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February 18, 2008

日経2/16、小型店の出店加速の記事を考えてみる!

   日経新聞、2//16の夕刊の一面トップに、「都市部は小型店、スーパー各社、地価高騰で」、「東急ストア、総菜を充実、マルエツ、5年で50店」という見出しの記事が掲載された。その内容を見ると、以下のように各社が2008年度は一斉に小型店に取り組む方針であるという。東急ストアは通常の1/3の規模で総菜を充実させた新型店を出店、ダイエーは2008年度は小型店を出店の柱にすえるという。イオンは「まいばすけっと」を本格展開し、関西スーパーマーケットは2009年3月以降に小型店の出店に乗り出すという。また、マルエツは東京23区に今後5年で50店舗出店するという。ダイエーは来期20から30店舗の小型店をビック・エーを主体に出店するという。そして、西友も小型スーパーの開発に乗り出す方針であるという。

   日経の記事ではその背景には、不動産価格の上昇があり、出店費用がかさむことにが大きいといい、少子高齢化が進む首都圏では小型店舗は効率は落ちるが、総菜類などの品揃えを強化して収益を確保する狙いがある解説している。

   記事では、さらに具体的な事例として東急ストアと関西スーパーマーケットをあげている。東急ストアに関しては、この4月に東急の西小山駅の駅ビルに東急ストアフードステーションを出店するという。売場面積は580平方メートル(約175坪)と通常の1/3であり、野菜や魚などの生鮮食品を減らす一方で総菜などの加工度の高い商品を中心に販売するという。特に、バラ、個食パックの品揃えを充実させ、店内でも食事ができるようにイートインコーナーも設置したという。今後、このような店舗を20店舗近く出店する見込みという。また、関西スーパーマーケットについては、今期ではなく、来期の2009年3月期以降の計画であるが、通常の1/2の1,000平方メートル(約300坪)の小型店の展開を考えているという。大阪は土地が高いうえに、用地も少ないことから都市部での小型店の展開に入るという。

   ここで共通しているのは、土地が高く、出店費用がかさみ、それをカバーするために、小型の食品スーパーマーケットを出店し、特に、総菜に力を入れるということである。ただ、小型食品スーパーマーケットが総菜に注力して、採算ベースにのるかどうかはかなり疑問である。現在の食品スーパーマーケットの総菜構成比は平均すると10%前後であり、10%を超える食品スーパーマーケットはまだまだ少ないのが現状であり、食品スーパーマーケットの集客の柱は依然として生鮮3品であり、その構成比は40%前後である。小型食品スーパーマーケットが高い地価と人件費を相殺する方法は収益性をあげるよりも、坪効率をあげることが採算ベースに乗せる王道であり、そのためには圧倒的な客数を集客する以外に方法がなく、当然、それは、生鮮3品の強化が大前提となるからである。

   実際、首都圏の食品スーパーマーケットで小型店で高業績をあげている食品スーパーマーケットの典型的な事例は何といってもオオゼキであろう。オオゼキがなぜ、高業績をあげられるであるが、まず、この2008年2月期の中間決算の数字を見ると、売上に対しての営業利益率は業界屈指の7.3%であり、粗利率は24.3%、経費比率は18.0%である。しかも、オオゼキは総菜が強いのではなく、生鮮3品の構成比が47.1%、特に青果が22.0%と圧倒的に強く、これが強力な集客要素となっていることがわかる。しかも、店舗数は29店舗、店舗面積が16,803平方メートルであるので、1店舗当たり、579.41平方メートル、わずか175.5坪である。まさに小型食品スーパーマーケットであり、これだけ、東京という日本一高い立地に出店し、生鮮構成比を50%近くに高め、正社員比率67.0%という通常の食品スーパーマーケットでは考えられないような人件費をかけているにもかかわらず、経費比率は18.0%である。その理由は、坪効率にあるといえよう。

   オオゼキの平均店舗の平均客数は1日当り、3,666人であり、最も多い店舗は5,071人の池上店であり、最も少ない店舗は1,825人の座間店である。したがって、この圧倒的な客数が年間売上を高め、単純に直営店舗面積で年間売上を割ると、優に1,000万円を超え、この中間決算時の数字を単純に2倍して算出すると坪当たり1,279万円となる。これが高い地価、社員比率67.0%でも経費比率が18.0%になる仕組みであり、オオゼキはまさに小型食品スーパーマーケットの収益ビジネスモデルを作り、実践しているといえる。

   したがって、総菜のみに力を入れた食品スーパーマーケットを作っても、首都圏の高い地価をカバーするビジネスモデルはかなり難しいといえ、高い地価には高い坪効率で相殺するビジネスモデルが必要といえよう。その意味で、小型食品スーパーマーケットの成否は総菜強化による収益性のアップの方向は時代の流れとしては正しい方向であると思うが、食品スーパーマーケットの小型店は生鮮3品が柱であり、その強化の上にたった集客力の高い坪効率を極限まで高めた方が採算に乗るのではないかと思う。また、首都圏だからこそ、新鮮な野菜と鮮魚、そして、精肉という、食生活の原点である生鮮3品がより求められているように思う。

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