中国産、冷凍食品餃子、殺虫剤混入事件、最新情報!
依然として、中国の天洋食品製造の冷凍餃子への殺虫剤混入事件の真相が明確になっていないが、全国の食品スーパーマーケットの売場からは問題の商品をはじめ、疑わしい商品が次々と撤去されつつある。政府からは、日々、新たな問題の商品リストが公表されるなど、まだまだ冷凍食品売場が落ち着かない状況にある。内閣府のホームページを見ると、「中国産冷凍ギョウザ問題、最新情報はこちら」というコーナーがあり、そこにはこの問題の最新情報が日々更新され、掲載されている。相談窓口も、国民生活センター、厚生労働省、農林水産省 、そして、日本冷凍食品協会と4つ設置されており、政府の対応も日々充実されつつある。
直近の最新情報を内閣府の公表資料で見ると、すでに2/21現在、第22報となっており、2/1の第1報からほぼ毎日情報が更新されている。その第22報を見てみると、まず、事案の概要として現在の被害状況がまとめられている。中国産冷凍ギョウザを食べて有機リン中毒(メタミドホス)と確定した患者数は10名(千葉県7名、兵庫県3名)であるという。そして、健康被害にあった方を調査した結果、神経症状などの有機リン系農薬による中毒症状がないことなどにより、全て有機リン中毒が否定されているとのことで、その数は5,490名に上るという。したがって、現時点では10名が確定した患者であるという。
そして、この10名の患者の概要を示した上で、次にこれまでの政府の対応が示されている。最新情報は、2/21の中国公安部関係者との情報交換会議の報告であり、ついで、1/30から現在までの日別での各省庁の対応をまとめており、これがA4で約10ページにわたる。最後に、今後の政府の対応がまとめられている。現在、政府としては内閣官房、内閣府が中心となって動き、警察庁、厚生労働省、農林水産省がそれぞれの立場から対応している状況である。
これら省庁の中でも、厚生省が2/6に公表した最新の資料が現段階では最も明確な疑わしい冷凍食品のリストであるといえよう。題名は「製造者(河北省食品輸出入集団天洋食品工場:HEBEI FOODSTUFFS IMP. & EXP. GROUP TIANYANG FOOD PROCESSING) からの輸入実績について(平成19年1月1日~平成20年1月30日:速報値)」である。中身はまさに天洋食品からの日本の業者の輸入リストであり、自治体、輸入者名、届出品名、届出件数、届出重量(Kg)、輸入時の製品名・画像が実名、実際の商品名で公表されている。やはり、ジェイティフーズが多く、ギョウザ、ロールキャベツ、豚肉包み、豚肉三食包み豚肉ピカタ、豚肉ときのこのクレビネット、豚肉ゴボウ巻き、豚肉野菜巻き、とんかつ、ミルフィールポークカツ、煮豚の11種類、23品である。そして、これら全品の画像が表、裏、表示拡大で鮮明な写真で公開されている。
ちょっと気になったのは食品スーパーマーケットは1件もなかったが、業務スーパーの神戸物産が8品入っていることである。牛丼の具、お好み焼きなどであるが、いずれも画像で見ると、PBとして販売されている商品が多いのが特徴である。神戸物産のホームページでも自主回収の速報を流しており、すばやい対応がなされている。また、2/5には、「今後は自主的に全世界より自社輸入する全ての加工食品にまで100項目の農薬検査を実施し、安全性を確認した商品のみを販売させていただきます。」と宣言し、以下の3つの事項に取り組むという。① 全世界より自社輸入するすべての商品に対して100項目の農薬検査を実施し、安全性を確認した食品のみ販売するという。② 生産技術がないと品質検査が出来ない為、今以上に食品加工メーカーとして自社で品質管理マニュアルを徹底させ、品質管理体制を強化するという。そして、③ 自社工場と協力工場に対して品質管理・検品の為の常駐社員並びに日本からの社員の派遣頻度を増やすとともに、商社・卸売業者等の外部依存をせずに商品の全ての情報履歴が社内で管理できるSCM(自社による一貫した商品供給体制)としての安全確保を徹底し維持するという。
実際、神戸物産のホームぺージを見ると、連日、厚生労働省登録機関の食品環境検査協会の検査結果である試験成績証明書を公表しており、徹底した対応を実施している。厚生省の天洋食品リストに載った商品についても、「メタミドホス並びにジクロルボスとも検出はいたしませんでしたが、すべて廃棄処分とし、今後は一切販売いたしません。」という内容を2/19に公表している。
このように、1/30に発覚した中国産、冷凍食品餃子、殺虫剤混入事件は、被害状況はこれ以上の広がりを見せてはいないが、真相はまだ未解明であり、輸入業者、その商品を扱っていた小売業、外食産業の対応はまだまだ収束してはいず、問題の天洋食品だけでなく、他の中国製品の安全確認にまで追われている状況といえよう。そして、その後は、再発防止に向けてどう取り組んでゆくかが大きな課題となるが、自社でできることは限られているといえ、日本全体として、今回の事件を機に食糧問題を本格的に考えることが避けて通れない状況になったのではないかと思う。食品スーパーマーケット業界にとっては、値上げ問題に加え、今年は、この安心、安全が最大の経営課題となろう。そのためにも、まずは、最新情報をしっかりつかむことがその第1歩であろう。
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