。家計調査データは衣食住の各家庭での支出金額が細かく細分化され、集計されており、食品関係ではほぼ食品スーパーマーケットの商品分類と同じであり、そのままマーチャンダイジングへの活用が可能である。本ブログでは、さらに、家計調査データの実践的活用を目指し、食品スーパーマーケットの客単価と比較しやすいように、月間データを1日当たりに換算し、さらに、客単価3D分析の手法を取り入れ、客単価=購入世帯数の割合(客数PI値×購入世帯数のみの客単価(金額PPI)に分解し、より、消費実態を掘り下げた分析を試みている。
さて、最新、2007年6月度の実態であるが、外食を除く食品全体の消費額は1日当たり1,920.61円(昨対100.8%)であり、ほぼ昨年並みの数字であった。大分類で見てみると、伸びた部門は果物96.97円(108.0%)、酒類129.32円(106.2%)、飲料140.84円(103.6%)の3つの部門が良く伸びており、食品全体を牽引した部門である。ついで、菓子類184.39円(101.9%)、油脂・調味料106.39円(101.3%)、肉類194.39円(101.3%)、穀類206.19円(101.0%)、調理食品250.10円(100.1%)、魚介類227.00円(100.8%)がほぼ昨対並の伸び率である。逆に、昨対を下回った部門は、野菜・海藻279.32円(95.9%)、乳卵類105.71円(97.1%)のみの2部分であった。乳卵類とは卵、牛乳、乳製品等である。大分類で見ると、野菜・海藻、乳卵類の落ち込みを、果物、酒類、飲料でカバーした状況であり、その他はほぼ横ばいで推移したのが6月度の特徴であったといえよう。
家計調査データでは、大分類は以上のように分けているが、この中でデータとしても最も特徴があるのは酒類である。酒類だけは購入世帯数の割合(客数PI値)が68.4%となり、1ケ月間に約70%の家計が酒類を購入しているが、逆に約30%の家計では酒類を全く購入していないという数字である。酒類以外の大分類は果物が94.7%であるが、それ以外はすべて95%以上で100%に限りなく近い数値である。これは酒類は食品の中でも独特な商品群であることを示しているといえる。酒類はほとんどの家計が購買する商品ではないといえ、限られた家計に対してのマーチャンダイジングを強く打ち出すことがポイントであるといえる。酒類は食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングにも大きな影響を与え、たとえば、主力動線上には酒類を置くよりも、中通路側とか、レジ横、レジ裏などでコーナー化をし、豊富な説明POPをつけ、初回購買よりもリピート購買を促すような方法がポイントとなる。特に酒類の中でもウィスキー2.9%、ワイン7.7%はビールの38.7%、焼酎の24.9%と比べても極端に低く、独自のマーチャンダイジングが必要といえよう。
ちなみに、全項目の中で購入世帯数の割合(客数PI値)の低いものを見てみると、ウイスキー2.9%、そうざい材料セット3.0%、粉ミルク3.1%、かに4.8%、もち5.3%、干ししいたけ5.4%、ココア・ココア飲料5.5%が5%以下の項目であり、ウィスキーは特に限られた愛好家へのマーチャンダイジングをしっかり構築できるかどうかが、売場の活性化の鍵を握っているといえよう。
6月度、最も伸びた3大部門、果物96.97円(108.0%)、酒類129.32円(106.2%)、飲料140.84円(103.6%)であるが、これらを牽引した項目は、果物では、グレープフルーツ4.74円(177.1%)、すいか11.71円(130.1%)、メロン11.71円(112.4%)であり、酒類ではビール53.16円(117.0%)、ぶどう酒 6.19円(130.6%)、焼ちゅう23.68円(111.4%)、ウイスキー3.23円(111.1%)であり、飲料では炭酸飲料8.68円(121.2%)、乳酸菌飲料9.81円(114.7%)、茶飲料 18.58円(114.5%)、ミネラルウォーター7.45円(112.7%)、乳飲料3.00円(112.0%)である。
逆に6月度最も伸び悩んだ部門は野菜・海藻279.32円(95.9%)、乳卵類105.71円(97.1%)の2部門であるが、特に昨対を下回った項目は、野菜・海藻ではたまねぎ5.48円(79.8%)、キャベツ5.68円(86.3%)、はくさい1.23円(86.4%)、ばれいしょ6.68円(87.0%)、ほうれんそう4.77円(87.1%)等であり、乳卵類では粉ミルク2.19円(88.3%)、牛乳47.29円(93.4%)である。
このように、この2007年6月度の家計調査データを見る限り、全体ではほぼ昨年並みの消費額であったが、その中でも果物、酒、飲料が伸び、野菜・海藻、乳卵類が伸び悩み、その他は横ばいという状況であった。7月のデータは8月末に公表される予定であるが、特にこれらの部門の動向には注目したい。
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