CFSコーポレーション、イオンと激突、出資比率15.01%の意義!
10/8の日経MJに、「イオン青天の霹靂(へきれき)」、「CFSとアインファーマシーズ統合」、「緩やかな連携裏目、委任状争奪戦に発展も」という見出しの記事が大きく掲載された。これ以外にも、関連記事として、「業績不振「名門」走らす、CFS価格戦略でつまづく」、さらには、関係者のインタビュー記事も掲載され、その見出しでは「岡田社長、株価低い現状、統合は不利」、「石田・大谷両社長、統合効果、理解してもらう」という記事である。実際、10/5午前にイオンの岡田社長が臨んだCFSの役員会でアインファーマシーズとの統合議案が提出され、岡田社長は反対意見を述べたが、採決は1対8となり、可決されたといい、イオン抜きの経営統合が強行されたという。今後、イオンが反対を貫くには株主総会での過半数の賛成を得る必要があるが、15.01%の現状の出資比率では、かなり厳しいものがあり、イオンの意向とは反対の経営統合が実現する可能性が高く、今後のイオンのドラックストア戦略に大きな影響を与えるのは必至の情勢といえよう。
ここで、現状を整理しておくと、2008年4月を目処に業界第7位のCFSコーポレーション(年商約1,400億円)とアインファーマシーズ(年商約1,000億円)の2社が持ち株会社を設立し、経営統合するということである。その結果、年商が約2,400億円となり、マツモトキヨシの年商約3,500億円につぐ、業界第2位となる。ちなみに、第3位はスギ薬局の約2,200億円、第4位はカワチ薬局の約2,000億円、第5位はサンドラックの約2,000億円、第6位はツルハホールディングスの約1,700億円である。
今回の経営統合がCFSの筆頭株主のイオン抜きに進んだ背景には出資比率が大きく影響していたといえよう。イオンは見出しにもあるように「ゆるやかな連携」が経営戦略の考え方の根幹にあり、運命共同体的な連携を好まず、関係企業の自主性を尊重し、経営の自由を保証してきたといえる。そのため、経営の支配度を示す資本構成比は15%前後までにとどめ、資本提携よりも、業務提携に主眼を置き、経営よりも営業面の支援にウエィトがおかれた内容であったといえる。今回のCFSコーポレーションにおいても、出資比率は15.01%であり、連結対象となる20.0%以上、重要事項の拒否権を持てる1/3以上、経営権を掌握する1/2以上にまでは踏み込むことがなく、一大株主という位置で業務提携を進めてきたといえる。実際、現在のCFSコーポレーションの株主構成を見てみると、第1位イオン15.01%、第2位イシダ5.86%、第3位CFSコーポレーション共栄会4.00%、第4位スルガ銀行3.74%という状況である。
また、CFSコーポレーションの役員構成を見ると、全取締役9名の中で、イオンの岡田社長も取締役相談役として名を連ねているが、今回の役員会では、1対8という大差でのアインファーマシーズとの経営統合の承認であり、イオンの意向に反する経営戦略の議案を撤回することができなかったといえ、これは、まさに、15.01%の出資比率が大きく影響したといえよう。
現在、イオンはドラックストア戦略としてはウェルシアグループをつくり、総年商では約6,000億円というマツモトキヨシの約3,500億円を上回る規模ではあるが、今回のCFSコーポレーションと同様の出資比率の低い緩やかな連携のグループとなっており、今後、今回のようなケースが各社で起こらないとはいえず、ウエルシアグループそのものの戦略、特に、各社への出資比率の見直しは必至であるといえ、イオンにとっても緩やかな連携という各社との関係を見なおす時期に来たといえよう。
各企業が業績が好調でお互いが伸びている時には、ゆるやかな連携は相乗効果をもたらし、絶大な効果を生むが、ひとたび、どちらか、あるいは双方が経営不振に落ちいった場合にはゆるやかな連携は裏目に出ることがあり、その時には、ゆるやかな連携を解消するか、逆に、思い切って、出資比率を引き上げ、1/3以上、1/2以上にいつでも踏み込む決断が待ったなしで必要となる。
今後、イオンとしては、CFSコーポレーションとアインファーマシ-ズとの経営統合を阻止するためには、すでに1対8で役員会で可決されたため、CFSコーポレーションの来るべき株主総会において、1/2以上の株主からの賛同を得ざるをえなくなり、委任状争奪戦を繰り広げるか、TOB等により、出資比率を引き上げるかの選択が迫られたといえ、イオンの次の一手が大きなポイントなろう。今後のイオンの動向に注目である。
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