セブン&アイ・H、2008年2月期、第3四半期、増収減益!
1/10、セブン&アイ・ホールディングスが2008年2月期、第3四半期の連結決算を公表した。結果は増収減益となる厳しい決算内容であった。営業収益4兆2,559.73億円(108.1%)、営業利益 2,090.94億円(98.1%:営業収益比4.9%)、経常利益 2,082.60億円(98.9%:営業収益比4.9%)、当期純利益1,022.86 億円(97.6%:営業収益比2.4%)となり、営業収益は順調に推移したが、営業利益、経常利益、当期純利益すべてが、わずかではあるが減益となる厳しい決算であった。なお、通期についても、営業収益5兆7,440.00億円(107.6%)、営業利益2,800.00億円(97.6%)、経常利益2,770.00億円(98.2%)、当期純利益1,270.00億円(95.2%)と増収減益予想であり、今期は厳しい決算となりそうである。
この結果について、セブン&アイ・ホールディングスは増益要因についてはヨークベニマルとロフトに加え、この第3 四半期より赤ちゃん本舗が新たに連結対象となったことが大きかったという。また、問題の減益要因については、「フードサービス事業の業績が引き続き厳しいまま推移したことに加え、国内のコンビニエンスストア事業と金融関連事業における電子マネー「nanaco(ナナコ)」導入などの先行投資による費用の発生や、米国コンビニエンスストア事業において前年同期のガソリン荒利額の反動から一時的に収益性が悪化したこと」にあるという。さらに、当期純利益については、「特別損失における会計基準変更への早期適用に伴う商品券回収引当金繰入額の計上などにより1,022 億8 千6 百万円(同2.4%減)」が計上されたことが要因であるという。
セブン&アイ・ホールディングスの事業区分は現在、コンビニエンス事業、スーパーストア事業、百貨店事業、フードサービス事業、金融関連事業、その他事業の6つに別けているが、問題の営業利益を見ると、フードサービス事業が32.30億円の赤字となり、金融関連事業も15.3%の減益、売上構成比で40%強を占めるコンビニエンス事業も4.1%の減益となっている。営業利益で好調な事業は、スーパーストア事業の142.1%と売上構成比は0.58%しかないが、その他の事業の235.5%であり、スーパーストア事業が今期は最も全体に貢献した結果となった。スーパーストア事業の中にはイトーヨーカ堂のGMS、食品スーパーマーケットのヨークベニマル、ヨークマート等が中核であり、食品スーパーマーケットが好調であったといえよう。
また、コンビニエンスストア事業の内容であるが、アメリカ、カナダ等の北米の営業収益が圧倒的に高く、この第3四半期では北米が1兆4,131.32億円であり、合計が1兆8,182.43円であるので、こと営業収益で見ると、北米比率が約80%弱となり、営業収益では北米が圧倒している。また、セブン&アイ・ホールディングス連結の約35%弱となり、北米の経営のインパックトは大きいといえ、今期、その北米のコンビニエンスストア事業の営業利益が昨年の319.85億円から275.65億円と約15%近い減益となったことがコンビニエンス事業の減益につながったといえよう。ただし、営業利益で見ると、コンビニエンスストア事業全体は1,587.69億円であるので、営業利益の北米の構成比は約17%であり、営業利益は日本のセブンイレブンが圧倒的な利益を稼ぎ出している。
これは日本とアメリカのコンビニエンスストア事業の計上の違いにあり、日本の場合はFCが大半を占めているため加盟店からの収入が大半を占めるが、北米の場合は直営も多いためか、新たに売上高が加わるためである。日本と北米の営業収入に占める売上高の比率は、平成17年のIYG Holding Companyを連結した時のセブンイレブン単体の数字を見ると、約30%であるが、北米はほぼ100%近くとなり、北米は加盟店収入以外の売上が圧倒的に高い結果となるためである。ただ、当然、販売費及び一般管理費が加わるため、当時の営業利益はIYG Holding Company連結前は34.7%の営業利益であったが、連結後は11.0%となり、損益構造が大きく構造変化している。今期、第3四半期のコンビニエンスストア事業部も詳細な数字は公表していないが、同様な決算構造であると思われる。
さて、これを受けて、自己資本比率であるが、昨年の49.6%に対し、今期も同様49.6%であり、変化はなかった。総資産も純資産もほぼ同率で増加しており、財務、構造は減益幅が小さかった分、大きな変化はなかったといえよう。ちなみに、セブン&アイ・ホールディングスの現在の長短借入金であるが、社債等を含め7,837.11億円(昨年7,645.71億円)と若干増えており、総資産に占める割合は19.96%である。また、出店にかかわる資産である土地、建物、長期差入保証金を見ると、合計1兆5,810.19億円(昨年1兆5,823.31億円)とほぼ昨年と同額であり、総資産に占める割合は40.2%であり、自己資本49.6%の範囲内での出店にかかわる資産となり、借り入れに依存しない構造となっているといえる。現在、セブン&アイ・ホールディングスは国内約13,000店舗、北米約6000店舗であるので、合計19000店舗で出店にかかわる資産を割ってみると、0.8億円となる。セブンイレブンの店舗数多いために1億円を切る出店にかかわる資産となる。
このように、この第3四半期は増収減益となる厳しい決算となり、通期予想も同様の増収減益となる予想であるが、財務内容は大きな変化がなく、影響は見られない。また、減益となった要因もフードサービス事業以外のコンビニエンス事業は北米のガソリンの問題、nanacoの先行投資の費用と明確である。逆に、スーパーストア事業は食品スーパーマーケットが好調であり、全体を牽引していることからも、今後の課題はフードサービス事業に絞られえたともいえ、来期、フードサービス事業をどう立て直すかに注目である。
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