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November 02, 2007

PLANT、2007年9月期、厳しい決算、今後は?

   PLANTが2007年9月期の決算結果を公表した。PLANTは決算が9月であるため、10月スタート、9月〆の決算期間であり、小売業界ではめずらしい決算月である。今期は、新潟中越沖地震の影響で2004年11月に新潟県2店舗目のPLANT-5刈羽店(5,000坪クラス)を9/20で閉めたため、その特別損失として、震災損失22.64億円(建物・構築物等の除却・災害損失の引当金等)が発生し、当期純利益が11.36億円の赤字となる厳しい決算となった。売上高は825.43億円(106.4%)、営業利益は2.5億円(昨年は赤字:売上対比0.30%)、経常利益は4.79億円(599.1%、売上対比0.58%)とプラスにはなったが、営業利益、経常利益ともに売上対比は0.数%であり、厳しい決算であり、来期以降の経営の抜本的な建て直しが急務である。

   PLANTは来期から、定款を一部変更し、不動産業を新たに追加し、新規出店戦略を見直す方針に切り替えた。これまでは新規出店に関しては、借入を行い、出店にかかわる資産を取得していた。今後は、10/31の日経MJで報じられているように、新規出店に関しては、資産の流動化をはかり、不動産ファンドに売却したり、不動産を信託し、投資家に販売したりするという。そのための定款の変更といえよう。

   PLANTは、次期、2008年9月期の業績予想を売上高846.00億円(102.5%)、営業利益5.74億円(128.9%、売上対比0.67%)、経常利益7.00億円(145.9%、売上対比0.82%)、当期純利益4.60億円(今期は赤字:売上対比0.54%)としている。今期の売上高は106.4%であったが、その背景には、2006年10月に福井県で3番目のスーパーセンターとなるPLANT-3清水店をオープンいたしたことにより、既存店は96.6%であったので、新店が寄与したといえよう。来期は102.5%の予想であるが、PLANT5刈羽店が9/20に閉店したので、まるまる1店舗の売上が減ることにより、既存店でカバーすることは難しく、それをカバーするには、新店によるプラスαが入っているものといえよう。

   実際、PLANTの今後の出店計画は、福島県、京都府、岡山県で工事を着工している3店舗の新規出店が2008年9月期にオープンの予定であるというので、順調に3店舗が早い段階でオープンできれば目標の102.5%は可能ではあるが、現状の厳しい消費状況、競合状況、そして、今期の財務状況を見ると、かなり厳しい状況にあるといえよう。そこで、今回の定款変更による不動産の流動化が生きてくることになる。

   その背景には、今期の財務状況が非常に厳しいことが上げられる。今期の自己資本比率は18.4%であり、この数字は、昨年の2006年度が21.6%、2005年度が25.5%、2004年度が30.0%であるので、この数年で大きく数字を下げている状況である。その要因は、負債面の主要項目である長短借入金が154.96億円(昨年153.89億円)と昨年と比べると大きく増加はしていないが、総資産に占める割合が48.8%となり、借入に大きく依存した事業構造となっており、このような借入に依存する新規出店構造は限界に近くなっており、今回の定款変更に繋がったといえよう。

   また、これを裏付けるように、資産面の主要項目である出店にかかわる資産を見てみると、建物90.65億円(昨年98.65億円)、構築物10.51億円(昨年12.35億円)、土地41.91億円(昨年41.91億円)、建設仮勘定26.34億円(昨年30.28億円)、敷金・保証金18.00億円(昨年15.65億円)と合計187.41億円(昨年198.84億円)と昨年と比べると若干減少してはいるが、総資産に占める割合は59.0%であり、単純に自己資本を差し引いても40.6%は負債、特に主要項目の借入に負っていることとなり、厳しい出店構造となっている。現在、PLANTは総店舗数が17店舗であるが、スーパーセンターの売上構成比が93.8%であるので、スーパーセンター13店舗での単純平均を算出すると1店舗当り14.4億円の出店にかかわる資産がかかっていることになり、郊外型への出店としては相当な出店コストであるといえよう。

   また、PLANT特有の資産である商品(在庫)も66.80億円と総資産の21.03%であり、食品スーパーマーケットでは多くとも5%前後と比較すると、在庫負担も大きく、これもスーパーセンターの13店舗で割った1店舗当りの単純平均は5.13億円となる。単純に今後、3店舗を出店した場合の総投資額を計算すると約60億円となり、これを借入でまかない、資産に計上すると財務バランスはさらに悪化することとなる。これらを解決するために、新規出店を不動産の流動化により、資産、借入を増やさず、財務の改善をはかることが今回の狙いといえよう。

   ちなみに、この決算発表後のPLANTの株価であるが、10/26は328円(前日比-1円)であったが、翌10/27は通常の10倍以上の12.7万株の大商いとなり、株価が一時は408円となる高騰を見せ、終値は378円(前日比+50円)となる異常値となった。その翌日は375円(前日比-3円)となり、やや落ち着いたが、ここ最近、異様な動きとなっており、混乱した株価である。

   このように、2007年9月期のPLANTの決算が明らかになったが、新潟中越沖地震の影響が大きく響き、当期純利益が赤字に転落する厳しい決算となった。ただ、この地震の影響を差し引いても、ここ数年の財務状況は借入依存度が極めて高くなり、自己資本比率もとうとう20%を切り、出店のための借入による資金調達が厳しい状況になりつつある。今回の定款変更により不動産業が追加されたことにより、資産の流動化をはかり、借入依存からの脱却をはかる新店戦略を打ち出すことができたが、これが成功するかどうかが、今後のPLNATの経営の鍵を握っているといえ、今期開業予定の新店3店舗、福島県、京都府、岡山県の進捗状況に注目である。
 
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November 2, 2007 in 経済・政治・国際 |

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