完熟ミックスオ・レ、ファミマでカット、ショック!
ごく最近の体験談である。私の周辺にはコンビニエンスストアが近隣に2軒、ファミリーマートとセブンイレブンがあり、そして、その周辺にローソン4軒、am/pm1軒、2軒目のセブンイレブンがある。コンビニは何と8軒もある。特に、近隣の2軒のコンビニへの買い物頻度は高く、セブンイレブンではnanacoもつくり、仕事の行き帰り、犬の散歩の時などによく買い物をする。セブンイレブンは以前は少し自宅からは離れていたが、今年はじめに近くに移転したため、余計、買い物頻度があがっている。
ただ数ケ月前から異変がおき、なぜかファミリーマートでの買い物が増えはじめた。その理由はフルーツカルピス、完熟ミックスオ・レの出現である。カルピスの商品開発には依然から注目しており、新製品が出るたびに買っていたが、たまたま飲んだ完熟ミックスオ・レがおいしくて、気に入ってしまった。これがこの周辺のコンビニではファミリマートのみで販売しており、それまで、頻繁に買い物をしていたセブンイレンブンにはなく、その後、この商品を買うためにファミリーマートへゆくことが増え、ついでにその他の商品も買うというパターンが定着し、セブンイレブンでの買い物頻度がガクンと減り、nanacoのチャージ金額が減らない状況がつづいている。ここのところ、あらたなチャージをした記憶がない。
ところが、昨日、ファミリーマートへいったら、もちろん、完熟ミックスオ・レを買いにいったのだが、何とカットされ、そこにはTHE PREMIUM CALPISが入っており、がっかりした。THE PREMIUM CALPISにがっかりしたのではなく、完熟ミックスオ・レがなくなったことにがっかりした。この日はショックで何もかわずにファミリーマートを後にし、セブンイレブンには置いてないのはわかっているので、少し足を伸ばし、ローソン、am/pmへいったが、ここでにも置いてなく、昨日はあきらめて、すべてのコンビニで何も買わずに帰ってきた。
コンビニは売れ筋管理にもとづき、特に本部の売れ筋、店舗の売れ筋を全体客数で割って算出するPI値が主体での商品カットを行っていると思うが、もし、PPIを分析していたら、私のこのファミリーマートでの完熟ミックスオ・レのPPIは極めて高く、しかも、ついで買いの商品もあり、さらに来店頻度も高く、完熟ミックスオ・レは全体、あるいはこの店舗では死に筋だったかもしれないが、私個人では超売れ筋であり、果たしてこのファミリーマートがそのことがわかっていたら、本当にカットしただろうかと思う。
ファミリーマートがこの完熟ミックスオ・レをカットしたことにより、少なくとも私自身の来店頻度が落ち、ついで買いの購入商品の売上が落ち、結果的にこれまでよりも私個人の総売上におけるシェアが落ちたことは間違いないと思う。
それ以上に、何よりいちばんショックなのは、私自身がファミリーマートからカットされたような感覚となり、もう来なくてもよいよというメッセージを送られたように感じてしまったことである。よくいう、商品カットが顧客カットになった典型的な事例であり、私自身が完熟ミックスオ・レとともにファミリーマートからカットされてしまったような一瞬、そんな感覚となった。
ここでPI値とPPIの違いを再度確認しておくと、PI値は買上点数を全体客数で割って算出する顧客全体の支持率を表す指標であり、すべてのPOSで原則算出可能な指標である。PPIはこの顧客を細分化し、今回の事例でいえば、完熟ミックスオ・レを購入している顧客を分母にし、買上点数をこの細分化した客数で割って算出する指標である。この両者の関係はPI値=客数PI値×PPIで関係づけられ、客数PI値は細分化客数を全体客数で割って算出する。ちなみに、これにIDが加わると、この細分化された客数をさらに初回購買とリピート購買に分けることが可能となり、通常のPOS分析やレシート分析では不可能な分析、いままで決して見ることができなかった新たな世界が見えるようになる。意外に知られていない事実だがPI値とPPIは反比例することが多い。全体にとって正しいことは個人にとっては正しくないことが往々にしてあり、逆に個人にとって正しいことは全体では正しくないことがあるということである。
