マルエツ、ダイエーから独立、イオン微妙な筆頭株主!
9/13、ダイエーがイオンへマルエツの株式を売却し、イオンがマルエツの筆頭株主となった。マルエツにとってはダイエー支配から脱却したことになるが、代わりにイオンが筆頭株主となったため、イオンの支配化に入ることとなり、懸案であったダイエーからの独立は果たしたといえるが、今度はイオンの支配を受けることになる。また、今回の株式の売却数をよく見ると、イオンが確かに筆頭株主とはなっているが、丸紅もしっかり主導権を握っているようで、マルエツの主導権はイオンが握るのか、丸紅が握るのかが微妙な状況といえ、当面、マルエツはイオンと丸紅の主導権争いが続くものといえよう。
実際の9/13の株式移動の状況を見てみると、その微妙な状況がわかる。ダイエーからイオンへの株式移動後の状況は、イオンが移動前はマルエツの株式を21.12%所有し、第2位の株主であったが、移動後は33.2%の株式を所有し、第1位の筆頭株主となった。その結果、それまで第1位の筆頭株主であった丸紅は29.9%と変わらないため、第2位の株主となった。これを見る限りでは、33.2%対29.9%でイオンがマルエツの経営の主導権を握ったようにみえるが、ダイエーはマルエツの全株式を売却したわけではなく、12.1%を売却し、依然として4.3%のマルエツの株式を保有しており、マルエツの大株主である。その結果、この4.3%に丸紅の29.9%を足すと、34.2%となり、イオンの33.2%を上回ることとなり、イオンが絶対的な筆頭株主とは現時点ではなっておらず、丸紅+ダイエーにわずかに1.0%足りない微妙な関係となっている。しかも、現在、実質、ダイエーを経営支配しているのは丸紅であり、ダイエーの4.3%の議決権は丸紅にあるといえ、イオンの独走を牽制する形となっているといえよう。その意味でマルエツの経営状況は微妙な力のバランスで成立っているといえ、イオンの意向と丸紅の意向の両方に目を向けながら経営してゆくことになるといえよう。
それにしても、丸紅はどこまで本気で小売業にかかわり続けるのかが次の焦点となった。今回のマルエツの状況を見ていると、一見、イオンに主導権を渡しているように見えるが、微妙にイオンを牽制し、主導権をぎりぎりのところで維持しようとしているようにも見える。ダイエーに関しても、3/9にイオンに株式を15.12%売却し、それまでの44.63%から29.51%へ所有権を下げ、その後、イオンから役員を数名受け入れ、本格的にイオンがダイエーの経営に踏み込んだが、依然として第1位の筆頭株主を維持し、代表権は唯一、丸紅が握っており、ダイエーの経営の主導権をぎりぎりのところで維持している。とはいえ、ここへきて、丸紅のマルエツ、ダイエーへの経営へのかかわりが、以前と比べ格段と弱くなり、イオンの経営へのかかわりがマルエツはほぼ主導権を握り、ダイエーも主導権をにぎりつつあるという状況であり、丸紅主導からイオン主導へ徐々に移っているともいえよう。丸紅が今後、どのようなマルエツ、ダイエーへの経営に関する政策を打ち出すかが注目である。
これを受けて、マルエツの株価であるが、この発表のあった9/13の前日の9/12から株価は上昇気味で推移している。9/11は563円であった株価が、9/12には585となり、22円(107.8%)高となり、売買高も41.1万株から、69.6万株と大きく増えており、翌日の9/13は585円、9/14は586円と株価を維持しており、概ね、市場は今回のマルエツのイオン主導体制を評価しているといえよう。ちなみにダイエーは株価はほとんど変化なく、800円強でほぼ横バイで推移し、売買高も大きな変化はない。ただ、ダイエーの株価はこの数ケ月、右肩下がりで推移しており、4月には1,600円前後であった株価が、5月、6月は1,300円、7月中旬に入るといっきに株価が下がり始め、とうとう1,000円を割り、8月中旬には800円前後まで落ち、その後、9月中旬まで、800円前後が続いている。
このように、9/13時点でマルエツの筆頭株主がイオンとなったが、当面、ダイエーを含め、経営に関しては、丸紅との2頭体制が続くものといえるが、今後、実質、イオン主導のマーチャンダイジングがマルエツ、ダイエーに浸透するにつれ、丸紅がどのような経営判断をダイエー、マルエツに下すかが次の焦点といえよう。丸紅本体も好調な資源・エネルギー部門への一層の投資が必要な状況でもあり、急成長が見込めるとは思えない現在の小売事業への投資をどこまで続けられるかが課題といえよう。今後のイオンの動向はもちろんだが、丸紅の投資戦略にも注目したい。
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