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January 04, 2008

ハローズ、2008年2月期、第3四半期決算、増収増益の好決算!

   食品スーパーマーケットの2008年度の第3四半期の公表がはじまり、年末から年始にかけて2月度決算企業の公表があいついでいる。来週から再来週にかけてピークとなるものと予想されるが、今期はここ最近株価も上昇ぎみのハローズについて見てみたい。ハローズは現在、広島に19店舗、岡山に16店舗の合計35店舗を展開している食品スーパーマーケットである。この第3四半期決算の概要は、売上高423.11億円(109.6%)、営業利益14.47億円(116.3%:売上対比3.41%)、経常利益14.36億円(116.6%:売上対比3.39%)、当期純利益7.75億円(119.1%:売上対比1.83%)と大幅な増収増益となる好決算であった。特に利益が2桁以上で伸びており、好調な決算であったといえよう。

   利益が2桁以上で伸びた要因であるが、売上総利益は昨年同様23.1%と変わらなかったが、不動産、センターフィーなどの営業収入が昨年の2.1%から2.3%へと0.2ポイント改善し、営業総利益が昨年の25.2%から25.5%へと伸びたことが大きい。販売費及び一般管理費は昨年より0.1ポイント上昇し、22.1%となったが、差し引き、営業利益は昨年の3.2%から3.4%へと0.2ポイント改善したことが好調な増益となったといえる。ハローズは
現在、NSC(近隣型ショッピングセンター)への積極的な出店と、センター化による物流効率化に取り組んでいるが、これらが、営業収入に加え、売上げをも押し上げた要因といえよう。

   ハローズのNSC化への取り組みであるが、ハローズは現在、NSCを2つのタイプに分けて取り組んでいる。450坪型と600坪型である。年商規模はそれぞれ、約18億円、約20億円となり、600坪型の方がより郊外での出店となり、その分駐車場等が多くなり、敷地面積が450坪型の2,000坪から10,000坪に対し、600坪型は4,000坪から10,000坪と一回り大きい。したがって、土地を含まない平均投資金額が450坪型が3.8億円に対し、600坪型は5.6億円となる。

   この2つのタイプを駆使し、広島と岡山にドミナント展開を積極的にはかっている。その結果、600坪以上の店舗の売上構成比が40%以上となり、平均店舗面積も今期の決算では500坪を超えると予想される。また、最近では、NSCの出店方式も以前の建物賃貸型から、土地転貸型、そして、デベロッパーを活用した土地の転々借型へと発展しており、これも投資コストを削減し、キャッシュフローの改善につながっている。また、物流センターについても、この4月には冷凍物流センターが稼働しており、これまでは各ベンダーから35店舗へ配送していた冷凍物流がセンターへ一本化されたため、冷凍物流の効率化がはかれ、人件費等の経費削減、商流利益の改善、センター収益が上がるなどの改善が進んだ。これらの結果、営業収入がアップしたものといえよう。

   さらに、商品構成も店舗の大型化とともに変化しつつあり、生鮮・惣菜の構成比を見ると、惣菜の伸びが徐々に上がっており、この第3四半期では10.9%となり、生鮮No.1の精肉の11.0%とほぼ並び、店舗を牽引する商品となりつつある。青果10.3%、鮮魚7.8%であるので、近い将来、惣菜が生鮮3品を抜き、No.1となるのは時間の問題といえよう。また、酒の構成比もあがっており、この2月期の本決算時は6.1%であったが、第3四半期決算では6.4%となったのも特徴である。

   商品戦略については、ハローズは35店舗という小規模ではあるが、PBにも積極的に取り組んでいる。ハローズのPBのスローガンは「NBと同品質で、価格は3割安く、値入率は30%以上」であり、現在、売上構成比は6%を超えつつあり、粗利貢献度も徐々に成果がではじめている。中間決算時の相乗積を見ると、特にPB比率の高い一般食品が昨年の2.5%から2.8%へと0.3ポイント相乗積(粗利構成比)を引き上げており、デイリーも昨年の4.5%から4.7%へと0.2ポイント相乗積を引き上げている。ちなみに、相乗積No.1は惣菜とデイリーの4.7%であり、ついで、精肉の3.0%、一般食品の2.8%、鮮魚の2.3%となる。生鮮食品を除けば、デイリーと一般食品へのPBへの取り組みが、相乗積を引き上げるポイントであることがわかり、ハローズはまさに狙い通りのPBの効果がではじめたといえよう。

   ただ、若干気になるのは、自己資本比率が好調な決算が続いているが、依然として40.1%と低めである点である。昨年の38.9%よりは改善しているが、2月の本決算時の41.4%よりは若干下がっている点である。その要因を負債と資産の両面から見てみると、負債の主要項目である長短借入金が55.87億円(昨年53.35億円)と総資産の25.96%である。これに対して、資産の主要項目である出店にかかわる資産である土地、建物、差入敷金保証金は143.65億円(昨年127.47億円)と総資産の66.77%となり、自己資本比率40.1%ではカバーできず、長短借入金の25.96%で補っている構図となっており、借り入れに依存した新規出店構造となっている点である。ちなみに、これを35店舗で割ると、4.10億円となる。

   このように、この第3四半期のハローズの決算は増収増益、特に利益が大きく伸び、好決算であった。ここ最近ハローズが取り組んできたNSCへの業態転換、物流の効率化、PB戦略の推進等が功を奏しはじめており、決算内容に確実に反映されつつある。今後は、この好調な決算をもとに、自己資本比率をいかに引き上げ、借入に依存しない自己資本内での新規出店体制をつくることが、安定成長を達成するための当面の経営課題といえ、50%から60%へ自己資本比率をひきあげてゆけるかがポイントであろう。今後のハローズの財務改善にも注目したい。

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January 4, 2008 in 経済・政治・国際 |

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