今後、おそらく、このPPI分析、特にIDを活用した分析は、POS分析の決め手となる分析手法となろう。今回のケースでは、さらに、私の個人のIDにまで踏み込めば、完熟ミックスオ・レのPPI、特にリピートPPIは極限に近い可能性が高く、しかも、それがキーとなって、私の来店頻度を引き上げ、その他の商品の売上アップにも貢献していただろうと思う。さらに、これらをファミリーマートが察知し、完熟ミックスオ・レ10本目ぐらいの購入から、私だけに10%offぐらいにしてくれたら、私自身の来店頻度はさらにあがり、私個人に占めるコンビニシェアはこのファミリーマートが極限の数字に近づいたのではないかと思う。
それにしても、まだ、敗戦のショックが続いている。しょうがいないので、これからミラベルかコモディイイダかサミット、生協等の食品スーパーマーケットに完熟ミックスオ・レをさがすための旅にでようと思う。今回はまさか、自分の自身にこのような災難がおきるとは思ってもいず、改めてPI値の限界を感じ、PPIの大切さを認識した1日であった。
(追伸)
完熟ミックスオ・レを見つけました。セブンイレブン、ローソン、am/pmにはなかったのですが、最近できた、盲点だった、少し自宅からは離れているサンクスにふと立ち寄ってみたところありました。何と4フェイスもとってあり、びっくりです。思わず、店員にこれ売れている?と聞いたところ、最近よく売れています、とのことで、他のコンビニにはないよ、といったところ、へえっていっていました。
今後、このサンクスへ通うことになりそうです。
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Comments
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おそらくPPIの活用の前段階として「お気に入り」をカットしないようにするというアプローチが始まるのではないかと感じています。
カードIDを使った個人データに頼らずに行なうとすれば、お気に入りの登録を店内でできるようにするというアプローチが考えられます。
WEBブラウザでは、当然のようについている「お気に入りの登録」という機能が、小売業にこそ必要な気がします。
お客様が商品のバーコードを「お気に入り」として店側に伝えるだけですから、システムや仕組みとしては非常にシンプルにできるはずです。
あるいは、そのシステムは、商品リクエストのシステムとしても使用できるかもしれません。他店に置いてあって、この店にも置いて欲しい商品をバーコードで知らせるという仕組みです。
このようなお客様からの情報がバイヤー側からみると非常に参考になる情報になるかと思われます。
上記は一例ですが、もっとお客様の情報が品揃えに反映する仕組みができるとありがたいなと感じています。
Posted by: niwadaiya | October 23, 2007 12:16 AM
コメントありがとうございます。
何とか、このような単品管理の弊害を改善したいと思います。やっと、関係先でもCRMがテーマのひとつとなってきましたので、PPIを、まず、商品の品揃えに徹底して活用していければと思います。
ただ、コンビニこそ、PPIは真っ先に活用して欲しいと思いますが、IDデータがまだ不十分ですので、当面は、難しいのかもしれません。セブンイレブンのnanacoのデータがどう活用されるか、興味があるところです。
Posted by: PI研 | October 22, 2007 08:39 PM
こんにちは。
私の場合は、ヤマザキのまるごとバナナで同じような現象が発生しました。
お気に入り商品がなくなるのは、つらいですね。
コンビニも、いつからかお客様の「お気に入り」を作るというアプローチを放棄してしまったように感じます。
「新商品」というアプローチは確かに瞬間的な売上には結びつくのですが、継続的な売上に結びつきませんから、品揃えへのアプローチ方法が変わってくると良いなと感じています。
Posted by: niwadaiya | October 22, 2007 05:52 PM