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September 18, 2007

Chain Store Age、最新9/15号、ジェーソン財務分析に投稿!

   Chain Store Ageの最新号、9/15のP84に特別レポートとして、バラエティストア、ジェーソンの特集記事を投稿した。この特集は2部構成となっており、第1部は財務分析編、第2部が店舗運営編であるが、その第1部、ジェーソンの財務分析編への投稿である。ジェーソンは4/26、大阪証券取引所のヘラクレス市場へ上場しており、すでに、首都圏一円に59店舗を展開している。今後、日本初の本格的なバラエティストアのチェーンストアとして全国展開を視野に入れている企業であり、現在、その動向が注目されている。今回は、ジェーソンの最新店舗である東京都練馬区の西大泉店を視察し、合わせて、すでに公開されている最新の財務諸表を参考に記事を書いてみた。そこで、本ブログでは、この記事では書ききれなかった内容を補足してみたい。

   まず、最新店舗の西大泉店を視察しての印象であるが、ジェーソンというバラエティストアの特徴は食品、特に飲料が戦略商品として重視されており、店頭からPBの41円の缶コーヒー等の飲料が強力に訴求されており、視察した日がオープン日の販促であったこともあり、NBも41円という価格での訴求、当然、ちらしも、41円の飲料が全面に訴求されており、強烈な飲料重視のマーチャンダイジングが全面に押し出されていた。実際、ジェーソンの商品構成比を見ると、食品は49.8%とNo.1の部門であり、No.2の日用品・家庭雑貨の30.2%と比べると断トツの構成比となっており、食品、特に飲料重視はこの新店だけではなく、ジェーソン全体の商品戦略であることがわかる。しかも、売買差益は21.0%と酒の10.7%を除くと、最も低い粗利であり、この部分がジェーソンの集客部門であることもわかる。店舗全体の売買差益は24.6%であるので、ジェーソンにとって食品、特に飲料が生命線であるといえよう。

   売買差益が最も高い部門は衣料服飾・インテリアであり、31.2%である。ただ現状の構成比がわずか4.6%であるので、相乗積は1.42%でしかなく食品の10.45%と比べると粗利貢献度は低く、今後、粗利改善のためにはこの部門の構成比を引き上げてゆくことも課題となろう。ちなみに、日用品・家庭用品は売買差益が25.6%であるので、相乗積は7.73%であり、衣料服飾・インテリアより、売買差益は低いが、粗利貢献度は高いので、この部門の強化も粗利改善のポイントであるといえよう。このような数字を見ると、ジェーソンは、食品を戦略部門に、日用品・家庭用品を強化したバラエティストアといえ、ちょうど、食品スーパーマーケットの生鮮、日配部分の外周部分を除いた内周の食品、菓子、雑貨部分を独立させ、品揃えを強化し、ディスカウントした業態イメージといえよう。

   ジェーソンの平均売場面積は約200坪であり、店舗スタッフは社員2人にパート4人の計6人でまわしているが、この商品構成と店舗面積を見る限りでは充分可能なことであり、これが、経費比率21.1%、人件費7.2%というローコスト経営の原動力となっているといえよう。現状の売上総利益は25.6%であるので、経費比率21.1%との差、4.5%が営業利益であり、営業総利益率も低いが、経費比率はさらに低く抑えられているので、通常の小売業と比べ、収益性は高いといえる。これ以外にも記事の中でも言及したように、経費比率を低く抑える仕組みは、居ぬき物権を中心の出店、ちらしよりもEDLP重視の価格戦略などもあるが、それらを可能にしたのは、このような食品を戦略部門に、日用品・家庭用品を強化した商品構成に徹した商品戦略にあるといえよう。

   今回、ジェーソンの財務分析をしてみて、最も気になったのは、本文でも取上げた自己資本比率の低さである。現在27.9%であり、小売業の中でもかなり低い数値であり、今後、安定した成長軌道に乗るためには、50.0%以上は欲しいところであり、当面のジェーソンの最大の経営課題といえよう。本文でも一覧表でまとめてみたが、小売業の自己資本比率を下げる要因は大きく3つあり、一つ目は、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金・敷金の増加であり、二つ目は借入金の増加であり、そして、三つ目が棚卸し資産の増加である。この3つが小売業の自己資本比率を圧迫する要因であり、この中でも出店にかかわる資産と借入金は裏腹の関係にあり、新規出店を借入主体で行うか、自己資本の範囲内で行うかという経営判断が分かれるところである。特に、急成長を目指すと、当然、自己資本で出店にかかわる資産を賄いきれず、借入依存となり、財務を圧迫することになるが、ジェーソンの現状は、借入依存気味での成長戦略であり、どこかで財務の建て直しが必要となりかねない状況といえる。

   このように、ジェーソンの強みは食品スーパーマーケットの内周部分、特に食品に特化したバラエティストアであるといえ、様々な工夫を加え、ローコスト経営を実現し、急成長を遂げてはいるが、借入依存気味の新規出店となりつつあるといえ、どこかで自己資本比率を充実させ、今後の全国展開への体制を整えることがいずれ経営課題となるといえよう。経営はバランスであり、特に、急成長が必要な時期にどのような財務的なバランスをとってゆくかがポイントであり、その意味で、今後のジェーソンの財務戦略に注目したい。

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September 18, 2007 in 経済・政治・国際 |

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Comments

  トライアルカンパニーの財務諸表を見ないと判断できませんが、トライアルカンパニーはスーパーセンター主体の業態であり、ジェーソンはバラエティストア主体の業態ですので、業務内容が大きく違います。

  ただ、出店形態はどちらも居ぬき出店が多く、経費比率を低く抑えた出店を行い、EDLP主体の商品戦略を採用するなど、業種の違いはありますが、経営戦略はよく似ていると思います。

  トライアルカンパニーの財務諸表が公開され次第、経営内容を分析し、ジェーソン、オーケーストア等と比較してみたいと思います。

Posted by: PI研 | Sep 20, 2007, 8:16:13 PM

トライアル(来年上場予定)とジェーソンは
どちらが優れてるのでしょうか?

Posted by: ??? | Sep 18, 2007, 12:31:14 PM

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