家計調査データ、2007年12月度(最新)、公表、食品100.6%!
1/29、2007年12月度の家計調査データが公表された。12月度の外食を除く、1世帯1日当りの数字は2,648.74円となり、昨年対比100.6%と微増の結果となった。ちなみに外食は498.10円(104.5%)と食品よりも伸び率が高く、堅調な伸びであった。さらに、衣食住、サービスを含む全消費額は11,344.10円(103.1%)であり、同様に堅調な数字であった。食品のみ微増であるので、12月度は食品はやや厳しい月であったといえよう。本ブログでは、家計調査データについては、月別1世帯数当りの数字を食品スーパーマーケットの客単価と比較しやすくするために、1日当りに換算し、しかも、各項目を購入する世帯のみの消費額と購入世帯の割合に分け、1世帯1日当りの消費額=1世帯1日当りの購入世帯のみの消費額×購入世帯のみの割合とし、家計調査データの消費額の中身がより、深くその要因がわかるように工夫している。
さて、この12月度、好調な部門であるが、何といっても野菜・海草の105.6%が最も高い伸び率を示した。特に野菜の伸びが著しく、葉茎菜60.13円(116.4%)、キャベツ5.26円(134.7%)、ほうれんそう7.61円(116.8%)、はくさい5.45円(129.0%)、ねぎ10.61円(114.2%)、レタス5.16円(116.8%)、ブロッコリー5.48円(126.9%)、だいこん5.90円(123.6%)、にんじん7.10円(110.0%)、れんこん5.55円(111.0%)と軒並み110%以上の伸び率となった。特に、購入世帯当たりの数字が大きく伸び、購入世帯の割合がさほど伸びていないことから、客数よりも客単価が伸びたといえ、この要因は客単価=PI値×平均単価であるので、点数のPI値よりも、相場高による平均単価アップが最大の要因と推測される。一般的に青果部門は相場高の方が数字が良いのが特徴であり、相場安になると、数字がなかなかあがらないことが多く、今回も相場高であったことから、高い伸び率を示したものといえよう。
これについで、良く伸びた部門は、酒類の185.23円(103.9%)である。酒は食品の中では最も購入世帯の割合が低い分野であり、この12月度の数字も全体では76.5%であり、他の部門がほぼ100%近い数字である点を考えると、マーチャンダイジングが大きく違う部門であるといえよう。この中でも、特に、ウイスキーの3.58円(69.4%)、購入世帯のみ93.00円(67.9%)、購入世帯の割合3.9%(102.1%)、ぶどう酒12.42円(98.7%)、購入世帯のみ82.69円(95.7%)、購入世帯の割合15.0%(103.2%)と購入世帯が極めて低いのが特徴である。ただ、購入世帯のみの消費額は100円近い数字となり、ビールには追いつかないが、清酒、焼酎に匹敵する数字であり、限られた世帯に激しく消費されるという傾向が鮮明である。酒がこの12月度好調な理由はビールが67.10円(108.7%)と好調に推移したことに加え、清酒も48.90円(106.5%)と良く伸びたことが大きかったといえよう。酒はその意味で極めて特徴的な商品であるといえよう。
そして、もうひとつ堅調な伸びを示した部門が肉類287.42円(102.8%)である。特に、ハム41.52円(108.8%)、鶏肉 42.65円(105.6%)、豚肉 72.26円(103.4%)の伸びが貢献しており、ハムは107.0%、豚肉も104.0%と、いずれも購入世帯当たりの消費額の伸びが顕著である。ちなみに、牛豚鶏の数字であるが、それぞれ牛肉87.45円、豚肉72.26円、鶏肉42.65円という数字であり、通常の月はどちらかというと豚の方が数字が高いが、この12月度は牛の方が高いのが特徴である。
一方、これら堅調な伸びを示した野菜・海草、酒類、肉類に対し、昨対を切った部門を見てみると、魚介類の415.35円(96.6%)が最も大きく落ち込んだ部門である。特に、年末特有のえび18.97円(88.8%)、かに32.55円(92.1%)、たこ5.32円(80.9%)とどちらも伸び悩み、魚介類全体に影響がでたといえよう。これ以外にも、たらこ13.00円(85.7%)、魚介の缶詰8.03円(83.6%)なども落ち込みが大きかった。これについで、果物139.32円(97.5%)が大きく、特に、みかん 45.35円(89.4%)と大きく、購入世帯のみの消費額が67.81円(88.1%)と大きく落ち込み、購入世帯の割合は66.9%(101.6%)と昨年を上回っており、これも相場の影響が大きかったといえよう。逆に好調な果物もあり、りんご37.77円(119.0%)、81.71円(123.6%)、46.2%(96.3%)と購入世帯のみの消費額が2桁を大きく超える伸びを示しており、みかんとは対照的な数字となった。
これ以外の部門は、穀類265.65円(99.8%)、乳卵類111.45円(100.2%)、油脂・調味料140.55円(101.9%)、菓子類269.39円(100.6%)、調理食品375.00円(99.0%)、飲料134.77円( 100.6%)という状況であり、100%前後で推移している。この中でも個々の項目の中には2桁を優に超える商品もあり、金額は小さいがバター2.48円(116.7%)、紅茶3.81円(126.9%)、乳飲料2.94円(111.0%)や、まんじゅう5.61円(122.5%)、スナック菓子10.97円(112.6%)などがある。
このように、この12月度の家計調査データは100.6%と堅調な伸びであり、良く伸びた部門は野菜・海草部門、酒部門、肉類部門の3部門であり、この3つが全体の伸びを支えたといえよう。また、逆に落ち込んだ部門は魚介類部門、果物部門であり、この2つが特に落ち込みが大きかった部門である。家計調査データは、先にブログでも取り上げたCPI(消費者物価指数)と連動し、国民の家計の動向を把握する上で重要なデータである。今後は、この家計調査データの分析に加え、CPIのデータも参考に取り上げてゆきたい。この1月度以降のデータがどのように変化してゆくかに注目したい。
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