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November 11, 2007

顧客データからのマーチャンダイジングを考えてみる!

   ミクシーの新しいトピックを久しぶりに立ててみた。「ポイントカード、CRM、FSP、顧客データの活用について」というトピックである。現在、食品スーパーマーケット最新情報、ミクシー版は262人が入会しているが、共通の関心事をくくるトピックをつくることはなかなか難しいもので、いろいろ試行錯誤を繰り返している。今回はこれまで、あまり、発言のなかったトピックをばっさり切り、新たな試みとして、このトピックをつくってみた。これまで、あまり、ミクシーでは私も流れにまかせて発言をしてこなかったが、このトピックに関しては、私のクライアントも関心をもっており、また旬な内容でもあることから、積極的に発言をしてゆきたいと思う。

   ちょうど、先週のまぐまぐのコンサルティング、現場からのミニレポートの第56回目で「顧客分析について」を取りあげたが、その内容も踏まえて、ここでは、ミクシーの新トピック、「ポイントカード、CRM、FSP、顧客データの活用について」の問題提起も踏まえて、顧客データからのマーチャンダイジングを考えてみたい。

   顧客データを活用したマーチャンダイジングはまだ始まったばかりといえ、小売業もメーカーもまだまだしっかりと対応できていない状況といえる。その一方で、POSデータの開示はコープさっぽろの事例を出すまでもなく、各社が積極的に取り組み始め、大手食品スーパーマーケットでは対応していない企業はないくらい、ちょっとしたブームとなりつつあるといえる。ざっと、あげただけでも、サミット、コープさっぽろ、ライフコーポレーション、コープこうべ、サンエー、バロー、ユーコープなど目白押しといってよいくらい、ここ最近、急激に増えつつある。サミットに関しては、顧客ID付きPOSデータも開示しており、POSデータだけではなく、本ブログのテーマである顧客データを活用したマーチャンダイジングがはじまったといってよい。もちろん、これ以前には、セブンイレンブンのチームマーチャンダイジングはあまりに有名であり、いずれ、nanacoのデータもメーカーへ公開され、グループマーチャンダイジングへ発展してゆくものといえよう。その意味で、POSデータにもとづくマーチャンダイジングは新たな段階に入ったといえ、小売業内部で活用されていた段階から、メーカーとともに活用する段階に入り、さらに、その中身が単なるPOSデータから、ID付きPOSデータへとかわりつつあるといえよう。

   では、ID付きPOSデータ、すなわち、顧客データを活用したマーチャンダイジングとはまず何から手をつけるべきかを考えてみたい。この分野では、テスコがクラブカードで先行したため、顧客をグルーピングし、そのグルーピングした顧客へ何らかの購入金額に対しての+αの還元を提供することにより、来店頻度をあげる手法が一般化しつつある。ちょうど、食品スーパーマーケットが商品分類をまず、約10ぐらいの大分類をつくり、それぞれを約30から50ぐらいに分け、結果、300から500ぐらいの小分類で管理しているように、顧客もまず、10ぐらいに分け、それをさらに数10に分け、結果、数百の顧客群に分け、分類してゆく方法である。ただ、商品分類と根本的に違うのは、商品分類はほぼ一元的に分類でき、小分類間、大分類間共通の商品は用途分類を採用した場合は発生するが、これを別に集計すれば、ほぼ重ならずに分類が一元的に可能となる。

   ところが、顧客分類は、顧客の好みは千差万別であり、一元的にくくるのはかなり無理がある。そこで、テスコのようにクラスター分析をかけ、何とか意味のある顧客分類を導き出すことになるが、これは、実務としては至難の業であり、うまく分類できるかどうか、かなり難しいといえる。

   そこで、現状はとりあえず、通販で確立されたRFM(テスコはRFV)分析を基本に顧客をデシル、10段階に分け、このデシルを基本に顧客の実態をつかみ、デシル1の最優良顧客(店舗RFM貢献度最高)を維持、発展、そして、増加させるためにどんなアクションを起こすかが中心になりつつある。これはこれで、十分効果のある内容ではあるが、ことマーチャンダイジングという観点から見ると、どのように商品の品揃えが変わり、どのように売場が変わり、どのようにレイアウトが見直され、どのように販促が代わってゆくのかが、いまひとつ、イメージしにくいといえる。徐々にデシル1の方のための売り場に近づいてゆくのであろうが、果たしてそれで、マーチャンダイジングは改善されるかである。しかも、これに関しては、別段、単品データを必要とせず、通常のポイントカードさえ導入していれば、RFM分析にもとづくデシル分類は可能な話であり、ポイントカードの延長線上にある課題であるといえる。

   では、単品データにIDが付与され、さらに、レシートデータにもIDが付与された場合はたして何が可能であるのか、また、これまでのPOSデータと違い何が新たに付加されるのか、あるいは、どのような新たな展開につながるかについて考えてみたい。マーチャンダイジングとは直訳すれば商品政策であり、本来商品の分析から入るべきであると思うが、どうも、いまのCRMは顧客の分析から入りすぎてしまい、一歩間違えると、単品管理で陥った均衡縮小の品揃え同様、顧客の均衡縮小になりかねい危険があり、再度、IDと商品とがリンクした場合のマーチャンダイジングとは何かを明らかにする段階に入ってきたといえよう。

   この続きについては、ミクシーの新トピック「ポイントカード、CRM、FSP、顧客データの活用について」で議論を深めつつ、今後、本ブログでも、そのまとめとして、継続的にとりあげてゆきたい。まずは、「顧客データからのマーチャンダイジングを考えてみる!」の序章ということで、続きは乞うご期待!

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