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November 13, 2007

原信、2008年3月期中間決算、増収減益の厳しい決算!

   原信が2008年3月期の中間決算を11/6、公表した。売上は105.9%と増収となったが、営業利益、経常利益、当期純利益ともに大きく減少し、減益となる厳しい決算となった。実際の数字は、売上558.56億円(105.9%)、営業利益17.38億円(80.3%:売上対比3.11%)、経常利益18.30億円(80.8%:売上対比3.27%)、当期純利益5.04億円(69.8%:売上対比0.90%)となり、大幅な減益といえよう。これについて、原信は、他社競合状況を見据えた販売政策や仕入価格の上昇に加え、店舗オペレーションにおける投入作業人時の増加や昨今の雇用情勢から人件費率が上昇したことが主な原因としている。また、当期純利益については、減損損失や新潟中越沖地震の損失が発生したための減益であるという。

   実際、今期の損益計算書を見てみると、売上総利益が昨年の27.9%から27.3%へと0.6ポイント減少しており、仕入原価の上昇が大きかったといえる。また、販売費および一般管理費が昨年の23.8%から24.2%と0.4ポイント上昇しており、差し引き、営業利益が昨年の4.1%から3.1%へと1.0ポイントと大幅に減少し、営業利益が大きく減少した。当期純利益に関しては、減損損失、地震損失等が発生しているが、昨年も同様に発生し、しかも、今期より多額であり、当期純利益が減少した原因は法人税等の調整額の差であるといえ、特別損失が昨年よりも増えた訳ではなく、法人税等の関係といえよう。

   これを受けて、原信の株価であるが、現在、厳しい株価となっている。原信の株価はこの数ケ月1,350円前後で安定した推移を示していたが、10/30、6万株以上の大量の売り注文が入り、前日比110円マイナスの1,195円となった。その後、1,200円前後で株価は小康状態となったが、この中間決算が公表された11/6から再び、株価は下落をはじめ、11/12は一時1,053円と年初来最安値をつけ、終値はやや値をもどしたが、1,102円となる厳しい株価が続いている。ただ、ここ数日は、アメリカのサブプライムローンの問題も深刻化しており、日経平均も大きく下がっているので、その影響もあると思われるが、今回の中間決算についての投資家の厳しい判断も影響しているといえよう。

   また、原信は原信とナルスに店舗管理が大きく分かれているが、それぞれの売上の状況をみると、原信は全店108.0%、既存店100.7%であったのに対し、ナルスは全店98.0%、既存店98.0%と厳しい状況であり、売上105.9%の伸び悩みはナルスの減収であったことがわかる。新店に関しても、原信は4月に原信桜新町店を出店しているが、ナルスは出店がなかったため、全店=既存店となっている。ただ、ナスルも、5月にナルス大島店を改装し、6月にはCGCグループに加盟し、原信同様、CGCブランドを販売しはじめており、既存店の活性化に力を入れている。

   一方、財務面であるが、来年秋には待望の新物流センターが新潟県上越市に完成の予定であり、これを含め、経営統合にともなう投資、新店の投資などに資金が必要となり、社債を含めた長短借入金が昨年の102.14億円から134.84億円と約30億円増加し、総資産に占める割合が28.0%となり、自己資本比率が昨年の44.3%から、42.6%へと若干下がっている。

   資産面に関しては、出店に加え、物流センター関連の資産もあり、これらの合計の資産は土地113.46億円(昨年106.77億円)、建物及び構築物110.37億円(昨年104.98億円)、敷金及び保証金46.58億円(昨年41.91億円)と合計270.41億円(昨年253.66億円)と昨年と比べ約20億円弱増加し、総資産に占める割合は56.34%となり、自己資本比率の42.6%を超え、借入金で賄う構造となっており、財務を圧迫しつつあるといえよう。これを総店舗数60店舗で割ると4.50億円であり、首都圏の食品スーパーマーケットと比べると、ほぼ平均に近く、マルエツ、ヤオコー等に近い数字である。

   このように、この中間決算の原信は増収減益の厳しい決算となり、営業利益、経常利益、当期純利益といずれも大幅な減益となった。特に、前期と比べ、原価と経費がともに上昇傾向にあり、営業利益をダブルで圧迫しており、利益が出しにくい構造となっているのが気になるところである。まずは、既存店の活性化が急務といえ、既存店の売上を上げることが固定費を下げ、経費を相対的に下げることにつながる。特に、ナルスの昨対割れが、全体への影響度が大きく、今後、ナスルの活性化が急務の課題といえよう。経営統合が着々と進む現在であるが、既存店の活性化が今後の鍵を握るといえ、原信、ナルス、特にナルスの既存店の今後の動向に注目したい。 

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