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September 13, 2007

ヤマダ電機、ラインロビング、雑貨、家具を付加!

   9/12の日経新聞にヤマダ電機の記事が掲載された。「ヤマダ攻勢、雑貨も家具も」という見出しではじまり、サブタイトルは、「主力80店、売り場面積2倍」、「品そろえ拡充、投資1000億円規模」、「家電、枠越え再編へ」となり、ヤマダ電機が家電から雑貨、家具をラインロビングし、新業態へ挑戦するという記事である。以前のブログで食品スーパーマーケットのラインロビングを取上げたが、家電もいよいよラインロビングの時代に入り、今後、今回のヤマダ電機の動きが発端となり、雑貨、家具にかかわらず、様々な商品群をラインロビングしてゆくことになるさきがけといえる動きである。これが成功すれば、食品スーパーマーケットとも相性がよくなり、現在、ドラックストア、ホームセンター、カジュアル衣料、100円ショップ等と組んだNSCが主流であるが、ラインロビング後の家電とも組むケースが増えるものといえよう。

   さて、日経の記事の内容であるが、対象店舗はヤマダ電機の全国にある約300店舗の内、人口50万人以上の都市にある主力の約80店舗を現在の3,300平米(約1,000坪)の面積を約2倍の6,000平米(約2,000坪)に増床ないしは、移転立替えし、拡張した売場にこれまで取り扱っていなかった家電以外の生活雑貨や家具を品揃えし、商品数も従来の約1.5倍に引き上げるという。まさに、ラインロビングであり、家電を核にした近隣型ホームセンターのような業態イメージである。すでに、この4月に八王子の売場面積約2,000平米の店舗を移転し、約6,000平米にしたテックランドNew八王子別所店をオープンさせており、この店舗が今後のモデルケースといえ、今後、東京都、茨城県、新潟県、兵庫県、千葉県でも同様な拡張計画があるという。いずれも、売場面積6,000平米から7,000平米であるという。

   この費用であるが、建替えの場合は15億円、増床の場合は5億円ほどかかるといい、80店舗を対象とすると約1,000億円の投資となるという。これらは手元資金で賄うという。実際、平成20年3月期の第1四半期の決算が、7/26に公表されているが、これを見ると、当期純利益が57.76億円、3月末の本決算では434.20億円であり、キャッシュフローの現金及び現金同等物の期末残高は326.74億円、3月末の本決算時では410.29億円であるので、今回は約5年かけて改装であり、年間200億円を投資し、5年間で合計1,000億円の投資はキャッシュフローの範囲内で可能な状況といえよう。

   ちなみに、ヤマダ電機のこの第1四半期決算時の営業、財務状況であるが、売上は3,928.52億円(120.6%)、営業利益は59.95億円(120.7%:売上対比1.53%)、経常利益は98.50億円(114.1%:売上対比2.50%)、そして、当期純利益は57.76億円(116.1%:売上対比1.47%)と絶好調な結果であり、大幅な増収増益の決算であった。営業利益率が若干低いが、これは販売費および一般管理費は18.63%と屈指の低さであるが、営業総利益が意外に低く、20.16%であるためである。価格競争が激しい家電業界の現状を反映しているといえよう。それゆえ、今回のラインロビングの狙いは、売上を引きあげることも大きな狙いであると同時に、営業総利益の引き上げも当然狙ってのことであるといえよう。

   一方、ヤマダ電機の自己資本比率は48.1%であり、3月の本決算時の53.8%と比べると若干下がっているが、家電業界の中ではトップクラスであるが小売業界の中では60%台、70%台の企業も多く、改善の余地は充分にある。その要因を負債と資産の両面から見てみると、負債の最大項目の社債を含む長短借入金は668.62億円であり、総資産の10.66%であり、それほど大きい額ではない。これに対して、資産面の中で出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金を見てみると、合計2,623.2億円であり、これは総資産の41.8%であり、出店にかかわる資産は総資産の大きな比重を占めている。また家電特有のたな卸し資産が2,113.98億円あり、総資産の33.7%と大きな比重を占めており、出店にかかわる資産を加えると合計75.5%となる。ヤマダ電機にかかわらず、家電業界はいかに出店にかかわる資産とたな卸資産を圧縮できるかが大きな経営課題であり、これらの資産の圧縮が自己資本比率改善の鍵を握っているといえよう。

   したがって、今回のヤマダ電機のラインロビングは、これらの財務改善も当然狙ったものであるといえよう。ヤマダ電機の競争力の源泉となっている屈指の経費比率を低く抑えるマネジメントを武器に、粗利率の改善をはかり、キャッシュフローをさらに生み出し、借入金を削減し、自己資本比率を高めることが可能となる。また、新たな商品群を付加した店舗改装をすることにより、出店にかかわる資産は増えるとは思うが、一方で、客数が増え、家電を含めた商品回転率が上がり、在庫が圧縮可能となるので、これも、自己資本比率を高めることにつながる。このように、今回のヤマダ電機のラインロビングはヤマダ電機の経営をさらに磐石な体制を築くことを目的した新たな経営体制づくりであるといえよう。ヤマダ電機の今後数年間の経営動向に注目である。

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