ブルドックソース、2008年3月度、第1四半期決算を見る!
注目のブルドックソースが8/7、2008年3月度、第1四半期決算を公表した。決算内容は大変厳しい内容であり、減収減益となった。特に、当期純利益に関しては、今回のスティール・パートナーズ関連の諸経費を特別損失に計上したために大幅な減益となった。実際の決算数字は、売上高40.96億円(95.2%)、営業利益1.95億円(62.8%:売上対比4.76%)、経常利益2.93億円(76.7%:売上対比7.15%)、当期純利益0.55億円(18.6%:売上対比1.34%)であった。ちなみに、ここ最近のブルドックソースの株価であるが、7/5、1:4の株式分割後、株価は600円弱まで下がり、その後、7月中旬には一時800円を越えたが、8月に入り株価は下がりはじめ、この第1四半期決算発表の8/7以降、株価はさらに下がり、400円付近で推移しており、8/24現在、416円という株価が続いている。
8/24にはスティール・パートナーズのブルドックソースへの公開買付報告書が公開されたが、結果は1.89%(131万8,456株)となり、既に保有している株価と合わせ、合計5.41%(377万8,456株)であるという。スティール・パートナーズの公開買付は失敗に終わったことになるが、公開買付価格は425円であったことから、今後、ブルドックソースの株価がどの辺で落ちつくか予断を許さない状況が続くといえよう。ちなみに、今回、スティール・パートナーズが手にしたブルドックソースからの買収防衛策への対抗措置としての新株発行に伴なう現金分約21億円をすべて、現在の株価400円で市場で買った場合、500万株以上となり、現在の5.41%から10%を優に越える持ち株比率となり、再び、スティール・パートナーズが大きな発言権を持つようになる。その意味でも、今後、スティール・パートナーズの次の一手が注目される。
ただ、スティール・パートナーズがどう動くかは別として、今回の第1四半期決算は非常に厳しいものであり、ブルドックソースがスティール・パートナーズのTOBへの対抗策として示した6/7に公表した中期事業計画では2008年3月期に増収増益の目標を示しているので、目標の達成は厳しいものとなりつつあるといえよう。それ以上に、この中期計画では最終目標として、2013年3月期まで連続で増収増益の目標を立て、特に、営業利益を2007年3月期の4.3%を2013年3月期には何と14.0%と3倍以上の利益、倍倍増計画であるので、かなり高いハードルといえよう。
その中期経営計画の骨子であるが、売上よりも経費削減を柱とした内容であり、2013年3月期と2007年3月期の主要数字を比較してみると、売上高は106.8%であるが、営業総利益が113%、販管費が92.5%という計画であり、その結果、営業利益が4.3%から14.0%となるという内容である。したがって、売上高は微増、営業利益は2桁改善、販管費は大きく削減ということであるので、売上高は伸びなくとも粗利は大きく伸ばし、経費を大幅に削減し、利益を生み出すという内容といえる。具体的には、ソースのPB化を特に業務関係ですすめ、売上高と利益率、特に利益率を同時に改善し、一方で、生産拠点を集約し、子会社化したイカリソースとの重複部門を見直し、社員数を大幅に減らし、生産性を飛躍的に改善するという内容である。
したがって、この政策はこの第1四半期ですぐにできる内容ではなく、まさに、中期的な経営課題であるので、今回の決算結果にすぐに反映されることではないが、それでも、中期経営計画の初年度にあたる第1四半期の経営数字は、厳しい結果であったといえよう。特に、この第1四半期の売上原価が昨年の45.7%から48.6%と大幅に上昇しており、結果、売上総利益が昨年の54.3%から51.4%と約3ポイント下がっており、原料市況の上昇が大きく響いているといえよう。加えて、売上高が低価格志向の影響を受け、伸び悩んだといい、PB化以前の問題として、既存商品の売上高も厳しい状況である。経費に関しては、すでに削減が進んでいるようで、昨年の47.1%、この3月期の本決算の48.3%と比べても46.6%と下がっており、経費削減に関しては、すでに対策が打たれ始めたといえよう。ただ、売上が厳しく、原価が上昇している現状を考えると、経費削減だけでは、厳しいものがあり、中長期計画に盛り込まれたPB政策以外にも具体的な効果の高い追加策が必要と思われる。
このように、ブルドックソースはスティール・パートナーズのTOBに対し、一旦は退けたが、依然として、スティール・パートナーズは5%以上の株式を保有し続けており、今後の動きが読めない状況である。これに加え、今回示した中期経営計画の初年度のスタートにあたる第1四半期決算がかなり厳しい数字となり、中期経営計画では充分に示されていない既存商品の競争力強化と高騰する原価への対応が急務となりつつある。この点に対しても早急に改善対策を示す必要があるといえ、ここが改善されないと中期経営計画そのものの実現性も厳しいものとなろう。その意味で今回の問題はまだまだ予断をゆるさない厳しい状況が続いているといえ、ブルドックソースとしては、再度、中期経営計画を補強する企業価値の向上を示す必要があるように思える。
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