« 九九プラス、2008年3月期、第1四半期決算、利益が改善! | Main | 西友、減収減益、最終赤字の厳しい決算、2007年12月期中間! »

August 15, 2007

ウォールマート、2007年7月度売上速報、108.8%!

   ウォールマートが8/9、2007年度の売上速報を公表した。海外部門を含むウォールマート全体では108.8%となり、26週累計の108.4%をわずかに上周り、堅調な伸びであった。既存店に関しても今月は101.9%、26週累計では101.3%であったので、若干であるが売上が上向いたといえる。ウォールマートの7月度の売上集計は2007年8月3日(金)までの4週間と累計26週間の集計結果である。アメリカの小売業は通常、売上は週別管理を行っており、ウォールマートの場合は月間を4週間か5週間に区切り、さらに13週ごとに四半期にまとめ、そして、26週で半期、52週で1年として売上を管理している。7月度は第1四半期の13週と第2四半期の13週とが合わさり、ちょうど中間の26週目となる節目である。週のはじまりが月曜日ではなく、土曜日からはじまるのもユニークである。

   さて、全体の売上が108.8%となった中身であるが、ウォールマートは売上を大きく3つに分けて管理している。ひとつは、スーパーセンター、ディスカウントストア、食品スーパーマーケットのネバーフッドマーケットを含めたウォールマート部門である。もうひとつは会員性ホールセールのサムズ部門、そして、日本の西友も含まれる海外部門である。この中で、ウォールマートを最も力強く牽引しているのは海外部門であり、昨対115.9%であった。全体売上の構成比は24.39%とほぼ1/4となるボリュームであり、構成比も昨年の22.90%と比べても上昇しており、海外部門の比重がどんどん重くなっている状況である。ただ、26週累計では116.2%であったので、7月度は若干伸び率が下がっているところが気になるところである。

   一方、主力のウォールマート部門であるが、昨対106.7%と堅調な伸びである。26週累計は106.0%であったので、7月度はこれまでよりも、伸び率が若干改善されたといえよう。売上構成比も63.70%であり、文字通りウォールマートの柱である。金額ベースでは175.68億ドルであるので、約2.12兆円であり、年商ではなく、月商であるので、創造もつかない金額である。累計では1,151.40億ドルであるので、約14兆円であり、このままのペースでいけば、年商30兆円近い数字となり、構成比が63.70%であるので、ウォールマートの年商予想は50兆円弱となる計算である。そして、サムズ部門であるが、106.7%とウォールマートと部門と全く同じ数字であり、26週累計は107.1%であるので、若干伸び率が落ちたといえるが、依然として堅調な伸びといえよう。

   これに対して、既存店の動向を見てみると、全体では101.9%と26週の累計の101.3%と比べ若干上向いたが、中身を見てみると、ウォールマート部門は101.3%と26週累計の100.6%と比べの伸びており、サムズ部門は逆に104.9%と26週累計の105.3%と比べ下がったが、売上構成比の大きいウォールマート部門が延びたので、全体がプラスになったといえよう。ウォールマートは特にグロサリーの動きがよく、生鮮食品に加え、日配、ベイカリーがドラック同様、堅調な数字であったことが大きかったとコメントしている。アメリカの小売業の集計はここ最近ガソリンが高騰しているので、ガソリンなど燃料のあるなしで既存店の数字を公表しているが、ここへきてガソリンの影響はそれほどなく、ウォールマートでも0.1%程度の影響となっている。

   これらの動きを踏まえて、ウォールマートのここ最近の株価であるが、ニューヨーク証券取引所の株価の動きを見ると、この発表のあった8/9の株価は46.45ドルであり、翌日8/10(金)は46.07ドルと若干下がり、週明けの8/13は46.17ドルとほぼ横ばいであったが、8/14は44.13ドルと株価を大きく下げており、年初来最安値となった。それまでの今年の最安値は3/14の45.73ドルであるので、それを1ドル以上下回っており、今週の株価がどの辺で落ちつくかが読めないところである。ただ、売買高が通常の約2,000万株の1/5の約400万株であるので、売りが殺到したというわけではない。

   このようにウォールマートの2007年7月度の売上は108.8%、既存店も101.6%と堅調な数字ではあるが、ひところの2桁成長の勢いはない。ウォールマートも成長戦略の再検討が必要な段階に入ったといえそうである。折りしも、日本の西友が2007年12月期の本決算が6年連続の赤字決算となることがほぼ確実となったようであり、海外部門に関してもひところの伸び率が維持できなくなり、安定成長に入ったといえよう。この7月でちょうどウォールマートの半期が終了したが、後半、ウォールマートが海外戦略を含め、どのように成長戦略を立て直してくるかかについて注目したい。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
Mixi(ミクシィ)に食品スーパーマーケット最新情報のコミュニティを創設!(現在191人)
週間!食品スーパーマーケット最新情報:まぐまぐ!スタート(現在800人)
PI研厳選!オリジナルe-book、CD 発売!

« 九九プラス、2008年3月期、第1四半期決算、利益が改善! | Main | 西友、減収減益、最終赤字の厳しい決算、2007年12月期中間! »

Comments

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ウォールマート、2007年7月度売上速報、108.8%!:

« 九九プラス、2008年3月期、第1四半期決算、利益が改善! | Main | 西友、減収減益、最終赤字の厳しい決算、2007年12月期中間! »