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October 24, 2007

ウォールマート、西友へのTOBはじまる!

   新聞各紙が既に報道しているように、10/22、ウォールマートの西友へのTOBが公表された。TOB期間が10/23から12/4までの30営業日であり、買付け価格は普通株式1株につき金140円である。この140円は、平成19 年10 月19日までの過去1 ヶ月間の東京証券取引所市場第一部における西友の終値の単純平均に対して60.6%のプレミアムを加えた金額であるという。ちなみに、10/22の西友の株価は前日比30円高の117円まで上昇し、7億7,381万4千株の買い注文を残してストップ高比例配分となった。当面140円近辺までは上昇すると思うが、明日以降の株価に注目である。

   ウォールマートの西友へのTOBは今回2段階で進んでゆく予定であるという。まず、今回のTOBで2/3以上の株式を取得することを目指し、これが実現した段階で、発行している全ての普通株式に全部取得条項を付すことを内容とする定款の一部変更を行い、当該全部取得条項付種類株式を全て取得するのと引き換えに別個の西友の普通株式を交付するという。ただ、この株式は、東京証券取引所その他の証券取引所への上場申請は行われない予定であるという。このようなプロセスで、今回、全株の取得を目指し、TOBの成立を目指すという。

   今回のウォールマートの西友へのTOBについては、ウォールマート、西友、双方がプレスリリースを出しているので、双方をまず、見比べてみたい。

   まず、TOBされる西友であるが、タイトルは「当社株式等に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ」というものであり、結論は「当社は、平成19 年10 月22 日開催の取締役会において、公開買付者による当社株券等に対する公開買付けについて賛同の意を表明することを決議いたしました。従って、当社は、本公開買付けに応募することを勧めます。」というものであり、TOBへの全面的な賛同を表明している。その背景には大きく2つのことがポイントになっているという。ひとつは、減損会計であり、これが2006年12月期から導入され、財務を圧迫し、厳しい決算となったことである。特に、今期は104億円の純損失が見込まれる財務状況である点であるという。そして、もう1点は2007年8月に格付投資情報センター(R&I)より、コマーシャルペーパー格付けを格下げする方向でレーティング・モニターの対象とする旨の通告を受けたことであるという。これが、単独での短期資金調達の選択肢を狭める結果となり、西友の事業の発展に好ましくない影響が生じつつあるとのことで、この2点が直接の要因となったという。それゆえ、ウォールマートのTOBにより、完全子会社となることが、西友の企業価値を向上し、顧客、従業員、西友グループの運営する店舗が属するコミュニティ及び取引先に長期的な利益をもたらすことを可能ならしめるうえで、最善の方策であると判断して、ウォールマートのTOBに賛同したという。

   一方、TOBを実施するウォールマートであるが、タイトルは「ウォルマート、西友の完全子会社化に向け公開買付け実施、日本市場へのコミットメントを改めて表明」というものであり、内容は、ウォールマートの副会長のマイク・デューク氏のコメントを引用して次のように述べている。「西友がウォルマートの完全子会社となることで、今後はマーチャンダイジング、店舗改装、物流、ロジスティックスなどの様々な分野においてこれまで以上に柔軟に投資が行えるようになります。また、西友の社員はこれらの業績向上への取り組みから恩恵を受けることができると考えています。さらに、西友のお取引先にもウォルマートが西友にコミットしていることを改めてご理解いただき、西友の強みおよび将来の成長見通しに対する信頼を高めていただくことになると考えています。」ということある。今回のTOBに関しては、今後、西友がウォルマートの完全子会社となり、ウォルマートの支援を全面的に享受することが最善の選択肢であるということで両社の見解は一致しているとのことである。

   それにしても、なぜ、西友は、この5年間スーパーセンターへシフトしなかったのであろうか。小売業の成長は新店開発以外になく、しかも競争力のある=顧客満足度の高い新店開発以外にないといえる。極論すれば、西友のGMSをスクラップし、これを次々にスーパーセンターに業態展開することが最も早い活性化の方法であったと思うが、なぜ、そのような戦略が打ち出されなかったのか疑問である。財務的な問題、立地開発の問題、システムの問題、物流の問題等当然あったと思うが、ウォールマートの総力をあげて取り組めば、けっしてできかったことではなかったと思う。今回、西友がウォールマート100%の完全子会社となるので、経営の刷新、戦略面の全面的な見直しもなされると思うが、今後、どのような新店戦略を打ち出すかがポイントであろう。ここしばらくは、TOBの行方に注目ではあるが、その後のウォールマートがどのような体制、どのような戦略で西友の活性化に臨むかが興味深いところである。   

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