家計調査データ、2007年8月度、昨年並みで推移!
総務庁統計局から、家計調査データの最新情報、2007年8月度が9/19公表された。家計調査データは毎月、速報値として、月末に前月のデータを公表しているので、現在10月に入ったが、最新データは8月度のデータである。本ブログでは、この家計調査データを食品スーパーマーケットのマーチャンダイジングに活用するために、客単価に近い数字に加工している。そのため、月間のデータを一日当りの消費額に換算し、顧客1回当りの購入金額、すなわち、客単価と比較しやすくしている。また、客単価3D分析を応用し、この消費額を購入世帯のみの消費額と購入世帯の割合に分解し、より、消費実態を深く掘り下げている。これにより、月間の家計調査データの中身がより、食品スーパーマーケットの客単価と比較しやすくなり、かつ、その中身を深く掘り下げることが可能となった。
さて、8月度の概況であるが、全体は外食を抜いた食品合計は2,072.58円(100.7%)と昨対を越えたが、差はわずかであり、ほぼ昨年並みの数字である。家計調査データの集計は食料の中に外食が含まれているので、食品全体の数字をみる時には注意が必要である。また、各部門をみて見ると、最も伸びた部門は果物142.97円(108.8% )、購入世帯のみの消費額151.58円(108.9%)、購入世帯の割合94.3%(99.9%)という数字であり、果物が好調であった。果物は購入世帯の割合が97.3%であるので、ほぼ、1ケ月に1回はほとんどの世帯が果物を購入しているが、その数字が伸びたわけではなく、購入世帯のみの消費額が108.9%と伸びており、リピート購買が増えたものといえよう。
そこで、その中身をみて見ると、グレープフルーツ2.45円(133.3%)、14.48円(112.5%)、16.9%(118.6%)という状況であり、グレープフルーツが良く伸びており、購入世帯のみの消費額もあらたな購入世帯も双方伸びており、グレープフルーツの貢献度は高かったといえよう。ついで、なし22.42円(123.0%)、47.78円(113.9%)、46.9%(108.0%)、みかん5.48円(113.3%)、37.74円(111.6%)、14.5%(101.5%)が貢献度が高く、特に、なしは、消費額も高く、この8月度の果物全体を大きく牽引した項目であったといえよう。
果物についで、大分類で見ると、酒類141.32円(105.0%)、202.21円(104.1%)、69.9%(100.8%)、飲料164.26円(104.2%)、165.77円(103.8%)、99.1%(100.4%)が伸びており、特に酒は購入世帯の割合が69.9%と大分類の中では最も低い数字であり、酒は限られた愛飲家に激しく支持をされる典型的な商品であるといえよう。その酒の中で、伸びた項目をみて見ると、ビール72.74円(112.6%)、151.51円(107.7%)、48.0%(104.5%)が最も貢献度が高い。ついで、発泡酒18.00円(108.6%)、98.41円(102.5%)、18.3%(105.9%)、焼ちゅう17.94円(107.5%)、103.14円(111.1%)、17.4%(96.8%)であるが、これについで、ぶどう酒5.39円(106.4%)、88.02円(123.8%)、6.1%(86.0%)、ワインも貢献度が高かった。ワインはビールと比べると、購入世帯の割合が6.1%と極端に少なく、典型的な限られた愛飲家にしっかりリピート購買してもらう商品であることがわかる。
一方、この8月度、伸び悩んだ大分類をみて見ると、調理食品275.06円(97.9%)、276.78円(97.9%)、99.4%(99.9%)、すなわち、惣菜であった。特に、旬のうなぎのかば焼き13.58円(87.2%)、55.09円(103.9%)、24.7%(83.9%)のダウンが大きく、購入世帯のみの消費額は増えているが、購入世帯数が激減しており、うなぎが敬遠された数字となっており、中国産問題などが影響をしたといえよう。ついで、消費額の大きい項目ではすし(弁当)37.26円(94.9%)、60.79円(95.6%)、61.3%(99.3%)が大きく落ち込んでおり、購入世帯のみの消費額と購入世帯の割合も減っており、ダブルでの減少であったといえる。その他の項目では、しゅうまい2.61円(90.0%)、13.22円(98.6%)、19.8%(91.2%)、ハンバーグ2.45円(92.7%)、14.84円(101.7%)、16.5%(91.1%)、冷凍調理食品11.19円(93.5%)、32.32円(99.1%)、34.6%(94.4%)などであった。
これ以外の大分類では、野菜・海藻275.58円(98.1%)、275.86円(98.0%)、99.9%(100.0%)、乳卵類107.26円(98.3%)、107.85円(98.2%)、99.5%(100.0%)であり、この2部門以外はほぼ昨対並の数字で推移した。
このように、この8月度の家計調査データはほぼ昨年並みの数字で推移したが、果物、酒、飲料部門が伸び、全体を牽引したが、調理食品(惣菜)、野菜・海藻、乳卵類が伸び悩み、その他は横バイという状況となり、全体としては相殺され、昨年並の数字となった。今後、夏が終わり、秋となり食欲の秋の季節到来であるが、ここへ来て様々な食品の値上がはじまり、今後の家計調査データがどのような数字となるか、気になるところである。
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