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October 23, 2007

POSデータの開示進む、メーカーの提案力が問われる!

   数週間前の日経だったと思うが、POSデータ開示の記事が載った。見出しは「食品POS情報、開示拡大」、「ライフコーポレーション、来月メド、近畿圏108店舗」、「売れ筋を共同分析」であった。ライフコーポレーションはすでに、首都圏のPOSデータを今年初めにメーカーへ開示しており、今回の記事は近畿圏でもこの10月をメドにPOSデータの開示がはじまるという内容である。すでに、首都圏では約150社のメーカーへの開示がされているといい、今回の近畿圏108店舗のPOSデータの開示で倍の約300社への開示がはじまるという。今回のライフコーポレーションのPOSデータの開示は、コープさっぽろが取り組んできたコープ宝箱の仕組みの導入であり、この仕組みは、ライフコーポレーション以外でも、沖縄のサンエーでもはじまっている。この仕組みにかかわらず、現在、様々な食品スーパーマーケットがPOSデータの開示に踏み切っており、今後、数年以内には公開される食品スーパーマーケットのPOSデータをもとに、メーカーとの間で、マーチャンダイジングの改善を前提とした新たなSCM(サプライ)、DCM(デマンド)の体制が構築されてくるものといえよう。

   さて、記事の内容であるが、まず、公開するPOSデータの商品数であるが、約2万から3万品の販売数量や販売価格の各店舗ごとの情報であるという。記事の中では客数が載っていなかったが、コープさっぽろでは客数も公開対象となっており、恐らく、ライフコーポレーションも客数は公開されていると思う。客数が公開されれば、金額PI値(客単価)=PI値×平均単価にもとづく、客単価2D分析が可能となるため、店舗間の売上の多寡にかかわらず、全チェーン店舗の客観的な分析が可能となるため、これらの指標をメーカーが活用すれば、さらに、マーチャンダイジングの提案力が増すと思われる。

   マーチャンダイジングはつきつめれば、顧客と商品との接点を押さえ、そのきづなをより、強固にすることが目的であり、その結果として、PI値があがり、平均単価があがり、金額PI値(客単価)か改善されてゆくものといえる。したがった、POS分析をするのであれば、客単価2D分析は不可欠であり、今後、メーカーもしっかり食品スーパーマーケットで活用しているPI値、金額PI値、さらには粗利PI値も研究することが、食品スーパーマーケットへのマーチャンダイジングの提案力を増してゆく早道であるといえよう。

   ちなみに、いずれ、POSの開示は時間の問題でID-POSデータの開示の時代になると思うが、その時は、ID-3D分析が基本となり、今後は、POSデータにIDがついたデータの分析もポイントとなるといえよう。POSデータとID-POSデータは単にデータ量が増えるだけでなく、質的な変化もあり、POSデータでは見えなかった新しい世界が見え、ここからマーチャンダイジングを再構築することも今後の大きな課題である。ライフコーポレーションもすでにポイントカードを導入しはじめたので、時間の問題といえよう。

   記事の中では、首都圏ですでに実施されたMD協議会についても言及しているが、1月からPOSデータを開示し、5月にはじめて開催したMD協議会では約20社からの提案があったという。そこには、市場との売上の差を分析するギャップ分析や、売上をカテゴリーで見るカテゴリー分析、店舗ばらつき分析など、これまでデータが膨大でライフコーポレーションが手を付けられなかった分析による提案が寄せられたという。
具体的にはカレーライフと称してメーカー側の提案にもとづいて、この8月に、カレーライスの関連品を割り引くなどの販促を実施し、同年同週の117%となるなど、効果も出始めたという。この9月の棚割りでも店舗の特性に合わせた価格帯をかえるなどの見直しも実施したという。ライフコーポレーションはこれを受け、現在、年2回のMD協議会の開催を年4回に増やす方向で検討しているという。

   このように年商4,000億円を越える日本最大級の売上を誇る食品スーパーマーケットであるライフコーポレーションがPOSデータの開示に本格的に動き始めたことにより、今後、食品スーパーマーケット各社のPOSデータの開示が進んでゆくものといえよう。メーカーとしてはまさにPOSデータを分析し、その結果にもとづく提案力が問われることとなり、今後は食品スーパーマーケット、メーカー一体となったPOSデータにもとづいた仮説検証が急激に日本全国で進んでゆくものといえよう。

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Comments

コメントありがとうございます。

 POSデータの公開は、先行した企業は何社かありましたが、主要な食品スーパーマーケットに広がりはじめたのは、まだ最近であり、その活用方法は試行錯誤が続いている状況かと思います。

 現在はマーチャンダイジングへの提案よりも、販促の提案の方が主な感じがします。ただ、POSデータは、その店舗ごとのデータであり、そのデータはその店舗の商品と顧客との関係を売上でとらえたものであるので、そのデータを活用すればするほど、個別対応になってゆくと思います。また、各店を集約したチェーン全体のPOSデータを見れば、各店の課題が浮き彫りにもなり、結果、提案は画一的な方向ではなく、その企業、その店舗に応じた千差万別な方向に向うのではなと思います。

 まして、今後、そこにIDデータが加わると将棋のように、定石はできてゆくでしょうが、勝負どころは、けっして同じ棋譜がないように、提案内容はそのチェーン、店舗向けとなってゆき、競合店では無意味な提案となり、逆に競合店の提案は自店には当てはまらないというようなものになってゆくのではと思います。

 また、データを商品のように顧客ではなく、メーカーに販売してしまっては、結果、商品の原価があがることになり、自分で自分の首を絞めることになります。本来データは共有して、活用し、需要を拡大し、その利益を分け合うというのが望ましい方向だと思いますので、販売するというよりも、結果責任を明確にし、結果が出た場合は、さらに原価を下げる、さらに販促にまわすなどに活用する仕組みをつくるべきかと思います。

いつも勉強させていただいております。

POSデータの吸い上げが簡単に出来るようになり、またPOS機器もデータを他のPCで加工することを前提とした作りになってきたのは喜ばしいことですね。こうした流れの中で、メーカーや卸に対してデータを提供してよりよい取引条件や販促企画を作り出そうという機運が盛り上がるのは良いことです。

でもちょっと疑問が・・・

卸やメーカーさんは複数の小売業と取引をしていますよね?ということは、メーカーさんは競合関係にある複数の企業のデータを手にすることができることになりますので、果たしてどういうスタンスで「提案」をすればいいのか、非常に大きな問題なのではないでしょうか。

また、どこも同じような提案ばかりで面白みの無い売場になってしまうような気もします。日本では、ウォルマートがやっているような「カテゴリーキャプテン」のような仕組みを取り入れるには、まだまだ時期尚早だと思いますし。

ぶっちゃけ、メーカーや卸から口銭を取るための新しい口実になっているのでは?というのは穿った見方でしょうか?

ご見解をお聞かせ頂ければ幸いです。

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