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November 06, 2007

大黒天物産、第1四半期決算、増収増益、怒濤の出店続く!

   大黒天物産が2008年5月期、第1四半期の決算を10/11公表した。大黒天物産は決算期が5月であるため、この第1四半期決算は6月から8月までの3ケ月間の決算数字である。売上高は152.18億円(128.1%)、営業利益5.47億円(103.0%、売上対比3.59%)、経常利益5.45億円(105.1%、売上対比3.58%)、当期純利益2.96億円(102.1%、売上対比1.94%)と増収増益の好決算であった。特に、売上が128.1%と食品スーパーマーケット業界No.1の伸び率となり、怒濤の出店が依然として続いている。

   売上が128.1%となった要因は、新規出店が大きく寄与しており、この第1四半期においても、8/9ラ・ムー津山店、7/19ラ・ムー松山西店、6/28ラ・ムー八幡店、6/7ラ・ムー此花店と4店舗を出店し、さらに、先月の9/20にはディオ松江東店を出店するというハイペースでの出店が続いているためである。その結果、現在、メガディスカウントランドのラ・ムー22店舗、スーパーディスカウントストアのディオ23店舗、生鮮市場ハッピィ2店舗、おかしいちば1店舗、バリュー100が1店舗の計49店舗となった。ただ、この9月度の売上速報を見ると、既存店は98.7%と4ケ月間の累計では97.0%であり、やや上向いてはいるものの、依然として昨対を割っており、既存店の活性化が課題といえよう。

   また、売上が128.1%に対し、利益は105%前後であり、利益が売上に追いついていない状況であり、利益面にも課題があるといえよう。その利益の状況を見てみると、売上総利益は昨年の22.3%から23.0%へと0.7ポイント改善しているが、販売費および一般管理費が昨年の17.8%から19.4%へと1.6ポイントと大幅に上昇しており、差引き、営業利益は、昨年の4.5%から3.6%へとダウンしており、売上128.1%の伸びで営業利益高を昨対103.0%へもっていった形である。経費の中身が公開されていないので、何が大幅に経費を上昇させた要因かはわからないが、この5月度の決算時の経費比率は18.7%であったので、これと比べても0.7ポイント上昇しており、急激な経費の増加であるといえよう。

   さらに、財務面でも自己資本比率が昨年の47.6%と昨年の57.3%と比べ約10ポイント下がっている。ただ、この決算時の5月度は46.5%であったので、1.1ポイント改善してはいるが、昨年と比べ約10ポイントダウンは気になるところである。その要因を見てみると、負債面の主要項目である長短借入金が43.19億円(昨年14.09億円)と大幅に増えており、総資産に占める割合が24.3%となり、昨年の10.98%と比べると2倍以上となったことである。これは、現在、怒濤の出店が続いているため、出店にかかわる資産である建物および構築物は56.55億円(昨年40.81億円)、土地16.74億円(昨年16.39億円)、差入保証金11.71億円(昨年9.59億円)と合計85.00億円(昨年66.79億円)と昨年と比べ約20億円弱増加し、総資産に占める割合が47.90%となり、自己資本比率の47.6%をわずかに越えた。これを決算時の全48店舗で割ると、1.77億円であり、1店舗当りの出店にかかわる資産は極めて低い数字ではあるが、昨年と比べると、急激に増加し、総資産内のシェアを高めているといえよう。

   これらの数字からみる限りでは、怒濤の出店は急激な成長をもたらしてはいるが、既存店の売上が伸び悩み、経費が急激に増加し、借入金が増え始め、出店にかかわる資産が大きく増加し、結果、自己資本比率を落とし、財務的にはバランスが崩れはじめているといえよう。これまでは借入に依存せずとも新規出店が充分に可能な財務状況であったが、この第1四半期の決算結果を見る限りでは、自己資本比率をわずかであるが、出店にかかわる資産が上回りはじめており、今後の急激な新規出店が財務的にはやや厳しくなりつつあるといえよう。まずは、急激に上昇した経費の見直しが急務であり、そのためにも既存店の活性化により、固定費を下げることが優先課題といえよう。

   ちなみに、大黒天物産のここ最近の株価であるが、この第1四半期決算を公表した10/11前後の株価は一旦上昇し、一時は965円まであがったが、その後はまた下がりはじめ、現在850円前後で推移している。ただ、大黒天物産の株価は8/31には年初来、上場来最安値となる800円をつけており、ほぼこの1年右下がりの傾向で株価が続いており、投資家は厳しい評価をしているといえよう。

    このように10/11に公表された大黒天物産の第1四半期の決算結果は増収増益とはなったが、大幅な増収に対して、利益が追いついておらず、かつ、財務的にも借入金が大幅に増加し、急激な新規出店により、出店にかかわる資産も増加し、自己資本比率も下がりはじめており、どこかで戦略的な見直しが必要な状況といえよう。実際、株価もここ数ケ月は底値で横ばいであるが、中長期的には急激に下がっており、株価を引きあげるためにも既存店の活性化に取り組み、収益の改善が急務であるように思える。今後の大黒天物産の既存店の動向に注目したい。

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November 6, 2007 in 経済・政治・国際 |

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