九九プラス、2008年3月期中間決算、連結、減収増益!
九九プラスが2008年度3月期の連結中間決算を11/13、公表した。売上高は626.31億円(97.8%)と減収となったが、営業利益6.66億円(119.2%:売上対比 1.06%)、経常利益5.72億円(103.1%:売上対比0.91%)、当期純利益1.75億円(150.6%:売上対比0.27%)と増益となった。ただ、売上対比は営業利益、経常利益ともに1%前後であり、依然として厳しい数字であるといえよう。九九プラスは子会社に九九プラス関西があるが、これを除いた、個別の中間決算では、売上高479.51億円(98.5%)営業利益4.59億円(96.2%:売上対比0.95%)、経常利益3.80億円(77.8%:売上対比0.79%)、当期純利益0.88億円(93.8%:0.18%)とさらに厳しい決算数値であり、特に、利益が厳しい状況であった。
2007年3月現在、九九プラスの大株主はNo.1が38.32%を保有するキョウデンであり、ついで、この3月に資本・業務提携をしたローソンの21.16%であり、この2社で議決権の過半数を超え、60%弱となり、この2社が経営を支配している状況である。したがって、この中間決算がローソンとの資本・業務提携後のはじめての中間決算であり、その成果はまだすぐにあらわれるとはいえないが、経営の方向性が問われることとなる重要な中間決算であるといえよう。今回の数字を見る限りでは、売上、利益ともに厳しい状況といえ、特に、個別は減収減益となり、さらに思い切った営業のテコ入れ、利益の改善が必要といえよう。
現在、ローソンとの業務提携の状況は、物流改善、商品力強化、新フライチャイズチェーンのパッケージ化が進んでいるという。物流面については、共同配送センター化を進めており、この9/1にドライ系の常温センターが野田で、11/1にはチルド系の物流センターが市川で稼働し始めたという。これにより、年間、約2億円のコスト改善が可能となるという。商品力強化については、ローソンストア100との共同開発商品に取り組み、加工食品や飲料など約40アイテムを投入し、年内にはさらに強化してゆくという。そして、新フランチャイズチェーンのパッケージ化については今期中に完成させ、来期にはスタートさせる計画であるという。現在、この3点が主な業務提携の主要項目となっているといい、いずれも、今期後半から来期にかけて成果が表れる内容であり、この中間決算ではまだ、具体的な成果とはなっていないようである。
この中間の連結決算の中身をもう少し、詳しく見てみたい。売上総利益は昨年の26.8%に対し、今期も26.8%であり、粗利面では昨年の数字を確保している。これに対し、販売費及び一般管理費は昨年が25.9%であり、今期は25.8%となり、0.1ポイント改善した。したがって、差引き、営業利益は昨年の0.9%から1.0%となり、連結では若干であるが営業利益が改善している。これを小数点第1位で計算すると110%ぐらいであるが、第2位まで計算すると120%近くの改善となり、これが売上が97.8%をカバーし、営業利益は119.2%となった。したがって、この中間期は店舗の大量閉鎖、新規出店の抑制もあり、売上は厳しい数字ではあったが、その分、粗利を確保し、経費を大きく削減し、営業利益を捻出するという経営改善であったといえよう。
一方、財務の方であるが、自己資本比率が36.8%と昨年の28.4%という危機的な状況からすると改善してはいるが、依然として厳しい状況であり、新規出店余力が自己資本では難しい状況が続いている。負債の主要項目である長短借入金の状況を見てみると、53.66億円(昨年54.36億円)と総資産の19.39%である。また、出店にかかわる資産であるが、九九プラスは土地を取得して、新規出店する業態ではなく、フランチャイズか物件を借入れて出店しており、土地は0である。したがって、建物及び構築物58.56億円(昨年66.01億円)と敷金・保証金32.60億円(昨年32.98億円)のみであり、合計91.16億円(昨年98.99億円)である。これは総資産の32.94%であり、自己資本比率36.8%で相殺されているといえる。ただ、九九プラスの場合は買掛金が89.81億円(昨年92.97億円)と、この負債が多く、これも出店にかかわる資産といえ、総資産の32.45%となり、この部分が自己資本比率向上の鍵を握っているといえる。通常の食品スーパーマーケットとは負債、出店にかかわる資産の状況が違い、借入金を借りに0にしても36.8%+19.39%=56.19%であるので、買掛金の削減も大きな財務改善の課題といえよう。
このように、この2008年3月期の九九プラスの中間決算はまだまだ、ローソンとの資本・業務提携の効果が表れる状況ではなく、提携前の大リストラの流れを受けての結果が出た形となり、粗利率を維持し、経費を削減し、売上の減少をカバーし、何とか営業利益を改善したが、まだまだ、売上対比1.06%であり、この数字を大きく改善してゆくには、やはり、既存店の活性化、新店開発により売上の改善をはかり、商品力強化、物流改善により、粗利を改善することが急務といえ、今後、ローソンの支援を受けての、これらの改善がどこまで浸透してゆくかがポイントであるといえよう。次の第3四半期、そして、今期の本決算の売上と粗利の数字がどこまで改善されるかに注目したい。
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