日経MJ、ヒット分析、バイヤー調査、牛乳、明乳トップ!
2/25、日経MJでバイヤー調査、ヒット分析で牛乳が取り上げられた。この調査は169社の食品スーパーマーケットのバイヤーへ調査表を送り、101社からからの回答を得、集計したものであるという。この記事では実際のバイヤーの評価が点数で表されているが、5点満点で各メーカーの牛乳の総合評価をつけてもらい、その合計得点からランキングを作成したという。したがって、満点は101社×5点であるので、505点となる。また、個々の項目の評価は評価できると答えたバイヤーの割合であり、最高は100%となる。
記事では、3つの表が掲載されており、ひとつ目は牛乳のブランド採点表であり、各メーカーの牛乳の味、利益率、商品コンセプト、商品価値と価格のバランス、テレビCMなどの広告・宣伝、成分・製法、ブランド力、パッケージデザイン、リピート購入率、ネーミング、ターゲット設定、消費者キャンペーン・イベント、POPなど店頭販促物の13項目であり、これに総合評価が加わる。2つ目はメーカー採点表であり、取引条件、ブランド育成力、商品供給体制、市場の話題作り・活性化への貢献、企業イメージ、新商品の開発力、売り場での販促策の提案・店舗応援、商品情報、営業担当者、商品構成の10項目と総合評価である。
そして、3つ目が仕入れを決定する判断基準であり、これは、各牛乳メーカーごとではなく、牛乳の仕入れに対するバイヤーとしての判断基準の重要性を聞いている。複数回答で高い項目順に回答が整理されており、50%以上が味、取引条件、利益率、商品コンセプトである。その他は、ほぼ同じ数字で、50%弱ぐらいであるが、商品価値と価格のバランス、テレビCMなどの広告・宣伝、成分・製法、ブランド力、ブランド育成力、パッケージデザイン、リピート購入率の順である。
さて、記事の見出しであるが、「明乳、攻めモー烈、おいしい牛乳、家族の定番」であり、実際、調査データを見ると、明治おいしい牛乳の強さが際立った結果となったといえる。ブランド採点表では総合得点1位が明治おいしい牛乳、395点に対し、2位の毎日骨太が281点と100点以上の差であり、ダントツの1位である。各項目13項目の中で11項目でNo.1の評価を受けており、際立ったバイヤーからの圧倒的な高評価を獲得している。ちなみに、No.1の評価が獲得できなかった項目は、商品コンセプトとターゲット設定であり、いずれもNo.2となった。この2つはともに毎日骨太がNo.1を獲得しており、明治おいしい牛乳よりも10%以上の差があり、際立った項目といえる。
メーカー採点表も総合評価では明治乳業が381点を獲得し、1位となり、2位の森永乳業の319点と比べ、やはり大きな差がついた。全10項目の内、8項目でNo.1の評価を獲得したが、これも2項目でNo.1の評価を逃している。その2項目は取引条件と営業担当者であり、この2項目は総合No.3の299点を獲得した日本ミルクコミュニティであり、No.2の森永乳業ではなかった。
また、今回対象となった牛乳は総合順位順に明治おいしい牛乳(395点)、毎日骨太(281点)、メグミルク牛乳(272点)、森永おいしい牛乳(267点)、カルシウムと鉄分の多いミルク(266点)、明治贅沢しぼりミルク(229点)、森永おいしい低脂牛乳(216点)、すっきり飲めるCa+鉄低脂肪(180点)、低温殺菌牛乳(157点)の10品であり、メーカーは明治乳業(381点)、森永乳業(319点)、日本ミルクコミュニティ(299点)、グリコ乳業(241点)、高梨乳業(149点)の5社である。
ちなみに、実際の食品スーパーマーケットの牛乳の売場でこれらの商品がNo.1、No.2の売上を獲得することはまずないといえ、No.1、No.2は大抵PBか地元の牛乳となるのが実態である。ただ、今回のバイヤーへの調査データでも断トツの数字を獲得した明治乳業の明治おいしい牛乳は別格であり、No.2の売上となるケースが多く、価格訴求、地域性が大きく反映される牛乳の中での、まさに調査結果どおり、ここ最近ではまれに見る顧客からの強い支持を受けているブランドであるといえよう。さらに、明治おいしい牛乳の500mlも他の500mlと比べ頭抜けた売上を示し、牛乳全品の中でベスト5に入るケースもある。
今回のバイヤー調査の中で、さらに興味深かった点を見てみると、明治おいしい牛乳と同じネーミングの森永のおいしい牛乳であり、この2つのブランドを比較してみると、総合得点では395点対267点と100点以上の差となったが、個々の評価の13項目で見てみると、特に大きな差となった項目は、商品コンセプト60%対30%、テレビCMなどの広告.宣伝63%対19%、ブランド力93%対42%、ネーミング72%対28%、リピート率82%対42%とこれらの項目が際立った差となっている。同じおいしいという言葉となってしまい、明治おいしい牛乳がいち早くブランドを確立したために、何がおいしいのか、明治おいしい牛乳のおいしさとどこが違うのかが分かりにくくなっているとバイヤーは感じているようである。逆に、この点を明確にした商品コンセプトを確立し、テレビCMなどをうち、ブランドが確立できれば、差は縮まる可能性もあるといえよう。
このように、今回の日経MJでは食品スーパーマーケット最大の金額PI値のカテゴリーともいえる牛乳が取り上げられ、約100人のバイヤーからの評価が公表されたが、大変興味深い結果となったといえよう。先にも述べたように牛乳はPBか地域性かの2つの要素が売上獲得のポイントであったが、今回バイヤーからトップの評価を得た明治おいしい牛乳をはじめ、各社の商品は新たな付加価値を獲得しつつあり、今後の食品スーパーマーケットの牛乳売場がどのように変化してゆくか興味深いといえる。長らく厳しい状況が続いていた牛乳ではあるが、今年はおもしろい展開が期待できそうである。
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