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January 05, 2008

相乗積のケーススタディ、ハローズのPB戦略を見る!

   前回に引き続き、ハローズを取り上げてみたい。前回のブログではハローズの2008年2月期の第3四半期決算の速報を取り上げた。その中で、ハローズのPB戦略について言及したが、ハローズはそのPBの効果測定に相乗積をうまく活用しており、相乗積を実践的に理解する上において、参考になるケーススタディといえ、再度、ここではその相乗積に焦点を当てて取り上げてみたい。

   ハローズは前回のブログでも言及したが、PB戦略のスローガンを「NBと同品質で、価格は3割安く、値入率は30%以上」としている。この第3四半期の最新の売上総利益は23.1%であり、2007年2月期の決算時は23.4%、相乗積でのPBの効果測定を公表した中間決算時では23.0%、一昨年の中間決算時が22.7%、その時の2006年2月期が23.4%でる。したがって、中間決算時での昨対は0.3ポイント粗利率が改善されているが、2006年2月期と比べると0.4ポイント下がっているのが気になるところである。が、この中間決算時点から次の2007年2月期には0.4ポイント改善し、直近の第3四半期では、0.4ポイント下がってはいるが、中間決算時と比べると0.1ポイント改善しており、年末年始等の異常値が入る本決算時を除けば、若干ではあるが、粗利率が改善されつつあるといえよう。

   特に、今回取り上げる、中間決算時の粗利率は昨年と比べ、0.3ポイント改善されており、その要因を相乗積をもとに分析しておくことは重要なことであり、今後のPB戦略の方向性を決めることにもなる。そこで、ここでは、この中間決算時の相乗積の活用事例を見ながら、相乗積の実践的な活用方法を考えてみたい。

   まず、ハローズの相乗積の算出方法であるが、すでに、本ブログでも相乗積については取り上げたが、相乗積とは、粗利構成比のことであり、売上構成比×粗利率で算出する指標のことである。売上構成比は対象商品(群)の売上高÷全体の売上高、粗利率は対象商品(群)の粗利高÷対象商品(群)の売上高となるので、双方を掛け合わせると、対象商品(群)の粗利高÷全体の売上高となるので、まさに粗利構成比となる。したがって、構成比どうしは分母が同じ全体の売上高となるので、相乗積は単純に足せば、その足した商品(群)の粗利率となるという特徴があり、これを活用して、粗利構造の違う商品間の粗利率を簡単に計算することが可能となる。

   ちなみに、相乗積をどう表現するかであるが、一般的には売上構成比が10%、粗利率が20%の場合は、10%×20%で200と表現されることが多いが、その本質が粗利構成比であることを考えれば、10%の20%で2%とダイレクトに表現した方が、実はわかりやすい。これと20%で10%の1%の相乗積の商品(群)を足せば、2%+1%で3%の粗利構成比となるので、200よりも、2%の方が実践的といえよう。ハローズのケースもこれと同様、相乗積は%で表現し、より実践的な活用をしているのが実態である。

   さて、そのハローズの中間決算時の相乗積の実態であるが、ハローズは食品スーパーマーケットの商品構成を大きく10部門に分けているので、その相乗積を昨年の中間決算と比較してみると、次のような数字となる。青果±0%(今年中間1.7%、昨年中間1.7%)、鮮魚±0%(2.3%、2.3%)、惣菜+0.1%(4.7%、4.6%)、精肉-0.2%(3.0%、3.2%)、一般食品+0.3%(2.8%、2.5%)、デイリー+0.2%(4.7%、4.5%)、菓子+0.1%(1.6%、1.5%)、雑貨-0.1%(1.1%、1.2%)、酒類±0%(1.0%、1.0%)、その他-0.1%(0.1%、0.2%)となる。したがって、合計の相乗積は0.3%(23.0%、22.7%)となり、粗利率が0.3%改善しているが、それは惣菜0.1%、一般食品0.3%、デイリー0.2%、菓子0.1%と合計0.7%のプラスが精肉-0.2%、雑貨-0.1%、その他-0.1%の合計-0.4%を上回ったからであることがわかり、特に改善効果の大きかった部門は一般食品の0.3%、デイリーの0.2%であることがわかる。この2部門とも粗利率の高いPB商品の売上構成比がここ最近あがっていることから、PB戦略の効果がではじめたという推測がたつ。

   ちなみに、生鮮と惣菜の合計の相乗積は-0.1%(11.7%、11.8%)、ドライ合計の相乗積は+0.4%(11.3%、10.9%)であり、相乗積で見る限り、生鮮と惣菜の合計とドライの合計はほぼ同じ相乗積であり、バランスがとれているといえよう。特に、今期はドライの粗利改善が進んだことが全体の粗利率を改善したことになったといえ、その原動力がPBであったと推測できよう。さらにその商品を見てみると、今期ハローズが力を入れたPB、天然水、スポーツドリンク、冷凍うどん、食パン等であたったという。

   このように、ハローズの相乗積の活用の仕方は極めて実践的であり、このケースではPB商品の粗利改善の効果測定に活用しており、結果を見てもPB商品が一般食品とデイリーの粗利率を改善し、企業全体の粗利率改善に寄与したことが推測される好事例となっている。相乗積はこのケースのように、何がどれくらい粗利率の改善あるいは逆に下げた要因となったかがすぐに計算できる技術であり、食品スーパーマーケットの計数管理技術としては実践的でわかりやすい指標のひとつといえよう。また、以前、本ブログでも言及したが、これを各店と全店で算出してゆけば、各店の全店への粗利貢献度も明確になり、チェーンストア全体の粗利コントロールにも最適な指標である。古くて新しいテーマであるが、相乗積はPI値同様、しっかり身につけたい実践的な計数管理の技術といえよう。

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January 5, 2008 in 経済・政治・国際 |

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