大黒天物産、2008年5月期中間、増収減益、厳しい決算!
大黒天物産が2008年5月期の中間決算を1/17、公表した。売上高305.17億円(125.2%)、営業利益9.30億円(89.3%:売上対比3.0%)、経常利益9.02億円(86.4%:売上対比2.6%)、当期純利益4.70億円(83%:売上対比1.5%)と増収減益の厳しい決算となった。売上は125.2%と大きく伸びているが、営業利益、経常利益、当期純利益ともに2桁のダウンであり、積極的な新店開発による高成長が高収益に結び付かず、今後、経営戦略の修正が必要といえよう。ちなみに、昨年10/11に公表された第1四半期決算数字は、売上高152.18億円(128.1%)、営業利益5.47億円(103.0%:売上対比3.6%)、経常利益5.45 億円(105.1%:売上対比3.9%)、当期純利益2.96億円(102.1%:売上対比1.9%)と増収増益であり、堅調な決算であったことから、この中間決算はかなり厳しい収益の圧迫となったといえる。
これを受けて、大黒天物産の1/18の株価は640円(-14円、-2.14%)となり、1/16につけた上場来最安値624円近辺となる厳しい株価が続いている。大黒天物産の株価は、第1四半期の増収増益の堅調な決算が公表された10月中旬は950円前後まで上昇し、一時は1,000円を伺う様相を呈していたが、その後、株価は反転、急激に下降を続け、11月に入ると850円を割り込み、12月に入ると800円を割り、今年に入り、とうとう700円を割り込んでしまった。その後も株価は安定せず、1/16、650円を下回り、上場来最安値となる624円をつけた。現在、650円前後でもみ合っているが、今後の株価がどの辺で落ち着くか予断を許さない状況といえよう。
大黒天物産もこの株価の下げを止めるべく、ここ最近、自社株買いを積極的に行っており、1/17、自己株式の取得に係る事項の決定に関するお知らせを公表し、200,000株(1.4%)、240,000,000円を上限とする自社株買いを4/30までに東京証券取引所で実施するという。同様な自社株買いは、12/4、9/4にも公表しており、1/17現在、14,375,000株(自己株式数 118,800株)という状況である。
なお、通期予想は売上高632.77億円(120.5%)、営業利益27.19億円(112.9%:売上対比4.3%)、経常利益26.80億円(111.3%:売上対比4.2%)、当期純利益13.24億円(106.3%:売上対比2.1%)と増収増益の予想であるが、この中間期との差が大きい。これについて、大黒天物産はこの見通しを変えなかった理由として、前期に、新規出店した7店舗に加え、既存店のリニューアルが7店舗あったが、その経費を前倒しで計上したため営業利益が大きく下がったが、後期は既存店が好調であり、また、新規出店を予定していた3店舗を取りやめ、既存店の活性化に注力することにより、可能であるとしている。実際、ここ最近の大黒天物産の既存店の売上は10月97.4%、11月101.8%、12月99.6%と昨対をクリアーする月もあり、ひところの95%前後と比べると上向きで推移しており、今後、既存店がどこまで回復するかが、通期予想達成の鍵を握っているといえよう。
今後、これまで続けてきた怒涛の出店戦略が見直され、既存店の活性化に注力する体制がしばらく続くことになるが、現時点の新規出店にかかわる資産と自己資本比率とのバランスを見てみると、まず、自己資本比率であるが、47.7%と昨年5月の本決算時の46.8%よりは約1ポイント上昇しているが、昨年の中間期の決算時の53.6%と比べると約6ポイント下がっている。負債の主要項目である長短借入金は40.97億円(昨年24.30億円)と約17億円弱増えており、総資産に占める割合は22.3%となった。一方、出店にかかわる資産である土地、建物、差入保証金の合計は90.71億円(昨年80.25億円)と約10億円増加しており、総資産の49.4%であり、ほぼ自己資本比率の47.7%とイコールであるので、借入金に依存した新規出店構造とはいえず、ぎりぎりバランスがとれている構造である。ただ、借入金が増えつつあり、これ以上、出店にかかわる資産が増えつづけると財務バランスを崩しかねないので、今回の新規出店抑制、既存店の活性化に注力する経営戦略の転換は適切なタイミングといえよう。
一方、営業利益の方であるが、売上総利益が昨年の23.1%から22.8%へと0.3ポイントダウンしており、いわゆる粗利が下がっており、競争の厳しさを反映した結果となった。販売費及び一般管理費は昨年の18.8%から19.8%へと1.0ポイント上昇しており、ダブルで営業利益を下げており、結果、差し引き、営業利益は昨年の4.3%から3.0%へと1.3ポイントダウンするという厳しい結果となった。
このように、大黒天物産は5月が決算月であるため、この時期がちょうど中間決算の公表の時期となるが、増収減益の厳しい決算となり、これまでの成長路線を見直さざるをえなくなり、今期の新規出店3店舗を見直し、既存店の活性化に注力する経営戦略の見直しに着手した。これを受ける形で、株価も下げ止まらず、この1/16には上場来最安値を更新するなど、投資家も厳しい目で見ており、今期決算予想が予想どおり増収増益となるかが微妙な状況といえよう。次の、決算短信の公表は第3四半期となり、4月中旬となる予定であるが、どのような決算数字になるかが注目といえよう。来週以降の大黒天物産の株価にも注目である。
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