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January 17, 2008

日経MJ、1/16、営業現場でPOS分析の記事掲載!

   1/16、日経MJで「営業現場でPOS分析」、「日本アクセス、競合店の売れ筋など、食品売り場提案」という記事が載った。内容は、日本アクセスが今春に食品スーパーマーケットへの営業でPOS分析を本格導入するとのことで、約800人の全営業社員にPOS分析手法を学ばせ、食品スーパーマーケットへの売れる売り場づくりを提案するという。その背景には、値上げで、人気商品の入れ替わりが激しくなることもあり、経験や勘に頼らない数字に基づいた提案力が不可欠と判断したということにあるという。

   現在、日本アクセスでは約30社の取引先の食品スーパーマーケットからのPOSデータがあり、このPOSデータをもとに売れ筋商品のランキング、時期・店舗立地による変動、売れやすい価格設定など基本的な分析手法を全国40支店の日本アクセスの全営業社員に順次教えてゆくという。現場ではこのPOS分析に加え、顧客属性、買い方の特徴、競合店の品揃えなど担当店舗の地域性を加味し、売場づくりに活かすという。特に、今月出荷分から日清食品などが値上げした即席麺、商品数が多く、売れ筋の入れ替わりが激しい菓子、中小メーカーが多く売れ筋を把握するのが難しい豆腐、納豆などの売り場で効果が出るとみているという。

   大枠、上記のような記事内容であるが、今回の日本アクセスのPOS分析のポイントは、2つあるといえよう。ひとつは、取引先の約30社のチェーンのPOSデータを集約してランキングを算出し、売れ筋を確実に、しかもタイムリーに提案してゆくことであろう。そのチェーンだけの売れ筋を分析していては、その地域で売れている、記事では競合店の売れ筋といっているが、これが漏れてしまい、チャンスロスが改善されないことから、この商品をも売れ筋として提案してゆくことである。恐らく、本ブログでも毎週取り上げているが、日経MJの新製品ランキングに近い内容を各カテゴリーごとに約30社のチェーンストアのPOSデータからランキングを算出し、提案に活かしてゆくのではないかと思う。日経MJのように金額PI値、PI値、平均単価、カバー率(客数PI値)が使われるのではないかと予想される。

   そして、もうひとつのポイントは現場で営業社員がパソコンで食品スーパーマーケットの担当者にデータを見せながら売り場づくりを行うことである。記事の中でも言及しているが、多くの卸では本社の専門部署、別会社などが分析を担当しているため、営業現場とかけ離れた分析となることもあったという。今回の仕組みは、その弊害をなくすために、食品スーパーマーケットの現場でデータが確認でき、直接、日本アクセスの営業担当が食品スーパーマーケットの売場担当者、店長、バイヤー等に売場づくりの提案をする点である。したがって、それを集約し、成功事例を共有する仕組みもつくるという。

   現在、食品スーパーマーケットの売り場では何が問題かというと、自店のPOSデータはストコンをたたけば、すぐに見ることが可能であるが、そのデータをもとに売り場を改善した場合、基本的に自分の経験=過去のデータからしか仮説をつくることができず、自分の世界に入ってしまい、顧客の本当に求めているニーズとずれた売場を作ってしまうことが多いことである。それを修正するのがバイヤーからの指示であり、店舗運営部からの指導であるが、データから現場が判断するというよりも、先に結論があり、指示通りの売場をつくってしまいがちとなり、バイヤーが考えた売場づくりの意図、店舗運営部の指導が十分に理解されないことが多いのが実態といえよう。理想的には売場で全店のデータが閲覧でき、自分の店舗のポジションが明確になり、自分の経験を超える事例をデータで確認できることであるが、なかなか売場で全店のデータや自店のポジションをデータで確認できるまでにはいっていない場合が多いといえる。

   その意味で、今回の日本アクセスのPOS分析を自店を含む30社のチェーンストアのランキングを現場でみることができることは、チェーンストアの各売り場担当者にとっては実践的で自社内のPOS分析を補完する有効なPOS分析データとなる可能性が高いといえよう。また、現場で成功事例が全国で生まれ、それが共有され、各チェーンストアに提案されていけば、各チェーンストアにとっても実践的で効果の高い仮説を導入できるようになり、本部の提案を補強、場合によっては覆すことも起こると思うが、より、店舗の実態にあった売場となってゆくことにもなろう。

   このように今回の日経MJの記事は、これまでのチェーンストア内のPOS分析から日本アクセスが主体となった主要30社の取引先のPOSデータをもとにした売場提案が可能となり、機能すれば有効な提案となろう。特に、この30チェーンは自社のPOSデータを加味した他のチェーンのPOSデータをも参考にした現場での提案が可能になるとのことである。POS分析が本部主導型から、事実上、現場主導型に活用されてゆく新たな動きといえ、来春以降の日本アクセスの営業担当者が実際のチェーンストアの売り場でどのような提案をするかに注目したい。

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