家計調査データ、200711、昨対100.3%、わずかに増加!
12/28、今年最後の家計調査データ、2007年11月度が公表された。家計調査データは、毎月月末に先月のデータが公表されるため、現在、最新のデータは、この11月度のデータである。本ブログでは毎月取り上げているが、そのままのデータでは、食品スーパーマーケットの客単価と比較しづらいために、若干アレンジしている。主なアレンジは3点である。1点目は月間集計データを日別に変換し、1日当たりの消費額を算出している。これにより、ほぼ、食品スーパーマーケットの客単価と同じ数字となる。2つ目は客単価3D分析のノウハウを取り入れ、家計調査データを1世帯当たりの全購入世帯数の消費額と購入世帯数のみの消費額に分解し、その割合も算出している点である。これにより、全体の1世帯当りの1日の消費額が昨年より増えた場合、購入世帯のみの消費額が上がったのか、それとも、購入世帯の割合が増えたのかを分析することが可能となる。そして、3点目は、全体の食品の消費額を食品スーパーマーケットの取り扱い商品に合わせて集計している。家計調査データでは食料の中に外食が入っているので、本ブログでは外食を抜いた消費額を算出している。以上、大きく3点の修正を加え、食品スーパーマーケットの客単価と比較しやすいように工夫しているのが特徴である。
さて、最新の家計調査データ、2007年11月度の数字であるが、外食を除く食品全体では、1,962.13円(100.3%)とわずかではあるが、昨年を上回った。ちなみに、一昨年の2005年11月度は1,949.53円であったので、今年度比100.6%であり、微増ではあるが、この11月度はこの3年間上向きで推移している。その中でも最も伸び率の高かった部門は野菜・海藻の278.37円(105.1%、278.70(105.1%)、99.9%(100.0%))であり、105.1%の伸びである。大分類になるとほぼ、100%の世帯が月間1回以上は購入するので、購入世帯のみの数字もほぼ同じ278.7円であり、その割合も99.9%となるのがほとんどである。ただ、酒は117.87円(101.5%、184.80円(101.3%)、63.8%(100.1%))と購入世帯の割合が63.8%と唯一大分類で大きく100%を下回る部門であり、約40%の世帯では月に1回も酒を購入しないという数字となる。酒はその意味で独特なマーチャンダイジングが必要な商品群といえよう。
野菜・海藻についで、伸びた部門は、果物の105.37円(102.8%、111.88円(103.6%)、94.2%( 99.3%))であり、102.8%であった。これ以外では肉類の213.77円(101.8%、215.86円(101.6%)、99.0%(100.2%))、酒の101.5%、穀類の217.07円(101.4%、217.72円(99.7%)99.7%(99.9%))となる。逆に、伸び悩んだ部門は、魚介類の241.00円(96.9%、242.26円(96.7%)、99.5%(100.2%))と調理食品(惣菜)の264.63円(96.9%、266.12円(97.0%)、99.4%(99.9%))である。
さらに、商品に踏み込んでみると、消費額が10円以上で110%以上伸びているものは、清酒23.60円(110.3%、102.39円(106.7%)、23.1%(103.3%))とせんべいの14.63円(113.4%、26.51円(109.7%)、55.2%(103.4%))のみである。清酒は購入世帯の割合はわずか23.1%であるが、購入世帯の消費額も、購入世帯の割合も106.7%、103.3%と伸びており、バランスの良い伸びであり、今後、注目である。せんべいもこの11月よく消費額が伸びているが、購入世帯の割合よりも、購入世帯のみの消費額が109.7%と伸びており、恐らく、値上げなどによる平均単価の上昇が消費額を押し上げたのではないかと推測される。
また、全体の消費額を5円まで下げて見ると、キャベツ5.47円(122.4%、7.77円(120.6%)、70.4%(101.5%))、ほうれんそう7.30円(114.7%、11.08円(113.2%)、65.9%(101.3%))、はくさい5.87円(129.4%、8.42円(120.5%)、69.7%(107.4%))、ねぎ9.57円(115.7%、13.12円(113.4%)、72.9%(102.0%))、だいこん6.20円(128.3%、8.95円(119.7%)、69.3%(107.2%))、きゅうり7.03円(114.1%、10.53円(120.5%)、66.8%(94.7%))、乾燥ス-プ7.87円(110.3%、17.51円(108.0%)、44.9%(102.1%))、炭酸飲料5.20円(116.4%、19.29円(110.6%)、27.0%(105.3%))などがピックアップされる。これを見ると、野菜、果物が圧倒的に多いのが特徴であり、その内訳も購入世帯の割合よりも、購入世帯のみの消費額が増えているといえ、菓子同様、平均単価、相場の上昇が消費額を押し上げたといえよう。
これに対して、全体の消費額が5円以上で90%以下となった厳しい商品を見てみると、塩さけの5.93円(84.8%、23.06円(86.9%)、25.7%(97.6%))のみであるが、確かに厳しい数字といえよう。これについで、全体の消費額が5円以下で80%となった主な商品を見てみると、しらす干し3.97えん(87.5%、14.24円(90.0% )、27.9%(97.2%))、ウイスキー3.00円(82.6%、107.53円(97.4%)、2.8%(84.8%))、粉ミルク2.37円(78.9%、78.37円(92.5%)、3.0%(85.3%))、カステラ2.10円(84.0%、20.21円(94.2%)、10.4%(89.2%)等である。
このように、この11月度の家計調査データは全体では微増であり、消費額を押し上げた要因は野菜・海藻、果物であり、これらは個々の商品を見ても、のきなみ2桁の伸びである。ただ、購入世帯の割合があまり増えていないことから、恐らく、相場高の影響により、購入世帯のみの消費額が伸びたと推測され、相場が落ち着いた時の反動に注意が必要といえよう。また、菓子も同様な傾向が出ているが、これは値上げの影響ともとれるので、来月以降、そして、来年度前半は菓子に加え、乳卵類、油脂・調味料、穀類、飲料等の動向が気になるところである。来年1月の月末に公表される12月度、2月末に公表される1月度の家計調査データに注目したい。
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